2012年01月26日

TOKYO PLAYERS COLLECTION「全 員 彼 女」

 トープレは前回の「IN HER TWENTIES」のアイデアが面白くて、今回もその変奏のようなスタイルかなと勝手に思い込んでいました。まあ、違うと言えば違うし、重なると言えば重なる印象があります。

 チラシに“次の朝、目覚めると僕の彼女が増えていた”とあるように、ひとりの人間として5人に分かれているというか、もうそこに全く違う女優5人がいて、全員が“僕”の彼女として存在しているわけです。彼女の料理好きな面とか、オタクな面とかの構成要素が一人ひとりになったみたいな。

 その設定だけで押し通すわけではなくて、本来のひとりの時の彼女との関係を描く上での仕掛けとしてあるんだと思います。それよりは、中盤で最初に戻って同じシーンが繰り返される中で(木更津キャッツアイの1回裏みたいなのを連想しました)、その時々の本当の気持ちだとかが語られるようになっていて、私にとってはそこからが面白かったです。


 ひとつ残念だったのは、私が観た回の観客に、妙に大きな笑い声を発する人がいて、それがそこまで笑うようなところか、というところまで大声で笑うもんですから鼻白むものがありました。作品に責めはないんですけど。

 
 終演後のアフターイベントとして「全 員 元 カレ(仮)」(出演:中村梨那、須貝英、野田裕貴)という短篇作品の上演がありましたが、こちらが本篇の記憶を吹き飛ばしかねないくらいの瞬発力のある面白さでした。


 脚本・構成・演出 上野友之
 出演 加藤岳史 黒木絵美花 小鶴瑠奈 近藤瑞季 冬月ちき 三谷有紀 安川まり 安田友加 李そじん
 1月8日夜
 王子小劇場
posted by 行き先不詳 at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月19日

「絶対の愛」「チェイサー」

 キネカ大森の名画座ははじめてでしたが、「絶対の愛」と「チェイサー」の二本立て。ハ・ジョンウが主演という共通点のようでした。

 「チェイサー」はDVDで観て、ここ数年の中ではトップクラスに衝撃を受けた作品だったので、劇場で観たいということもあったのと、そのナ・ホンジン監督の「哀しき獣」の公開に合わせてのタイミングでしたので、景気付けみたいな気分で足を運びました。
 
 「絶対の愛」はキム・ギドク監督作で、整形手術を題材にした映画。恋人から飽きられることを恐れて整形手術を黙って受け、主人公の女性は姿を消してしまいます。その後の紆余曲折があって、非常にアンビヴァレントな状況が成立するのですが、作為的に過ぎるというか、そういう状況に強引に持ち込んだように見えて、無理があるという印象を受けました。しかも、男の方の思考の展開がまた一層無理があるなぁと。

 「チェイサー」は、本当に大好きです。ひとつ気になっているのが、主役二人の出会いの場面で、社長がこいつだと閃く根拠がよく分からないんですよねぇ。今回観ても分からなかった。
posted by 行き先不詳 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月17日

円城塔『これはペンです』

 祝、芥川賞受賞ということになりますね。本日の選考会で「道化師の蝶」が受賞と決まりました。そして、本作には前回落選した候補作と「良い夜を持っている」の2作が収録されています。

 表題作では、最初の叔父からの手紙のややこしさに思わず声を上げて笑いましたが、大枠としては意外とシンプルなのかと思って、もう1回読んでみると、やっぱり細かいところで解らない箇所が出てきて全体との関係が見切れなかったです。

 「良い夜を持っている」は、超記憶力保持者という父親について語っている話。現在と過去、現実と夢を混在して記憶している父にとっての世界の認識の仕方とかが書かれてるんでしょうか、よくわかりません。

 両方とも何度か読み返していて、その都度、今度は分かるような気がするのですが、どうもそうならないといった状況です。
posted by 行き先不詳 at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

青木淳悟『私のいない高校』

 帯には、“物語”の概念を覆す、本邦初「主人公のいない」青春小説、とあって、読む前に想像をかき立てられるのですが、予想した方向とは違っていました。

 カナダからの留学生を受け入れてる高校でのほぼ1学期の様子となっていますが、学校を取材したドキュメンタリーのような趣きです。

 私が読んだ印象では青春小説でもなくて、どちらかというと教師側からの目線です。かといって教師が語り手でもないのです。誰視点かという意識で読んでいると揺らぐ気がして一層不思議なかんじがしました。この意識的にさせる文体とそこで反復的に問い掛けが生じるところに面白さを見出してました。

 それから、本筋ではないのですが、教師を描いた、映画やドラマ、小説にはあまり登場しない、ドラマチックではない、日々の仕事が垣間見えるのも興味深かったです。
posted by 行き先不詳 at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年01月14日

「幕末太陽傳」

 デジタル修復版として劇場公開されています。

 私は、かなり以前に観たときには、よさが分からずにいたのですが、この映画の人気は高く、よく名前が挙がるので、この機会にと劇場に足を運びました。

 主人公が居残り佐平次とはいえ、いくつかの落語の設定やエピソードが組まれていることが分かります。私自身の知識では、どれがどこまで使われているのかは分からない部分も多かったんですが、その落語的世界観の楽しさや、それを体現する出演者ら、とくに主役のフランキー堺の軽快さは素晴らしいです。ただ、キャストのクレジットが最初にあるだけなので、知ってる名前が多数出演してるなと思ってたのに、明らかにこの人だと分かる人は数人だったでしょうか。

 監督 川島雄三
posted by 行き先不詳 at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「チョコレート・ファイター」

 2009年日本公開だったタイのアクション映画です。アクションについては驚異的だとは思いますが、基本的にはヘンな映画という印象で、ストーリーとか設定などが変わってるなぁと思いました。

 でも、何にしても見所は、主人公の少女が知的障害か発達障害のようなのですが、突出した身体能力を持ち合わせていて、それが武術などの超人的な習得に発揮されるのです。母親の医療費を集めるため、母親が貸していた金を取り立てるのですが、たいてい相手は暴力に訴えて返そうとせず、彼らと闘って、借金を回収する、というパターンです。

 エンドロールでメイキング風なカットが流れるのですが、そこで、いかにこのアクションが生半可でないかがよく分かり感心します。感心というよりは呆れかねないくらいです。アクションでバリエーションあふれるアイデアは素晴らしいとは思いますが、アクションのためのアクションに見えて、必ずしも乗り切れませんでした。
posted by 行き先不詳 at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「GO」「パレード」

 二本立て的な意識はなかったんですけど「GO」と「パレード」をレンタルで。「GO」は10年近くぶりに観て、「パレード」のほうははじめて。共通するのは文芸作品が原作で行定勲監督作品だということですが、私自身がその原作が好きだというのが最大の共通点です。

 「GO」はそういえば宮藤官九郎の脚本でした。観たときには、面白い原作をさらに超えてると感じたくらいによくできた映画化だと思いました。ただ、当然のことなんでしょうけど、今回観て少し古くなっているのかなというところはありました。それ以上に、こういう何年かぶりに観る映画とかって、端役の俳優の当時の位置付けを覚えていないので、不思議な感覚があります。たとえば、今は有名になっているけど、その頃はそこまでじゃなかったのか、それなりに知名度は出ていたのか、といったことです。

 「パレード」のほうは途中、楽しそうなところとかもあるし、とてもいい調子に思えるんですけど、気になったのは尾行シーンとラスト。ラストについては、原作通りでないにしても、もう少し違う形で着地してほしかったです。
posted by 行き先不詳 at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする