2008年06月30日

岸本佐知子編訳『変愛小説集』

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 このタイトル、技ありだなと思います。現代英米文学の中から、“変てこ”な恋愛小説、11篇を集めたアンソロジー。私は、もっと面白おかしかったりするのかと思いましたが、変ではあっても、予想より“文学”だなと感じました。ですから、奇想とか奇抜な設定が面白そうという期待とはちょっと違うかもしれません。


 好きな作品をいくつか挙げると、「五月」は木に恋をする話。語り手が途中で交代するのがポイントなんですけど、私は勝手に夫婦なんだと思い込んで読んでたら、語尾が両方とも女ことばになっていて戸惑いました。読み返すと語尾以外では、どっちが誰って特定できないんですよね。編訳者あとがきを読んでみたら、やはり原文では性別が特定できないということです。いちばんしっくりきた組み合わせということですが、ちょっと残念な気がしました。文章そのものが魅力的で、何度か読み返したくなる味わいをもってます。

 「まる呑み」は、かなり変です。庭の芝刈りを頼んでる青年に欲情してキスをし、さらに舌を強く吸い、そして、丸ごと、ぜんぶ吸い込んじゃうんですから。その後、ふたりの性的な関係が体の中にいる状態のまま進行したり、妊娠したりして、具体的にはどういう仕組みになってるのかはわかりませんが、とにかく驚かされました。なんだ、この話は!みたいな。

 あと、最後の「母たちの島」。戦争がはじまって男がいなくなり、女だけがいる島に敵国兵士が上陸します。女たちと恋をして、兵士たちは島を去り、その後、子どもたちが生まれるのですが、生まれた子どもたちは、男と女とで別々に住まわせられて、育てられます。そこへ、ひとりの男が漂流して…。
 「母たちの島」の作者は、ジュディ・バドニッツという人で去年『空中スキップ』を読んだんですけど、その中に入っててもおかしくないようなかんじの作品です。ていうか、そういう作風なんでしょうけど。
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2008年06月29日

「CHANGE」第7話

 先週の7話は面白かったです。初回が一番好きで、政治の現場の話になると、どうしても薄っぺらに感じられるところがありました。それが、7話ではドロドロしたところとか、現実はなかなかうまくいかないみたいなところが出てて、そういうところが私の好みのようです。

 神林(寺尾聰)の黒幕ぶりが全開で、美山(深津絵里)に秘書官を辞めるように告げ、補正予算案をつぶす工作があって、そして「朝倉君、君はもう用済みだ。あとは、私と美山君に任せて、君は官邸を出て行きなさい」と朝倉(木村拓哉)に言うシーン。部屋には美山もいて、あのふたりの複雑な思いの交錯が、とても苦しく悩ましいものでした。さらに、小児科医の予算案のきっかけとなった子どもの死。

 それでいて、木村拓哉と阿部寛、加藤ローサのテンポのいいやり取りの部分は最高で、それとSP(大倉孝二)のとぼけた味もあって、相変わらず楽しいです。
posted by 行き先不詳 at 11:55| Comment(0) | TrackBack(0) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月28日

「A MIDSUMMER NIGHT'S DREAM〜THEじゃなくてAなのが素敵〜」

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 かなり久しぶりなことに、開演に間に合わなかったです。言い訳にもならないんですが、チケットに[開場 1:00PM 開演 ]とあったのを、1時開場なんだと思い込んで、確認を怠りました。開場時間(と思ってた1時)をちょっと過ぎたあたりで行ったら、はじまっていたというわけです。

 そういうわけで、前半の出遅れがありましたので、ああだこうだとは言いませんが、シェークスピアの「夏の夜の夢」を自由なかんじの演出で、ポップな喜劇にしたといったところでしょうか。

 かなり笑ったところもあれば、眠くなったところもありました。劇場の問題なのか、横を向いた時のセリフなんかが、聞き取れなかったりもしました。



 翻訳・演出 G2
 キャスト 山内圭哉 竹下宏太郎 神田沙也加 樹里咲穂 菜月チョビ 藤田記子 小松利昌 出口結美子 権藤昌弘 新谷真弓 植本潤 コング桑田 陰山泰
 東京芸術劇場にて 
posted by 行き先不詳 at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「週刊真木よう子」

 第9話だけ、録画の失敗で観てないんですけど、この企画は本当に素晴らしかったですね。私の周りで観てる人はいなかったんですけど…。「筋子肌」の第3話を人に言って薦めたら、逆効果でした。

 個人的には、第4話「中野の友人」、第5話「トラ・トラ・トラ」、第7話「立川ドライブ」、第8話「恋泥棒ヨーコ」が好みです。
 「中野の友人」なんて、セリフがないばかりか、主演ですらないんじゃないかと思いますけど。

 ストーリーや演出はもちろん、ドラマのタイプそのものが全然違ってたりする中、最も印象的なのは真木よう子の笑顔のバリエーションでした。


 最終週の総集編では、メイキング、真木よう子へのインタビュー、共演者から見た真木よう子で構成されていましたが、真木よう子へのケータイについての質問が個人的には強烈でした。
 
ケータイいじっている人を見ると、ちょっとイラッとしますよね。というか残念だなって思いません?全然違う人とつながってんだ今、みたいな。

 といったような答えでした。サバサバしたところがあるのがよく出てますけど、でもこれってかなり鋭いところを突いてるなと。
posted by 行き先不詳 at 21:17| Comment(0) | TrackBack(0) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月26日

「U-1グランプリ CASE02『厨房』」

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 「U-1グランプリ」の第2弾を昨日観てきました。第1弾は迷ったあげく行かなかったんですけど、今回は観る気になって。

 そもそも、「U-1グランプリ」というのは、放送作家 福田雄一(『THE3名様』監督・脚本)×俳優・脚本家 マギー(元ジョビジョバ、リーダー)の共同脚本・共同演出で、コントを愛するふたりが強力な布陣で繰り出すワンシチュエーションコント集、だとのことです(チラシより)。

 で、今回は厨房をテーマにしたシチュエーションコント集だったわけですが、私はほとんどどれも楽しくて、かなり笑わせてもらいました。コントなので、いちいちあれが面白かったとか挙げにくいところですが、ディズニーランドと美味しんぼのかぶりものが出てくるのなんか、かなり印象に残ってます。

 出演者が、予定では田口浩正だったのが降板になって、春海四方に変更になっています。この人もかなりはじけてて、面白かったです。ほかの出演者を観ても、全員第1弾と入れ替わってて、小松和重、長谷川朝晴、原史奈、上地春奈。あと、福田雄一とマギーも出演してます。



 THEATER/TOPSにて
posted by 行き先不詳 at 23:30| Comment(1) | TrackBack(1) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月25日

「パンズ・ラビリンス」

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 これはファンタジーがあまり好みでない私にもかなり惹かれるものがありました。

 1944年のスペイン。主人公の少女・オフェリアは母の再婚相手の元へやってきます。新しい父はフランコ側に付く軍の大尉でいわば悪役、冷たく残忍な男です。オフェリアの周りは、暗く希望の少ない世界なのですが、妖精に導かれ迷宮の守護神・パンに出会います。そこで、オフェリアは「魔法の王国」の王女で、3つの試練に耐えれば王国に戻れると言われるのです。


 グロテスクな生き物が出てくるような異界の表現と、リアルで痛ましい残酷な現実の描写があって、それぞれの物語が最後へ向けて緊張感のある展開を見せます。どちらかというと、リアルな世界のほうが大きな位置を占めていて、本当に痛々しいシーンだったりもするんですが、それがファンタジーの世界を輝かせて、切なくて静かな余韻が残ります。 

 出演者の中では、悪役の大尉役の人(セルジ・ロペス)と、ゲリラのスパイをしていてオフェリアを守ってくれるメルセデス(マリベル・ベルドゥ)、それから、オフェリア(イバナ・バケロ)が印象に残りました。

 監督・脚本 ギレルモ・デル・トロ
posted by 行き先不詳 at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月23日

「自虐の詩」

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 これは観ててちょっと困ったなという感想です。映画化を知ったときには、結構楽しみではあったんですけど…。

 原作について、「泣ける4コママンガ」といった評を見かけますが、私はそれよりも、4コマでたたみかけるようなリズムで波のように繰り返されるおかしさと切なさが好きです。というか、熊本さんが一番好きで、後半の熊本さんが出るあたりから最後までを読むということを幾度となくやってます。

 本作を観ていて、ああ、あのエピソードだなとか、原作から追加した設定だなとか、そういうことは思うのですが、面白いとかの感想が全くわかりませんでした。原作を知らなければ、どう感じたのか。いつか、また観たら違った感想を得るかもしれません。

 ただ、私には、おかしさがあまり感じられず、今のところ、どうして映画化しようとしたのかもわからない、そういう困った作品になってしまってます。

 前半のちゃぶ台をひっくり返すシーンのスーパースローなところが妙に美しくて面白かった。
 

 監督 堤幸彦 
 主なキャスト 阿部寛 中谷美紀 西田敏行 遠藤憲一 カルーセル麻紀 竜雷太 名取裕子 岡珠希 丸岡智恵 アジャ・コング
posted by 行き先不詳 at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月22日

「ラスト・フレンズ」最終回

 これまでの展開からすると、最終回はちょっと物足りないところもありましたが、全体を通して今期一番好きなドラマでした。

 第1回の瑠可のセリフに「男とか女とか関係なく、人としてちゃんと尊重して、距離守って付き合ってほしいんだよね。そういうヤツとなら一生付き合っていけるのに」とあって、再会を果たしたタケルがこれに同意を示すのですが、ここにドラマのすべてがあるような気がします。
 
 
 主要なキャストがそれぞれ深い悩みや秘密を抱えていたり、病んでたりしたわけでしたが、それらを克服するというよりは、それを抱えながらもいかにして人間関係を模索しながら築いていくかという話だったように感じます。

 どうでもいいですが、最終回でちょっと驚いたのは、戸籍住民課にいた頃の宗佑と窓口で出会ったのが宗佑と美知留の出会いだったというところ。



 脚本 浅野妙子
 主なキャスト 長澤まさみ 上野樹里 瑛太 錦戸亮 水川あさみ 山崎樹範 倍賞美津子 田中哲司 朝加真由美 平田満 
posted by 行き先不詳 at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

平安寿子『こっちへお入り』

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 落語を素材にした小説ですが、落語論にもなっているところが特徴です。

 主人公の江利は、落語にあんまり興味がなかったものの、友人が落語教室に通っていてその発表会があるというので、観に来ている場面からはじまります。江利は自分の日常生活に物足りなさもあって、落語に興味を示し、すっかりのめり込んでいくのですが、その途中で、噺の内容だとか演者の違いにこだわった考え方が語られ、また自分の生き方にもからめた物語となってます。

 たとえば、最後に出てくる「芝浜」に関して
 志ん朝や小三治、さらには談志まで聞いたうえで、江利はさん喬版がもっとも共鳴した。
 一般に演じられる『芝浜』は、男の噺だ。だが、さん喬版は女房の描写がきめ細かい。一度、からくりを知ってから聞き直すと、金を拾ったのは夢だと言い張る場面から、ほかの噺家との違いが際立っている。

 といったようなかんじ。
 女性の目線で噺を捉えるところが、この小説ではポイントになっていて、廓話はしないという女性も出てきたりします。それが一番出てるのはおそらく「文七元結」のところ。
 これは円朝の手による名作だというが、江利には納得できない。毎晩、好きでもない男に身体を売るというのが、女にとってどんなにつらいか、わかってない!
 これが、自分の家の跡継ぎ問題を絡めて、この噺への理解を新たにするというところへ向かいます。私は、落語を聞いてもここまで深く考えたことがないので、新鮮な面白さがありました。逆に、ほかの登場人物の存在や、恋人との関係なんかが、弱いと感じるところもあるので、落語に全く興味がない人にはオススメできませんけど…。
posted by 行き先不詳 at 15:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ダンダンブエノ「ハイ!ミラクルズ」

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 「劇団♪♪ダンダンブエノ」は、近藤芳正が中心の劇団で、酒井敏也と山西惇らもこれまでの全公演に出演してるので、ほぼ正式なメンバーのようです。

 私は前回の公演がはじめてで、そのときは作:本谷有希子、演出:倉持裕という組み合わせでしたが、今回は作:福原充則、演出:近藤芳正。

 まず、深夜の新聞配達員3人が中年ながら、安い給料で使われて、ただし、町をパトロールするという仕事もしていて、誇りとやる気を注入されながら奔走しています。この3人が近藤芳正、光石研、山西惇なんですけど、その子どもじみたハイテンションぶりと、空想やら妄想が入り交じったシーンが入り込んで、とてもおかしい。

 その新聞の販売所で、彼らをだましだましに搾取している姉弟がいて、姉を前田健、弟が酒井敏也。だいたいこのふたりが姉弟で、しかも弟が見た目より相当若い設定なのが卑怯で笑えます。前田健は、ほかでもコンビニの気持ち悪い店員とかでも面白かったです。

 それから、新聞配達員の中で「お疲れ様」という愛称で陰ながら憧れられている女性を南野陽子が演じていて、実は彼女は深夜勤務であんぱん工場で働いているということがわかります。一緒に仕事をしているのんびりした女性として峯村リエが登場します。


 明らかに、格差とかワーキングプアの話なのに、そういうシリアスさがまるで感じられなくて、最後の落ちも、逆に壮大な結論とも言えるのですが、シニカルにではなくてナンセンスな軽い笑いなのがとても楽しい舞台でした。


 青山円形劇場にて
posted by 行き先不詳 at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月19日

「ホカベン」最終回

 最終回を観ていて、途中なんか、これで終われるのかというくらいの駆け足ぶりで、続編をお願いしたいような結末ですし、それでなくても、今後の展開も見届けたくなるような物語です。

 DVに性的虐待、少年事件、自己破産、いじめ、医療過誤などなど、扱われる事件そのものがシリアスな上に、弁護活動における現実と理想のギャップが容赦なくて、本当に重いドラマでした。

 しかも、それに留まらず、堂本(上戸彩)の先輩弁護士である杉崎(北村一輝)が、昔の事件で負った十字架を、実は自分が捨て石になって社会を変えようとまで考えていたということが明らかになるというところは、全く予想外の成り行きでした。

 私を裁くということは今の日本の弁護士を裁くということになる、と法廷で杉崎が言うように、倫理的に反していても依頼人の有利になるなら徹底的に法律を武器にするという弁護活動が、どこまで許されるのかという問いかけになっています。

 事務所を辞めてまでも、杉崎を信じて、杉崎を訴える原告の代理人となる堂本は、この裁判が終わってから険しい道が待っているわけで、ここからが本当に観たいという気もするのでした。


 同期の片瀬(加藤成亮)が、途中でかなり“あっち側”に行ったかと思わせておいて、すぐに軌道修正されてるのも中途半端な存在になってしまったような気がします。



 主なキャスト 上戸彩 北村一輝 加藤成亮 戸田菜穂 篠井英介 りょう かとうかず子 大杉漣
posted by 行き先不詳 at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「もっと知りたい歌川国芳―生涯と作品」

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 このシリーズでは、伊藤若冲を手にしたくらいですけど、サイズが大きくてビジュアル重視でもあり、入門書としてなかなかいいですね。

 国芳って、私の印象では、だまし絵が大きかったんですけど、ほかの作品群を観て、こんなにヘンなのを描いてるのかという驚きがありました。観ていて楽しい画ですね。私は、妖怪がらみの画が好みです。表紙にもなっている「相馬の古内裏」なんかも全体の半分以上を覆っちゃうような骸骨の巨大さ、実物を観てみたいものです。
posted by 行き先不詳 at 21:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月17日

「古畑中学生」

 こちらも先週土曜に放送されてた「古畑中学生」ですが、これは期待に違わぬ面白さでありました。

 古畑の少年時代がHey!Say!JUMPの山田涼介(って、私はHey!Say!JUMP自体がよくわかってなくて、ジャニーズなんだろうなあ、くらいの認識でしかないのですが)で、すでにしてすっかり役にハマってる感がありましたが、それ以上に、向島役のタモト清嵐(そらん)がなんだか気になりました。素晴らしいとかいうよりも、妙に記憶に残るものがあって、「何か」がにじみ出てるような個性をもってます。何がにじみ出てるのかはわかりませんけど。HPを見て、あぁファンタのCMに出てた子か、と思い出しました。結局、古畑は転校してしまったので、もしシリーズ化されても、もう登場しないのかもしれませんね。


 中学生の古畑が解いた今回の事件ですが、観終わってから、最初の依頼が舞い込んだタイミングをチェックしましたが、かなり際どいなあという気がしますがどうなんでしょう。


 脚本 三谷幸喜
 主なキャスト 田村正和 山田涼介 原田泰造 浅野和之 タモト清嵐 福田麻由子 小林隆 温水洋一 石田ゆり子 甲本雅裕 石田太郎   
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2008年06月16日

土曜ドラマ「監査法人」第1回

 先週土曜からNHKではじまった「監査法人」(全6話)には大いに期待しています。こういう路線のNHKドラマってハズレが少ないんじゃないかと思ってますがいかがでしょうか。とくに「ハゲタカ」みたいなかんじに近いんじゃないかと。

 第1話は、なかなか重い話でした。
 大手監査法人の公認会計士を描いていて、そこには大きく分けてふたつの考え方が示されています。“厳格監査”という言葉がキーワードになっていまして、これからの時代は今までの企業とのなれ合いを排除して公正な監査をするという立場があって、それから、本当に厳格な監査をしていたら日本の企業は壊滅してしまうのだから現実的であるべきだという立場があります。ドラマの舞台が2002年なので、きっとそういう状況が反映されているのでしょう。

 主人公の若杉(塚本高史)は、自分が責任者として監査した建設会社が粉飾決算をしていることに直面しますが、厳格監査を貫くことによって、建設会社は結果として潰れることになり、多くの社員の人生を狂わせることになったとも言える結果を生みます。もちろん、それは粉飾をした会社の経営者が悪いとも言えますが、若杉はそこまで厳しくすることに対して必ずしも確信をもてなくなってきているようです。

 粉飾をごまかすために作業員が亡くなる事故が起きたり、若杉が決算書を承認できないと宣告した後に、相手の社長らが土下座したり、やりきれない場面も出てきます。現場を描くことでどういう答えが出てくるのかを見守りたいドラマになりそうです。

 第1話での、ほかの主要なキャストは、松下奈緒 豊原功輔 橋爪功 勝村政信 光石研 長門裕之 清水章吾 阿部サダヲ
posted by 行き先不詳 at 23:19| Comment(0) | TrackBack(2) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする