2009年07月11日

土曜ドラマ「リミット 刑事の現場2」第1回

 今日からNHKではじまった「リミット 刑事の現場2」は、1回目から飛ばしてるというか、怪作になるんじゃないかという異様さを感じさせる雰囲気です。

 「刑事の現場」の続編ということですが、加藤啓吾(森山未來)が名古屋中央署に異動になったという設定で、ほとんど連続性はないようです。

 個性的な刑事との衝突や軋轢を描く人間ドラマといったところで、少なくとも初回の事件にはミステリー要素はなかったです。その個性的な刑事というのが梅木(武田鉄矢)で、相当ムチャクチャなことをしでかすのですが、その破天荒さに爽快感があるとかでもなく、本当に問題な人物といった振る舞いです。正論タイプの加藤啓吾と暴論タイプの梅木といったかんじ。

 武田鉄矢のギラギラ加減が半端なくて、この前の「BOSS」の犯人役でも発揮されてましたし、さらにもっと前のTBSのドラマ「白夜行」が忘れられないところです。今日の1話でも、感情のたかぶったセリフを吐くシーンには心を揺さぶられるものがあって、惹き付けられました。

 犯人に会わせるために、遺族の父親(斉藤洋介)に自分を殴らせて逮捕をし、留置場で会わせるなんて、まともなテンションでやったらドラマとして成立し得ないほどのムチャクチャさです。

 ほかの、伊武雅刀や斉藤洋介なんかも演技が濃くて、全体的に味付けが濃厚でした。

 ということで、観る前はNHKの手堅いドラマを期待してましたが、違った意味で先が気になる面白いドラマとなりました。

 それから、加藤啓吾の恋人(加藤あい)がまた陰を感じさせ、今後どうなるか気がかりなところです。
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「メキシコ20世紀絵画展」世田谷美術館

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 この展覧会の存在は今朝知ったのですが、メキシコの美術について、というより、メキシコそのものについても、ほとんど知らない状態。そんな私からすると、今日行くと「メキシコ絵画の魅力」という記念講演会を聞けるということが、行く決め手となりました。

 講師が加藤薫という美術評論家で神奈川大学の教授ということだったんですけど、メキシコの地理や歴史から1時間半ほどの講義を聞けて、その後に、展覧会に向かったのは、大正解でした。

 展示作品のスタイルの違いなんかを理解する上でも、メキシコの歴史の流れを漠然とでも知っておくのは大きかったですし、メキシコ美術の特徴を先にざっとさらえたので。

 私には、メキシコ美術というものが頭になかったので、藤田嗣治という名前が出たときにも、あぁそういえば、南米を回った時代があったよなぁと、いわば再発見したような具合です。


 チラシでもフリーダ・カーロの自画像がクローズアップされてますし、最初の展示作品でインパクトありますが、基本的には壁画運動の三大巨匠が存在として大きいんですね(フリーダ・カーロの夫である、リベラもそのひとりなわけですが)。ディエゴ・リベラの壁画は実物を観てみたくなりました。


 今回、とくに印象的だった作品はサトゥルニノ・エラン「収穫」、ギエルモ・メサ「信仰心篤い人たちの頭部」、ガブリエル・フェルナンデス・レデズマ「恐ろしい災難」といったあたり。

 
 今日は本当に行ってよかったんですが、復習が必要な気分です。
posted by 行き先不詳 at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「奇ッ怪 〜小泉八雲から聞いた話 」

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 小泉八雲の「怪談」から、五つの話を取り上げて、前川知大が舞台作品として創ってます。三軒茶屋のシアタートラムで、水曜の夜公演を観ました。

 主演が仲村トオルだったので、個人的には前川知大を知るきっかけだった「抜け穴の会議室」を思い出します。今回は、ほかに池田成志、小松和重、歌川椎子とイキウメから伊勢佳世、浜田信也、盛隆二、岩本幸子というキャストです。

 昔は寺だったという旅館にやってくるふたりの男(池田成志と小松和重)。そこには、作家(仲村トオル)が滞在しています。話をしているうちに、地元の言い伝えを、順番に語っていくというスタイルで、小泉八雲の「怪談」から「常識」「破られた約束」「茶碗の中」「お貞の話」「宿世の恋」が再現されるようにして演じられます。そして、個々の奇怪な物語を再話するだけでなく、ふたりの男と作家の出会いが偶然ではないということがわかってくる、という構成です。

 それぞれの話によって、テイストが違っていて、背筋がゾッとするような怖さのものもあれば幻想的なものや、おかしみが感じられるものもあって、個別の作品のセレクションとレイアウトが素晴らしいです。

 見所としては「破られた約束」の亡くなった妻の亡霊登場シーンとか「宿世の恋」の浪人が引き裂かれる思いに揺れるところなんかが、盛り上がりますし、怖かったりもするのですが、全体的に、池田成志が過剰なくらいに、面白さが突っ走ってるもんですから、そこが強烈なアクセントになってます。そんな私は「茶碗の中」のような軽さが好きです。
 
 私は、原作のほうの小泉八雲『怪談』にほとんど興味をもったことがなかったのですが、今回、読んでみたくなりました。
posted by 行き先不詳 at 20:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月05日

津村記久子『ミュージック・ブレス・ユー!!』

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 著者の作品では『婚礼、葬礼、その他』以降のものを読んでるので、こういうタイプの小説を書いてたんだとちょっと意外でした。

 青春小説というくくりになるでしょうが、いかにもな青春を描いてるわけでもないんですよねぇ。主人公のアザミの人物造形によるところが大きいのですが、それが小説全体の構想や文体と密接にかかわってきて、創り上げられています。その人物造形については、必ずしもネタバレだとまでは思わないまでも、予備知識なしに読みはじめたいところです。

 冒頭のバンド解散危機、っていうか解散しちゃいますが、それと受付の男子高校生との接近というすべり出しから、ありがちな筋書きを全く進みません。細かい日常の描写が積み重ねられますが、これが読んでて飽きさせないです。

 私には、アザミというキャラクターが愛しくて、かつ、切なく感じます。
posted by 行き先不詳 at 20:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月01日

地球ゴージャスプロデュース公演Vol.10「星の大地に降る涙」

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 「地球ゴージャス」の第10回公演にして、15周年記念となるとのことで、足を運んでみました。三浦春馬はこれが初舞台となるんだとか。

 はじめのうち、時代や場所の設定が明らかでなく、だんだんとわかってきてから、そんな話になるんだとちょっと驚かされました。そこだけですが、なんとなく映画「アポカリプト」を連想しちゃいました。

 島に暮らすある民族の話で、津軽だとか倭人だとかいう単語が出てくるので、アイヌをモデルにして、日本から蹂躙された民族の歴史といった物語となるのかなと予想しましたが、それに近いかんじではあります。

 物語としては、その島に男(三浦春馬)が流されたところからはじまります。その男は本土の人間なのですが、記憶を失くしていたこともあって、そこで暮らすようになるうち、その島の人々の生き方に影響を受けるようになるのです。これが、日本の近代の歴史の暗部を反転させたような理想を体現している民族だという切り口です。共存の困難さというものがそこにはあります。

 たいへんスケールの大きい話で、重くて悲劇的な物語でもあるのですが、エンターテインメント色が強く、歌とダンスと殺陣と笑いで埋めこまれています。

 ミュージカルがあまり好みでない私からすると、前半はあまり乗り切れなかったりもしたんですけど、もちろん十分楽しませていただきました。


 作・演出 岸谷五朗
 主なキャスト 岸谷五朗 寺脇康文 木村佳乃 三浦春馬 音尾琢真
 赤坂ACTシアターにて
 
posted by 行き先不詳 at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月28日

2009年春ドラマもほぼ終わったところで

 今のところ終わった連ドラを一言ずつ。最後まで観てたのは「名探偵の掟」「白い春」「スマイル」「BOSS」「ぼくの妹」でした。あと、「魔女裁判」と「Mr.Brain」はまだ続いてるということで。


 「名探偵の掟」は、原作をかなり以前に読んだので、違いがわかってませんが、おそらく映像化したことによって、ヘンなことになっちゃってるんじゃないかと想像してます。

 メタ構造を取ってますが、どういうレイヤーで登場人物たちが動いているのか、一貫性の見えない世界観です。あの小部屋に行くシーン以外では、ちゃんとミステリーの掟に乗っ取った言動が展開されるとか、ある視点からはちゃんとしたミステリーになってないとおかしいです。

 私の想像では、そもそも「本格ミステリー」という言葉じたいがそれほど一般的に共有されてないんじゃないかという気がしてます。

 とはいいつつも、「時効警察」や「33分探偵」と同じ流れで、ミステリーというフォーマットの中で遊びまくってるユルいコメディとしてかなり楽しみました。松田翔太と香椎由宇ともに、あんまりコメディのイメージがなかったですけどハマってたように感じます。



 「白い春」は、ラストを除けば劇的な展開を排したところが、かえってよかったと感じました。白石美帆の存在がちょっと不思議ですがあんまり説明しないまま進むところや、阿部寛が吉高由里子、遠藤雄弥といっしょに暮らすところなど、その擬似家族的なあり方が興味深いところです。

 ただ、消えた800万円を途中追求しないのは、不自然に過ぎると思えました。最後に取っておきたかったということなんでしょうけど。



 「スマイル」は、個人的には今期の中で一番でした。
 主要な登場人物である、早川ビト(松本潤)、三島花(新垣結衣)、伊東一馬(中井貴一)の3人が、それぞれ偏見にさらされる生い立ちがあって、それぞれの対処の仕方も違ったりもしています。しかし、3人の出会いが、それぞれの生き方を変えていくことにもなっていくのでした。

 なんといっても、中井貴一は全く素晴らしいです。法廷劇としての面白さは、中井貴一によるところが大きかったです。
 ドラマ的には林誠司(小栗旬)と北川検事(甲本雅裕)の人物造形が面白かったです。

 最後の2回の脚本のクレジットが宅間孝行から篠崎絵里子に変更になっていた理由がたいへん気になります。



 「BOSS」は、視聴者をだますところにこだわったドラマのような趣きです。最後にあんなプランをもっていたとは油断していました。はじめのうち、個性的なキャラクターの使い方や、事件の解決方法などにツッコミどころが多いと思って、個人的には低評価でしたが、後半になって評価が改まりました。



 「ぼくの妹」は、私の目には迷走してるように映ってました。1話のラストには驚かされましたが、それはいい驚きだったんですよね。それがだんだんいったいこのドラマはどこへ向かっているんだ感が強くなっていきました。ただ、最後まで見届けたのは、不思議な味わいがあったからです。
posted by 行き先不詳 at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

劇団、江本純子「セクシードライバー」

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 今日は何かしら舞台の当日券を買って観ようと思って、シアターコクーンの「桜姫」にしようか、さいたまゴールドシアターの「アンドゥ家の一夜」にしようか、とか考えた末に、これになりました。

 「劇団、江本純子」とは、毛皮族の江本純子が立ち上げたシリーズ企画だそうで、キャスティングも固定されていない、江本純子の作・演出のオリジナル作品を上演するとのこと。

 今回は、第0回公演に続く、第1回公演だということで、出演が前田司郎と安藤玉恵。ちょろっと江本純子も登場します。

 タクシーに携帯電話を忘れた客と、それを届けにきた運転手の饒舌なしゃべくり合いによって構成されてます。客がクレーマー気質な粘着質で執念深い女性、運転手は運転手でダメでヘタレキャラだったりで、両者のやり取りが、おかしくて笑えます。膨大なセリフからにじみ出る人間性と、ふたりの関係性の変化が面白いです。

 来月の第2回公演も観たくなりました。


 ギャラリー LE DECOにて
posted by 行き先不詳 at 20:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする