2008年08月31日

2008夏ドラマ“次回が気になるランキング”

 いよいよ連ドラ群も終盤ですね。そんな中、次回が気になるランキングを挙げると
 1 魔王
 2 ゴンゾウ
 3 コード・ブルー
ってところです。
 あと、モンスターペアレント 正義の味方 Tomorrow が次点で、33分探偵 太陽と海の教室 がさらにその後ってところか。といっても、“次回が気になる”であって、面白さと完全に一致するわけでもないんですけど。

 「魔王」は、とうとう成瀬領(大野智)の正体が芹沢直人(生田斗真)にも、咲田しおり(小林涼子)にも判ってしまったところで、面白さが爆発してます。真犯人が知れてから、取調室に弁護人として登場する成瀬の顔ったら、これぞ“魔王”ではないかと思いましたし。
 成瀬からすると、芹沢の抱く悲しさは、成瀬もかつて味わった悲しさであり、犯人がわかってるのに捕まえられない無念さは、成瀬が抱く無念さでもあって、全編を通して、こういうダブルミーニングなセリフが多いんですよね。
 私は、他人の復讐心をコントロールして、殺人を実行させるというところには、リアリティを全く感じないので、そこが引っかかるところではあります。ドラマのポイントでもあるので、些細な部分とも思えないのですが、それに目をつぶれれば、かなり面白いです。


 「ゴンゾウ」は、一味違う刑事ドラマでした。過去の出来事をきっかけにドロップアウトし、今はおちゃらけた備品係長になっている元敏腕刑事・黒木(内野聖陽)が捜査に復帰することで復活していく、みたいなドラマではなかったわけです。1話完結でもなくて、初回で起こる事件の捜査で最後まで行くようです。
 係長の佐久間(筒井道隆)がなぜ黒木をムリに復帰させたかとか、黒木が心を病んだ原因の出来事だとかもわかり、クライマックスと思われた犯人逮捕劇があった後、これからどんな真相、展開が待ち受けているのか興味深いです。


 「コード・ブルー」は、毎回数人の患者が出てきて、それぞれの特殊な状況に対処する中で、フェローたちが成長していくという流れできてました。それが、黒田(柳葉敏郎)の腕を切断という事態に。この事故は、白石(新垣結衣)のミスということですが、元々、黒田がフェローをヘリに乗せることに消極的だったことから考えると、かなり皮肉な結果になってしまって、「お前らと出会わなければよかったな…」というセリフが痛いです。
 はじめのころに比べて、フェローたちのキャラクターもしっくりきてるように感じて、好きなドラマになってきたところでこの展開、果たして、どのように乗り越えるのかを見守りたいと思います。
 
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島本理生『波打ち際の蛍』

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 DVの後遺症に苦しんでいる川本麻由が、カウンセリングを受けている病院で出会った植村蛍(←男。ほたると読みます)と恋をするのですが、心の傷がその恋の大きな障害となるという話です。

 このふたり、互いに好きだし、蛍が麻由のことを理解をもって接しているような状況にも関わらず、麻由のほうが心の根っこの部分でどうしても拒絶をしてしまうのです。そういう意志だけではどうにもならない悲しさ、やりきれなさがあって、安易な解決を許しません。

 こういう方面に詳しくないので、主人公はパニック障害なのか、うつ病なのか、PTSDなのか、そのへんがわからないなりに、そういう精神疾患なんだろうと思いながら、前半は読んでいました。ただ、そのわりには文体がふつうというか、大人しい女の子くらいにしか読み取れないのに、心の傷を思わせる言動や思考が書かれてるので、それが取って付けたように感じられて違和感を覚えました。後半になるにつれ、気にならなくなったので、そのあたりは判断しかねるところですが。
posted by 行き先不詳 at 21:38| Comment(1) | TrackBack(2) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月30日

「東京原子核クラブ」

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 マキノノゾミ作で、1997年に上演されたときの評価も高く、戯曲は読売文学賞を受賞したということ、それに戦時中の原子物理学が扱われてるということなんかで、観てみたくなりました。俳優座劇場は、恩田陸の「猫と針」以来2度目で、あまり縁がないんですよね。

 一応主人公といえるのは物理学者の友田晋一郎で、朝永振一郎をモデルにしてるようです。彼が住む下宿での風景が描かれ、ほかの個性的な住人らとの日々が、面白おかしく、かといって派手すぎずに積み重ねられます。それが、第2幕になると、戦争の影が色濃くなって、いろんな変化が見えてきて、日本での原爆の研究ということが前面に出て来たりもするのです。

 この作品なんかでは、休憩をはさんで2幕に別れてることに、必然的な意味があることがよくわかります。第2幕に入ってからの重さや密度の違い、時間の流れ方などの見せ方の変化もあって、第1幕を観てるときには、正直ちょっとゆるいなあとか思ってたのが、急に背筋が伸びるようなかんじでした。かといって、重い話ばかりでもないし、ドラマとしての面白さもあって、これは本当にすごいです。


 作 マキノノゾミ
 演出 宮田慶子
 出演 田中壮太郎 石井揮之 若杉宏二 小飯塚貴世江 西山水木 田中美央 二瓶鮫一 檀臣幸 佐川和正 渡辺聡 外山誠二 佐藤滋
 俳優座劇場にて
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2008年08月28日

「エリザベス ゴールデン・エイジ」

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 「エリザベス」の続編。10年ぶりということですが、そんなに経つんだとちょっと驚きます。今回は、陰謀や暗殺未遂事件などを経て、スペインの無敵艦隊との戦いを勝つあたりまでとなってます。

 物語で結構大きな位置を占めてるのが、航海士のウォルター・ローリーという存在で、女王は恋をしていますが、その思いは抑えざるをえませんし、かなうこともないわけです。この恋が実らずに終わり、無敵艦隊に勝つことで、心身ともに神聖で絶対的な威厳を獲得するようにも思えました。ただ、エリザベスの身の回りのドラマが多すぎて歴史劇としての面白さとして、若干の物足りなさも覚えました。



 監督 シェカール・カプール 
 主なキャスト ケイト・ブランシェット ジェフリー・ラッシュ クライブ・オーウェン アビー・コーニッシュ サマンサ・モートン
posted by 行き先不詳 at 21:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月26日

高橋源一郎・山田詠美『顰蹙文学カフェ』

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 顰蹙をキーワードに、高橋源一郎と山田詠美がゲストを迎えての文学談義です。顰蹙というのは、最近の若い作家はあんまり顰蹙を買ってなくていかんということなんですが、この顰蹙というのが微妙な線で、非難囂々とか、逆に誰からも好かれるとかいうことではなく、あくまで“顰蹙”というレベルなわけです。といっても、恣意的なところがあるわけで、厳密にどうこうということではもちろんありません。

 高橋源一郎と山田詠美のふたりでの対談があって、そのあとのゲストが、島田雅彦、中原昌也、車谷長吉、古井由吉、瀬戸内寂聴の5人です。文学賞をめぐる話が多いですが、それぞれ面白かったです。

 ただ、それ以上に、どうなんだこの人は的な感想を抱いたのは中原昌也と車谷長吉のふたり。中原昌也は、小説を書くのが嫌だとずっと言っていて、そのネガティブな雰囲気が延々と続いてうんざり気味になるくらいで、さすが“顰蹙”だとか思うほど。

 車谷長吉は、世捨て人になりたかったけど、なれなかったとかいう話が出てきますが、話全体にダメ〜な感じが漂っていて、やっぱりこの人はふつうじゃないな、と思わせます。

posted by 行き先不詳 at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月25日

「ヘアスプレー」

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 私は、こういうミュージカル映画って苦手なので、どうかなと思ったら、やっぱり好みの作品ではなかったです。最初の歌の時点で、やっぱりダメかもと思ったようなしだいで。ただ、これを楽しむ人がいるのもわかります。なんか幸せな気分を味わえそうです。

 太めの女の子が主人公で、夢中になって観ているTVショーにダンサーとして出演することができ、しかも人気者になるんですが、母親役をジョン・トラヴォルタ、父親役をクリストファー・ウォーケンが演じてて、この一家のキャラクターは面白かったです。設定が1960年代で、黒人差別問題が一貫して触れられていますが、そこには全くシリアスな空気がなくて、あっけらかんとしてるのもなんかすごいです。葛藤のかけらもないようなスーパーポジティブな作品です。
posted by 行き先不詳 at 23:02| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月24日

「モンスターペアレント」第8話

 三浦圭吾(佐々木蔵之介)逮捕されちゃいましたね。油断してたら、意外な方向へ行ったな、という感想です。
 
 このドラマは、一話完結で毎回、いろんなモンスターペアレントが出てくるも、それを切り捨てていくのではなくて、なぜそんな無茶なことを言うようになってしまったのかを探り当てていくという話と言えます。ここに弁護士の高村(米倉涼子)が関わっていき、それまでの価値観が覆されていく過程にもなっています。

 それはそれでいいとは思うんですけど、ここに弁護士が関わっていくことに無理が出てて、このままなら観るの止めようかなと思ってました。対応にしても、解決方法にしても、全然弁護士であることが必要に見えないですから。

 ところが、ここで急転回。教育委員会の三浦が元教師で、発言のはしばしから訳ありなのかなと思ってましたが、三浦自身がモンスターペアレントだったとは。それとも、勘のいい人だったらわかったんですかね。しかも、今も“現役”みたいなもんで、ターゲットとなる教師を監視するために教育委員会に来てたわけですからね。そして、激情に駆られて殴ってしまった。

 それにしても、中川(佐藤二朗)が三浦に毅然とした態度を示していて、モンスターペアレントへの対応として一番ちゃんとしてるようで、なんか皮肉に見えました。三浦の先走りではなく、クロだっただけに。


posted by 行き先不詳 at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

宮下規久朗『カラヴァッジョへの旅 天才画家の光と闇』

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 カラヴァッジョの波乱の生涯と作品を解説した評伝です。

 破滅的な生き方をしていて、殺人まで犯してしまう。逃亡と放浪をしながらも、それでも次々と傑作をものしていく。そして、若くして病死。なかなか劇的です。

 ですが、それ以上に、その生涯を追いながら残していった作品の紹介がとてもわかりやすくて、著者自身の感動が伝わってくる文章です。強烈な光と闇がドラマティックで、厳粛な気持ちにさせられるような画は、やはり実物を観たいと思わせます。

 マルタ島のサン・ジョヴァンニ大聖堂にある〈洗礼者ヨハネの斬首〉のところで、 
私だけでなく、マルタを訪れた人たちの多くが、たとえカラヴァッジョのことをろくに知らなくても、この絵に出会って鮮烈な感動を覚えるようである。強い陽射しと真っ青な海がまばゆい常夏の美しい島マルタに行き、古都ヴァレッタの石畳を歩いて、一転して薄暗い大聖堂に入り、その片隅でこの絵に対面したときにはじめて、カラヴァッジョの真の力を体験できるのではなかろうか。
 とあって、読むだけでもその荘厳な空間を想像できますし、気軽に行けるものなら、行ってみたくなります。


 バロック美術の背景には、ルネッサンスの終焉や宗教改革の後のカトリック改革という歴史的な流れがあるんですね。そこは基本なんでしょうけど、そこを押さえれば時代背景とか覚えやすそうです。
posted by 行き先不詳 at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月23日

「女教師は二度抱かれた」

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 昨日、当日券を購入して、2階の立見で観ました。わかっていたとはいえ、中2階ならまだしも、この劇場の2階の立見は見えないところが多くて、かなりストレスを感じます。しかも、休憩を除いて3時間強の上演時間ですから、観るコンディションはかなり悪かった、とは言えます。しかも、途中で眠くなっちゃったりもして。

 だからなのか、私は、劇場の下ほうからわき上がる笑い声にもギャップを感じることもたびたびあって、ここそんなに面白いか?的な感想をもったりもしたのでした。

 失敗しました。もうちょっとマシな集中力で観てたら、違った感想をもったのかも。


作・演出 松尾スズキ
出演 市川染五郎 大竹しのぶ 阿部サダヲ 市川実和子 荒川良々 池津祥子 皆川猿時 村杉蝉之介 宍戸美和公 平岩紙 星野源 少路勇介 菅原永二 ノゾエ征爾 浅野和之 松尾スズキ
シアターコクーンにて 

 
posted by 行き先不詳 at 18:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「コロー展 光と追憶の変奏曲」国立西洋美術館

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 コローを中心にすえた本格的な展覧会は珍しいんだとか。なんとなく、印象派ほどには明るくなくて、地味っぽいイメージももってましたが、今回観に行って、かなり好きになりました。

 とくに、パリ近郊のヴィル=ダヴレーという町がずいぶんたくさん登場してるんですが、どれもいいなあと思うものばかり。かなり光が印象的な明るいものもあったりして。とはいえ、やはりあの黄色みがかった灰色みたいな靄がかかってるかんじの色調が多いんですけど。
posted by 行き先不詳 at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヨーロッパ企画「あんなに優しかったゴーレム」

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 観に行ったのは、水曜の夜なんですけど、なかなか書けなくて。

 スポーツ番組の1コーナーで、選手のルーツを訪ねるみたいな企画のためにプロ野球選手を撮影しているクルーですが、人の形をした大きな土の像の前で、その選手がゴーレムとキャッチボールをしたことを語るという滑り出し。スタッフたちは戸惑って、あわてて撮影を中断します。おそるおそる聞き直したりするのですが、この、何かおかしなことを言い出したぞ的な反応がまず笑えます。

 さらに、この町の人がみんなゴーレムを信じてて、ゴーレムを研究してる人、ゴーレムに育てられた少女が出て来たりするうちに、だんだんとスタッフに信じはじめる者が現れたり、昔ペガサスを見たとか言い出す者が現れたりで、全体をユルさが包みながら、くすぐられ続けるようなおかしさの連続なのです。

 このゴーレム、ずっと舞台上にあって見た目はリアルですが、動き出すわけないのが、余計におかしみを生んでるような気がします。ふつう、こういう話って、映像だと動きますからね。それで、本当のことを言ってる登場人物が信用されないことのもどかしさとか、それが本当だったと周りにわかることでカタルシスがあったりとか、そういう展開がありがちですが、そういうところを目指してません。動かないゴーレムの周りでドタバタと騒ぐ人たちがおかしくて、とても楽しかったです。


 作・演出 上田誠
 出演 石田剛太 酒井善史 角田貴志 諏訪雅 土佐和成 中川晴樹 永野宗典 西村直子 本多力 
 あうるすぽっとにて
posted by 行き先不詳 at 16:17| Comment(1) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月19日

近藤史恵『ヴァン・ショーをあなたに』

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 『タルト・タタンの夢』のシリーズ第2弾となる短編集です。
 フランスの家庭料理を出す町のビストロ、パ・マルを舞台に、客が持ち込む料理がらみのエピソードにひそむ謎をシェフが解いてしまうのですが、ミステリーとして以上に、ビストロでの料理の数々と雰囲気が楽しいシリーズになってます。

 7編が収録されてますが、一番好きなのは2番目の「憂さばらしのピストゥ」と最後の「ヴァン・ショーをあなたに」でした。

 「憂さばらしのピストゥ」では、当日の夕方になって予約客がベジタリアンだという連絡をよこし、乳製品も砂糖も使ってくれるなと言ってきます。時間もないし、仕入れてる材料も限りがあるのですが、三舟シェフはなんとか腕をふるって、客を満足させようとします。それから、シェフとスーシェフが昔働いていたレストランで見習いをしていた男がフレンチレストランをオープンしたばかりなのですが、この男と久しぶりの再会を果たします。そのときベジタリアンの客をめぐる、ある裏話が明かされることになるのですが…。

 「ヴァン・ショーをあなたに」は、三舟シェフのフランス時代のエピソード。おいしいヴァン・ショーを飲ませる屋台があったのに、なぜか今までと違うものだった。理由を聞くと、風邪をひいた娘の夫にもっていくと、うれしそうな顔をしていたのに、窓の外に捨てられていたことを知ったから。それでショックを受けて、赤ワインのヴァン・ショーを封印してしまったのというのです。三舟は、その娘婿が○○○だということを見抜き、あることを教えてあげるのでした。


 元々、ミステリー色は濃くはないですが、あまり鮮やかに謎を解かなくても十分に面白いと思います。
 今回の7編では、4編目まではギャルソンの金子視点で、あとの3編ではパターンを変えてきます。発表順+書き下ろしの2編という構成ですが、変化球は織り交ぜたほうがいいアクセントになるのでは、という気もします。
posted by 行き先不詳 at 22:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月18日

「殯の森」

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 カンヌでグランプリを取って話題だった河瀬直美監督作品。

 グループホームに働きはじめた介護士(尾野真千子)と認知症の老人(うだしげき)ふたりの話です。介護士の女性は、夫と思われる男性から、子どもを亡くすきっかけとなった事故(?)のことでなじられてるシーンが出て来たりして、自分自身を苛んでいるようです。認知症の男性のほうは、33年前に亡くした妻のことを今でも偲んでいるようです。

 その亡くなった妻の墓参り(?)のため、ふたりは車で出発するのですが途中で脱輪、助けを求めるため、ちょっと離れたすきに、姿を消した老人。追いかけるうちに、ふたりは森の奥深くへ分け入っていくのです。

 癒しということよりも、飲み込まれそうな森の力強い生命力が感じられます。そんな森の中にいて、言葉のやり取りではなくて、もっと深い部分でのぶつかり合いがあって、そういう切実さと迫力があるのかなと思います。


 一番印象的なのは、こうせなあかんってこと、ないから(公式HPを見ると「こうしゃんなあかんってこと、ないから」とあります)というセリフで、包まれるような優しさを感じます。ただ、この作品では近しい人の死の受け止め方だったりが描かれてるので、そういう優しさ以上に、もっと根元的なところに響いてくるものがあるんだと思います。

 とはいえ、個人的にはセリフが聞き取れないところが結構多くて、また説明的でないので状況がわかりにくく、ストーリーでの面白さがあるわけでもないので、これを一般的にオススメするのは危険かなと。私も、感動したとまでは言えませんし。
posted by 行き先不詳 at 22:53| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月17日

劇団M.O.P.「阿片と拳銃」

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 1979年の浜松、1939年の上海、1959年の京都などと舞台を移しながら、3人の男女のドラマを描きます。

 時空を超えたスケール感とか、隠された秘密、波乱の生涯の断面を見せる構成、1979年の老人ホームにいる年老いた女性の過去にこんなドラマがあるということとか、とても面白かったです。

 重要なことではないですが、「1979 浜松」とかを1字ずつのボードを置いて見せるのと、それをサラッと片付けるやり方がかっこいいなあと思ったのと、しゃれたラストがかなり好みです。

 そして何より、主演の3人はほれぼれするほどに素晴らしいっす。
 M.O.P.はあと3年なんだとか。そう言われると、残念に思うわけですが、とにかく今回を含めて、3公演を残すのみということのようです。



 作・演出 マキノノゾミ
 キャスト キムラ緑子 三上市朗 小市慢太郎 林英世 酒井高陽 木下政治 奥田達士 勝平ともこ 白木三保 岡村宏懇 友久航 塩湯真弓 永滝元太郎 竹山あけ美 塩釜明子 神農直隆 岡森諦 片岡正二郎 関戸博一
 紀伊國屋ホールにて
posted by 行き先不詳 at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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