2008年11月29日

「表裏源内蛙合戦」

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 井上ひさしの昔の作品をシアターコクーンで蜷川幸雄が演出するというシリーズ(?)です。今回は、平賀源内の一代記ですが、これまでと同様に音楽劇でコメディで、そしてとても長い。今回は約4時間でありました。集中力が続かなかったところがありますが、すっごく楽しい舞台でした。

 その平賀源内を表と裏のキャラとして上川隆也と勝村政信とが演じています(が、私はしばらく気づかなかった…)。このふたりが強力で、とてもエネルギーあふれるものでした。平賀源内は才気煥発ながら、権力や社会との関係が幸福なものではなく、とくに後半はさびしいというか苦いものになっています。

 舞台としては、ただ長いわけではなくて、雑多な要素が詰め込まれ、ひととおりの芝居からははみだしているようなところもあって、刺激的な演劇となっていると感じました。



 主なキャスト 上川隆也 勝村政信 高岡早紀 豊原功補 篠原ともえ 高橋努 大石継太 立石涼子 六平直政

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2008年11月25日

「グッドナイト スリイプタイト」

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 前売りで買えなかったので、当日券狙いでなんとか昨日観ることができました。

 三谷幸喜の2人芝居で、中井貴一と戸田恵子が夫婦を演じています。寝室が舞台になっていて、新婚時代だったり、倦怠期にさしかかった頃だとか、いろんな時期の夫婦のある日が描かれます。冒頭のシーンでは、離婚をすることが決まっていて、妻が荷物をまとめているという日からはじまっています。そこから、新婚旅行時代に飛んだり、離婚直前に戻ったり、激しく時代を行き来します。時期によってベッドの離れ具合が変わっているのが目印にもなっていて(何年目にあたるかは、日数が表示されてわかる仕掛けにはなっています)、ベッドがくっついている頃や、すっかり部屋の端と端に別れていたり、夫婦関係のバロメーターになっているということのようです。

 離婚が決まっているとはいっても、これといってドラマチックでもないのに、不思議なくらい2人のやり取りがすっごく面白いんですよねぇ。過去に戻るシーンによって、伏線となっていた謎が明らかになって、最後の最後にはうまく回収されているのはさすがと思いつつも、カタルシスには欠けるのは否めません。もちろんそれは狙いどおりなんであって、ここは夫婦の別れという、永遠はそこにはなかったという苦い結末が明らかになっているところからはじまっているというところからも当然の流れではありました。

 時代の設定が行ったり来たりで何度も変わるので、その転換の時間がもどかしいところはあるんですが、そこもちゃんと遊んだりして工夫がなされてました。
 それから、生演奏のメンバーが芝居にとっても重要なエキストラとして入ってくるのは新鮮でした。
 戸田恵子はもちろん、中井貴一のはじけっぷりが楽しく、魅了されます。


 作・演出 三谷幸喜
 出演 中井貴一 戸田恵子
 パルコ劇場にて

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「国貞・国芳・広重とその時代」太田記念美術館

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 気がつけば今週水曜までということで、行ってきました。本当は展示替えがあるんですから、前半も行っといてもよかったんですけど。

 「幕末歌川派の栄華」というサブタイトルがついてます。最初のキャプションでよく理解できたんですけども、歌川派の祖が歌川豊春でこれを第1世代。その弟子である歌川豊国と歌川豊広が第2世代。豊国の弟子の国貞や国芳、豊広の弟子の広重が第3世代となるわけです。ちゃんと名前を1字ずつ受け継いでるので、とてもわかりやすいですね。第3世代のうちのこの3人がほぼ同時期に活躍していて、コラボ作品もあったりとか、広重の東海道五十三次の背景に美人画を描いちゃうなんていう国貞の作品なんか私は新鮮に感じました。

 それから、それぞれの師匠の死とか、天保の改革によって浮世絵にも規制がかかる時代、その後のさらなる充実など、作家としての変遷をざっと見ることができる企画でした。
posted by 行き先不詳 at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月24日

安藤忠雄『建築家』

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 『連戦連敗』を以前読んで、建築家というのはこんなことを考えているのかと驚いた私です。

 芸術性のような表現を担う部分と、経済的な問題や法的な問題などの現実的な部分、それから建築がどうあるべきかという社会性の部分があって、根本的なところから考え尽くす姿勢と発想の自由さ、それを実行に移そうとする行動力と情熱に圧倒されます。

 そんな著者の自伝的なところから、これまでの仕事ぶり、建築や社会のあり方についての考え方が綴られ、刺激を受けること大です。

posted by 行き先不詳 at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月23日

「ブラインドネス」

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 監督が「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレスというところは知って観ましたが、原作がノーベス文学賞作家サラマーゴの「白い闇」というのを観終わってから知って、なるほどとちょっと思いました。

 原作はチェックしてないので、どの程度変わっているのかわからないというまま書きますが、映画の紹介では、心理パニック・サスペンスということばが使われているものの、パニック映画とか未知の病気に襲われるサスペンスだとかスリラーとは、描かれ方が違うなと思いました。
 
 突然、男(伊勢谷友介)が失明して、全く原因がわからないまま、接触感染をするらしく、瞬く間に失明する人が広がっていきます。この病気の原因だとか対処だとか、そういう方向には焦点は向かず、最初の患者とその男を診察した眼科医(マーク・ラファロ)、それぞれの妻(木村佳乃とジュリアン・ムーア)を中心にして、感染者側から描かれます。
 失明をした人たちは隔離され、食料は与えられるものの、ほとんど放置され、人間扱いされません。絶望的な極限状況で、集団がどう変わっていくのかが描かれます。キーになるのは、唯一眼科医の妻だけが失明から免れるのですが、夫についてきていることです。目が見えることを隠したまま、隔離施設の中で世話をしますが、ひとりでできることも限られるような、無秩序状態になっていくのです。


 細かいこととかいろいろと浮かんだ問いを挙げますと、なぜ第1号を日本人にしたのかとか、感染第1号ってあれで特定できるもんだろうかとか、海外には広がってるんだろうかとか、食料を占有した者が使い道もないだろう金目のものと交換することを要求することは何を表すのか、こういう場合感染を食い止めることはできるんだろうか、などなど。

 いろんな疑問や想像を誘発されますし、人間性とか極限状況を描く面白さがありますが、いわゆるサスペンスとしての面白さとはちょっと違うような気がします。いい悪いは別として。
posted by 行き先不詳 at 22:04| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

大倉崇裕『聖域』

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 山岳ミステリと割り切って読めば、また違った印象をもったのかどうか。

 親友でライバルだった安西が登山中に滑落。登攀技術は完璧で、山を登る上で必要な資質をすべて具え、マッキンリーにも登った男が、難易度が低くはないとはいえ、まさかそんなところで死ぬわけはない。この謎を解くことが、主人公を動かし、物語を押し進めていく力となるわけです。

 ところが、私ははじめのうち、安西を助けに行く話なのかとか、山から離れてきた主人公が再び山に挑戦するようになる話として読むのか、とか探りながら読むかんじでした。

 結果的には、思った以上に山岳ミステリーだったんですけども、仕事に身が入らない主人公に対して職場では冷たい目もあれば、支えてくれる人もいて、また過去のつらい事故があったりで、そういうミステリー以外の部分の重さに強い印象を受けました。


 一気に読める面白さではあったんですけど、山岳ミステリに収まってしまったことで、心をもってかれるような強烈さを感じなかったことが残念です。
posted by 行き先不詳 at 21:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

NHK 土曜ドラマ「ジャッジ2 島の裁判官奮闘記」

 昨日で、全5回終了しちゃいました。シリーズ1作目から見れば、10話あったわけですが、支部長が東京へ転勤になったので、これで終りになるんでしょうね。

 今回も手堅いドラマで、地味な事件や争いを丁寧に描いて、好感がもてました。ただし、「島の裁判官奮闘記」なので仕方がないとはいえ、主要登場人物のドラマがほとんどなく、物足りないのは否めないところです。

 思えば、前シリーズの最初には夫婦仲の危機にあり、やり直そうとしていたことが懐かしくさえ感じられます。
posted by 行き先不詳 at 20:10| Comment(0) | TrackBack(0) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月22日

柳広司『ジョーカー・ゲーム』

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 著者の作品を読むのはこれがはじめて。どうやら、今年を代表するミステリーの1冊らしく、手に取った次第です。

 陸軍中野学校をモデルにしているようですが、逆にこんな人たちのモデルになったというスパイ養成学校に対して興味がわいてきます。なにしろ、出てくるスパイたちの常人ではない能力といい、クールな視線といい、また、スパイ養成学校(通称、D機関)を創設した結城中佐という人物の存在感とカリスマ性がとても魅力的です。個々の短篇の切れ味も素晴らしく、どれも面白かったです。

 スパイは、誰にも正体を知られてはならず、目立たない影のような存在でなければならない。スパイがその存在を知られる時は、任務に失敗した時であって、そのため、死んでもいけないし殺してもいけない、というところがたいへん印象的です。それに、ふつうの軍人であれば得られるような名誉は全く期待できない上に、苛酷な任務を果たすことについて、この任務を果たせるのは自分だけだ、あるいは、自分にならこの程度のことはできなければいけないという強烈な自負心があるという解釈が強調されてて、そういうもんかなと納得させられるものがありました。

 
 前評判から、最後の一篇で作品全体のどんでん返しがあると勝手に期待感をもってしまったので、正直、拍子抜けしたところがありました。あくまで短篇集だという頭で読んでいれば、すっきりと楽しめたのに、という気がしてます。

 この作品の続篇も期待したいですが、ほかの著作を読みたいと思ってます。

 
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2008年11月20日

表現・さわやか「美少年オンザラン」

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 池田鉄洋が主宰のコントユニット「表現・さわやか」を駅前劇場で観てきました。

 「表現・さわやか」はこれがはじめて。「猫のホテル」のメンバーが劇団内ユニットという形で活動しているということでいいんでしょうか。そこに今回は客演が2人加わっています。

 コントだと思ってたらチラシを見ると役名が載っていて、もしかしたら違うのか?と思えば、ストーリーがどうこうというほどではない程度でしたし、途中でコントが挟まってるようなかんじで進んでいきました。

 本当にそれぞれバカバカしくて下らなくて、随所に笑わせいただきましたが、今回は私のツボにはハマらなかったので、来年は本多劇場にも進出ということだそうですが、とりあえずは保留としたいと思います。


 作・演出 池田鉄洋
 出演 佐藤真弓 いけだしん 村上航 岩本靖輝 菅原永二 池田鉄洋 佐藤貴史 伊藤明賢
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五反田団「すてるたび」

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 火曜の夜に大崎のアトリエヘリコプターで観てきました。

 アフタートークのある回を選んで予約したんですけど大正解でした。芝居そのものも相当な面白さでしたが、作・演出の前田司郎と出演者4人全員そろってのアフタートークは、それに劣らず興味深いものがありました。聞いてると、もう1回観たくなったりもして。
 (安藤聖のブログにそのときのアフタートークについても書かれてます。)

 前田司郎本人が言ってましたが、夢をそのまま芝居にしたといった内容で、脈絡もなく自由連想のような展開をしていって、その過程のやり取りや動きが笑えたりもするのですが、その一瞬で時間や場所や状況が変わってしまうような変化の仕方がまた面白かったです。

 主役の黒田大輔の過剰ともいえるハイテンションとヘンで不気味な動きは最も印象を残して、忘れられません。


 上演台本を買って、帰りの電車で読んでみましたが、舞台を観ずに戯曲だけを読んで、この面白さは伝わらないんじゃないかなあという気がしますがどうなんでしょう。


 アフタートークで前田司郎が、今回の公演で全部で1500人くらい観客が来るとして、もし1500人に料理を振る舞うことになったらカレーとかを出したほうがいいのではと思いかねないけど、今回の作品は“白子”なんだと言ってました。これには、笑いを誘われましたが、わかりやすくて頼もしくもある言葉です。1500人のうち200人くらいだけがすっごく好きなんだとしても、自分のやりたいのは“白子”なんだと。そういう意味では、私は“白子”がかなり好きなようです。
 
 それから、戯曲を書きはじめてから15年目くらいで、“思春期”にさしかかっているということが強調されてましたが、私はまだ観はじめたばかりのようなものなので、なんか残念でもあるし、今後どんな作品が書かれるのかにも期待したいと思います。


 出演 黒田大輔 前田司郎 後藤飛鳥 安藤聖 
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2008年11月17日

柴崎友香『星のしるし』

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 柴崎友香の作品を読むのはこれが3作目になるかと思いますが、毎回同じような印象を受けるようで、やっぱり今回も魅力的な小説だとは思っても、どこがどういいのかを捕まえにくいようなところがあります。大きな事件やドラマチックな展開があるわけでもなく、かといってことさら退屈な日常だということもなく、もうすぐ30歳になる女性の日々が描かれます。

 今回は、占いとかUFOとかヒーリングなどが出てくるのですが、それがオカルトのほうに行ったっきりにならずに、それを取り巻く日常生活だとか生き方を描いているのです。ここにテーマとか深みとかを読み取れるのかもしれませんが、私はそれほど大きな意味を汲み取らずに読み進みました。それよりは、人間関係を説明しすぎずに、登場人物が誰なのかがぎりぎりわかるかわからないかの微妙なバランスの上に描写されているところに一番興味をもちました。
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2008年11月16日

「友達」

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 安部公房の「友達」を岡田利規が演出しています。今日、シアタートラムで観てきました。

 見知らぬ一家9人が一人暮らしの男の部屋に突然強引に上がり込んできて交友関係を押し付けてくるというアレゴリカルな不条理劇です。

 出演者には、麿赤兒や若松武史のようなクセのある顔ぶれもあって、シュールなナンセンスコメディのような趣きでかなり振り切った前半に比べて、後半はまったく違った演出で、静と動といった対照ぶり。私は、後半になってから完全に見失ってしまって、睡魔に襲われそうでした。

 主演の小林十一という人を私は知らずにいましたが、元バレエダンサーということ以上に、柳家花緑の兄(ということは人間国宝・柳家小さんの孫)ということにびっくりです。本作では、一人暮らしをしている男の役で、前半では牛の着ぐるみ風なパジャマを着てました。後半のスーツ姿に比べて印象が鮮やかで記憶に残りそうです。

 ほかに、木野花に今井朋彦も強力でした。


 出演 小林十一 麿赤兒 若松武史 木野花 今井朋彦 劔持たまき 加藤啓 ともさと衣 柄本時生 呉キリコ 塩田倫 泉陽二 麻生絵里子 有山尚宏
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「昭和島ウォーカー」

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 ヨーロッパ企画の上田誠が作・演出、出演者の半分はヨーロッパ企画の俳優ということで観に行ったわけですが、やっぱり主演のV6の井ノ原快彦が目当ての人が多そうでした。ほかに、京野ことみ、松本まりか、粟根まこと、福田転球、中山祐一朗が出演しています。

 井ノ原快彦にしても、中山祐一朗にしても、ヨーロッパ企画の雰囲気にはハマりそうだなという気はしましたが、果たしてどうなるんだろう的な興味はあるところでした。

 結論を言うと、ヨーロッパ企画と比べちゃうと楽しさ面白さは落ちると思います。十分面白かったんですけど。演出の方向性がヨーロッパ企画とは違うのかもしれませんが。

 冴えない工場で、一見してムダな工程まるだしの作業を行ってます。かつては輝いていたのにすっかり落ちぶれた下請け工場に先代社長の息子が帰ってくることから再生するというストーリーでありながら、一方でナイト・シャマランばりの(?)トリッキーな展開もあるというコメディです。

 ロボットが題材になってますが、登場するロボットにしても、工場内の風景にしても、はじめのうちは設定が未来なのかさえわからないようなアナクロさが不思議なセンスです。


 昨日、東京グローブ座にて。
posted by 行き先不詳 at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

伊坂幸太郎『モダンタイムス』

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 「モーニング」に連載されてた長編小説で、『魔王』の続編的な作品ということです。

 ある言葉をネットで検索するだけで危険な目に遭うという謎があったりとか、いわゆる管理社会ということとは違って、ネット社会になって知らないうちに監視されるシステムに取り巻かれているという状況が描かれています。

 読んでる間、つまらないとか退屈という感想は出てきませんでしたし、テーマにおいても意欲的なものを感じますが、期待していたほどではなかったというのが正直なところです。

 
 21世紀中頃という設定なんですけど、未来だということを示す説明や描写が出てくると醒めました。「平成の頃からだ」とか、現代を引き合いに出されるのが、どうもダメです。この小説では、未来を描きたいわけでもないんでしょうし、そういう意味ではほとんど現代とは変わっていないということが見て取れるので、現代との地続きである近未来ということが強調されてるということでしょうか。でも、わざとらしさを感じたのは私にはマイナスでした。

 それから、主人公の妻のキャラが、まるでリアリティを感じなかったということも、前半のうちに戸惑いを感じた一因となりました。

 細かいことを言いましたか。

 逆に、細かいところで好きなのは、主人公が登録している占いメールの「今日は傘を持っていくべきですよ、絶対」みたいに“絶対”とあると、本当に当たっちゃうとか、主人公が超能力を発揮するのではという期待感と微妙なはぐらされ感でしょうか。

 なんとなくですが、『魔王』や『ゴールデンスランバー』との違いを考えるよりは、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』や『海辺のカフカ』との比較のほうが面白そうだと思い浮かびました(浮かんだだけですけど)。
posted by 行き先不詳 at 12:05| Comment(0) | TrackBack(2) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする