2009年05月31日

森絵都『架空の球を追う』

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 11篇収録されてて、スケッチ風のショートストーリーも含めた短篇集です。人生のほんのちょっとした転機となるような瞬間だったり、あるいは、これといってドラマチックでもないような日常の出来事だったりをユーモアを交えて描いています。


 たとえば、「銀座か、あるいは新宿か」なんかは、高校時代の女友だちの飲み会で、銀座と新宿のどっちで飲むべきか、とか、この店は何にでも水菜が入ってると文句を言ってみたり、にぎやかな侃々諤々の中に、過去のいきさつやお互いの人間関係が垣間見えてくる話。

 「パパイヤと五家宝」は、ふだんは行かない高級食料品店で、1個2000円のパパイヤをあっさりと買う女性に触発されて、その女性の身の上を妄想しながら、さりげなく追っかけて、次々に同じ高い食材をかごに入れていってしまう、その何気ない非日常的な感覚が描かれる話。

 
 最初の表題作だけは、これで終わり?と思うくらい、あっけなさを感じさせるところはありますが、どの短い作品でも私は物足りないとは思いませんでした。この短篇集、かなり好きです。
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「楽屋 〜流れ去るものはやがてなつかしき〜」

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 清水邦夫の傑作戯曲(とかいって、私は観たことがなかったんですけども)を小泉今日子・蒼井優・村岡希美・渡辺えりという豪華キャスト、生瀬勝久の演出でという企画です。しかも劇場がシアタートラムという小ささですから、ぜいたくさを感じます。

 楽屋で交錯する女優たちの情念や業を描いてるかと思いますが、その中で、チェーホフ「かもめ」などの戯曲を読み上げていくことによって、作り上げられていく部分が大きくて、私はちょっと聞く上で集中を欠いたところがありました。ついつい、軽さを出した、オモシロなところに目が行きがちでした。
posted by 行き先不詳 at 12:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

長嶋有『ジャージの二人』

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 買った文庫のカバーも堺雅人と鮎川誠のジャージ姿。読んでて、よくこれを映画化しようと思うもんだなとか思っちゃいました。そちらはまだ観てませんが、どんな映画になったのか興味あります。

 2篇が収録されてて、「ジャージの二人」は軽井沢の別荘で過ごす父との一夏の話、その翌年の話が「ジャージの三人」となってます。ふだんは主人公の父親が家族が帰った後に片付けがてらひとりで過ごしているのを主人公がくっついていったということで、父親は写真家、主人公は新人作家という設定。

 非常にゆるゆるで、ユーモアがあって、面白かったのですが、かといってどこがいいと説明しにくいところのある小説です。

 親子とも結婚生活がうまくいってなくて、ふたりの背景として見えてくる書かれ方ですが、「ジャージの三人」の冒頭で“三人”になってるところが、私は一番テンションが上がりました。
 
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劇団競泳水着「NOT BAD HOLIDAY」

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 先週の日曜の公演を観に行ったので、1週間経っちゃいました。なかなか書く時間が取れず…。

 第十一回公演にして、正式劇団化第一弾となるそうですが、私は存在を今回はじめて知って足を運んだ口です。そして、次回も観に行こうと思ったのでした。

 観終わって思い直すに、意外とこういうストレートなドラマって舞台で観ないなぁ、と思いました。演出も映像作品を連想させるようなところもあったりして、キャラクターも人物相関図が自然と頭に浮かぶようなところもあったり、なんかドラマっぽいなとは思いました。恋愛が中心ではあっても、群像劇としての性格が強くて、甘いラブストーリーではなかったです。

 奇をてらわず、過激さもありませんが、もちろん全然悪くなくて、面白かったです。いいものを観たなあと思いながら帰りました。

 
 脚本・演出 上野友之
 キャスト 川村紗也 大川翔子 細野今日子 
      玉置玲央 堀越涼 高見靖二 梅舟惟永 佐伯佳奈杷 橋本恵一郎 百花亜希 さいとう篤史 高橋克己
 シアターグリーンBASEシアターにて
 
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2009年05月24日

視聴率と録画率

 「婚カツ!」の視聴率が悪い一方で録画ランキングで人気が高いとかいう話題がありました。私も、ビデオのときから録画して観た方が合理的だと思って実践してましたので、録画を無視している視聴率なんておかしいとは思っておりました。その上で、気になることをいくつか。


 視聴率と録画の問題では、気に入った番組こそが録画されるという文脈で語られることがよくありますが、私の場合、気に入った番組だから録画するとは限りません。観たい箇所が決まってる場合なんかは、ムダな時間を飛ばせるので、録画をしておくことがありますし。時間の節約という点で、こういう使い方のほうが録画の威力が発揮されるかなと。それとて、興味があるから録画するんじゃないかとは言えますが、同じ時間帯の番組両方を観たい時、より観たい番組を録画するとは限らない、ということです。

 
 それに関連して避けることができないのはCM飛ばし問題です。録画してても面白いCMならチェックする的意見を目にすることがあって、確かにそういうこともありますが、私に限って言えば、そういうことは例外的で、ほぼ全くCMは観ません。早送りでさえなくなったDVDに変わってから、その傾向は強まりました。私は、在宅してる限り大河ドラマは生で観るんですが、CMがないからというのが最大の理由です。


 それから、視聴率のモニターとなることで視聴行動が影響されないのか、というのが、前々から疑問に感じてるところです。全く気にせず観たり、ふだんは意識しなかったりしても、思い入れの強い番組や人が出てたりしたら、応援したくなるような気がするからです。一種のバイアスがかかった状態になっちゃうのではないかなと。


 ちなみに、私は、今期の連ドラは6本観てて、先週「MR.BRAIN」がはじまって、さらにチェックが追いつかない状態ですが、「婚カツ!」は1話の途中で観るのを止めました。
posted by 行き先不詳 at 22:25| Comment(0) | TrackBack(1) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

イキウメ「関数ドミノ」

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 昨日の昼公演を観ました。物語の推移にこれほど食い入るようにして惹き込まれたのは久しぶりのことで、本当にこれはすごいです。

 ドミノという存在が設定の中心にあります。それは、自分の願望を実現させる力をもっていて、ただし、そのことを自らは自覚していないため、いわば運のいい人でしかないように見える、しかもそれは期間限定、というものです。自分の願望が実現されるなら、何でもかなうようでいて、どうせかなうはずはない的なネガティブさが邪魔をして実現しないのだということになってます。あと、思いの強さによって、実現へのスピードも異なってきたりとか。

 で、ドミノという存在を信じている男・真壁(古河耕史)が交通事故を目撃します。車が人にぶつかろうという瞬間、まるでそこに強固で透明な壁があったがごとく、車がはね返されて大破する一方で、人のほうは無事だったというのです。目撃者は、被害者となるところだった男といっしょにいた先輩こそがドミノだと確信し、その存在を証明しようと、保険調査員らを巻き込んでいくのです。

 物語は、ドミノと疑われていて、当然そんな自覚のない左門森魚(浜田信也)という駆け出しの作家を中心に動いていて、その裏でドミノを証明しようとする人らが動くのですが、たいへんスリリングなだけではなくて、真壁のルサンチマン丸出しぶりも含めて、運命とか人生の不公平感とか、誰かを信じるということとか、生きることへの姿勢だとかが、いろんなことがあぶり出されて、たいへん刺激的です。

 左門に近づいて友人となった男が自らの秘密を告白するシーンが私には一番感動的で心が震えました。
 ただ、交通事故に遭わずに済んだ男が、命拾いをしたことに対してまるで無自覚なのが、引っかかったところではありますが。


 こんな話を考える前川知大がすごいというだけでなくて、この作品を成立させているのが確実に俳優の力でもあって、それを実感させる芝居でした。


 作・演出 前川知大
 キャスト 浜田信也 緒方健児 大久保綾乃 盛隆二 森下創 古河耕史 ともさと衣 窪田道聡 安井順平 岩本幸子
 赤坂RED/THEATERにて
posted by 行き先不詳 at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ぐるりのこと」

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 個人的に橋口亮輔監督作品の「ハッシュ」がとてつもなく好きで、当然のことながら本作も期待してました。昨年を代表する日本映画といえば、この作品か「おくりびと」でしょうから、観る前の期待値は高かったのですが、それが裏目に出ることもない揺らがないすごさをもってました。

 ダメな夫(リリー・フランキー)ときっちりとした妻(木村多江)というところから出発して、夫は法廷画家の仕事を得て、法廷シーンで立ち会う事件が日本社会の90年代を描くことになり、妻はあることをきっかけに精神的に追いつめられ、うつ病になっていく。そんな中、寄り添う夫との絆、夫婦の再生、あるいは夫婦として歩む時間そのものを描いているような作品です。

 個々のシーンの強さが独特で、全体としての面白さより記憶に残ります。妻が会社の後輩のミスに理不尽な反撃を食らって消耗するところとか、床に落ちた食べ物を手でかき集めている妻とそれを見つめる夫のたたずまいだとか、家族会議の果てに子どもがやらかしちゃって、あれっどっから長回しになってたっけと思わず確かめたくなるところとか、個々の法廷シーンの数々(加瀬亮も片岡礼子も新井浩文も強烈でした)とか、枚挙にいとまがないってやつですが、やはり台風の日の妻と夫の壮絶大泣きシーンが鳥肌もんでありました。
posted by 行き先不詳 at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「国宝 阿修羅展」東京国立博物館平成館

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 平日の休みをようやく手に入れた金曜に行ってきました。3時過ぎに行きゃあ、そんなに込んでないかなと思ったら、その予想は甘く、入場制限の行列にうろたえました。とはいえ、30分待ちで入れたので、よかったほうかもしれませんが。

 阿修羅像一本を目指したようなもんなのと、混雑がひどいのとで、スルーした展示も少なくないのですが、前半の第一展示場の最後に待っておりました。

 私は仏像の魅力があんまりわかってないので、どうしてここまで人を惹き付けるのかが不思議な面もあったのですが、実物を観ると、これはよくある仏像とは違った魅力があることが感じ取れます。表情の繊細さが飽きさせず、もっとじっくり観てみたかったところです。一応、ぐるっと遠巻きに3周して、一通りすべての展示を観終えてからもう1回観に行ったのですが、斜め横から観るときの腕ののびやかな配置が、なんか動き出しそうで惹かれます。顔は正面のが一番好きです。

 その後に観る、四天王像の力強さのギャップがすごくて、改めて阿修羅像が華奢だったなと実感させられる配列です。
posted by 行き先不詳 at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月23日

サンプル「通過」

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 サンプルは今回がはじめて。ここ何回か迷って保留にしてたのを、今回が作・演出の松井周の処女作だとのことだったので、これはいい機会かなと。そしたら、よくあることですが、もっと早く観ときゃよかったと後悔するパターンでして、とっても面白かったです。アフタートークのある中から木曜の夜公演を選びました。


 母の介護に追われる妻とその夫が住む家に妻の兄が転がり込んできます。「軒を貸して母屋を取られる」の感じで、傍若無人というか破天荒な人柄で、すっかりペースを握られていく展開。

 妻は不倫をしているとか、夫はケガかなんかで尿道にカテーテルを入れて排尿をするようになっていて男性機能が不能になってるとか、家が崖とマンションに挟まれた窪地みたいになっていて産廃が庭に不法投棄されてたり、そんな設定もありながら、兄が男女2人組を連れ込んで、母親の介護ボランティアをさせながら、家の周りにあるゴミを利用してリサイクル事業を立ち上げるとか言い出したり、メチャクチャぶりにひっかきまわされるのです。

 と、まとめながら、そういう話でもないんだよなぁとも思います。


 非常に濃さを感じました。性的なこととか暴力が描かれても、リアルさや過激さとは違ってます。不自然さや異常な行動でもねじふせるくらいの密度の濃さがあります。裏側にいろいろと出来事や設定が隠されてるようでセリフでチラッと顔を出しますが、放置されたままだったりするのに、それも気にならなくなってたりして。そして、おかしみが生まれていて、私は声をあげて笑うというよりは、ニヤニヤ笑いをしっぱなしでありました。

 まず、会場に足を踏み入れる前に、一瞬足を止めましたが、空間の創り上げ方に圧倒されました。


 キャスト 辻美奈子 古舘寛治 古谷隆太 羽場睦子 吉田亮 野津あおい 坂口辰平 奥田洋平 山村崇子
 三鷹市芸術文化センター 星のホールにて
posted by 行き先不詳 at 11:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月17日

「子どもに見せたくない番組」の不思議

 『エピデミック』のスタンスが好ましかったので、今回のインフルエンザがらみで川端裕人がどんなことを書いてるのかなあとブログをチェックしてたら、こっちのほうが目を引きました。

 平成20年度の「子どもに見せたくない番組」の調査報告書(日本PTA全国協議会)を受けてのエントリですが、統計的に意味があるのかという話。

 ざっくりまとめると、「子どもに見せたくない番組があるか」という質問に「ある」と答えた人が3割程度で、その「ある」と答えた人のうちの10%ほどが「ロンドンハーツ」を挙げてる、ということはそれって3%しかないってことで、ことさら1位と冠して報道するようなことだろうか、ということです。

 今年の調査では、子どもに見せたくない番組の有無で、小5の保護者は「ある」が30.1%で「ない」が64.5%、中2の保護者は「ある」が23.2%で「ない」が71.4%となってます。たしかに、これって、多くの保護者は見せたくない番組はとくにないと考えてるように理解できます。

 逆に、見せたい番組だと、小5の保護者は「ある」が42.9%で「ない」が48.0%、中2の保護者は「ある」が34.6%で「ない」が55.6%となってます。まあ、そんなにテレビを見せたいとか見せたくないとか考えてないとも取れるし、見せたくない番組より見せたい番組のほうが多いんだとも取れるような結果です。

 それから、ツッコミたくなったのが、「あなたは保護者として、子どもの教育という点から、テレビにはどのような役割や内容を期待しますか」という質問で、「内容が役に立つこと」が1位、「知識が豊富になり学習の助けになること」が2位になっていて、子どもがテレビを見る理由だと「内容がおもしろいから」がトップなのに保護者が期待するテレビの役割では低い、とか言ってるところ。保護者には“教育という点から”なんて入れてるんだから、そりゃあ違って当たり前だろッてなもんです。

 「ロンドンハーツ」って、たしかに保護者が見せたくない番組だと思ってもおかしくないと、とくに引っかからなかったんですけど、こんな調査だったとは。しかも、「子どもが好きな番組」を見ると50位にも入ってないので、子どもに特別人気があるわけでもないんでしょうかね。
posted by 行き先不詳 at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「A-studio」

 4月から金曜夜放送してる「A-studio」を前回はじめて観ましたが、これまで見逃したのを激しく後悔しました。

 月並みなトーク番組にしたくないという意気込みのようですが、司会の笑福亭鶴瓶が自らゲストの周辺を取材するという、鶴瓶の人間力を全面的に活かした企画です。

 前回のゲストは水嶋ヒロで、鶴瓶が会ってきた人に虚を衝かれて驚いてましたが、その取材を証拠写真で見せるという手法も素晴らしいです。忙しいだろうに、こんなの毎週やってくの大変でしょうけど、ぜひとも続けてほしい。
posted by 行き先不詳 at 15:12| Comment(0) | TrackBack(0) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

紀伊國屋書店「文学フェア 対決!共鳴し合う作家たち」

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 昨日、紀伊國屋ホールから帰るときに紀伊國屋書店の2階で「文学フェア」が催されていたので、足を止めました。なかなか魅力的でしたが、何も買わずに、とりあえずブックレットをもらってきました。

 ブックレットのA面は作家編となってて、古今東西の作家の時代や国を越えた共鳴をテーマにしていて、中上健次vsガルシア=マルケスとか、村上春樹vs磯崎憲一郎、ブコウスキーvs町田康、桐野夏生vsチャンドラー、シェイクスピアvs近松門左衛門などなど、何十と並んでます。こういうのはどっちかが好きだけどもう一方は読んだことがないとか、並列することで新たな一面を発見するとかが期待できるのでしょう。
 
 B面の時代・国編は「戦前日本文学」「戦後日本文学」「19世紀以前の世界文学「20世紀以降の世界文学」という4分類に分けて、主要な文学作品なんかで文庫化されてるものを列挙しています。

 それぞれで、570点ほどを取り上げていて、すべてにコメントが付いていて、無料配布はかなりお得です。ていうか、そこで買わなきゃダメですけど。

 このフェアは6月10日までとのこと。
posted by 行き先不詳 at 15:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

バンダラコンチャ ソロアルバム公演「相思双愛」

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 近藤芳正のソロユニット「バンダラコンチャ」の第1弾となる公演、昨日の夜観てきました。

 横光利一と重松清の小説を交互に演じるという変わった取り合わせです。個人的に「父帰る/屋上の狂人」とか「犬は鎖につなぐべからず」なんかを連想しましたが、それらともまた違う取り組みです。

 「春は馬車に乗って」は横光利一の小説を倉持裕が脚本化していて、病気で寝込んでいる妻(坂井真紀)と看病する夫(近藤芳正)の話。夫は作家で原稿を書こうとするが、そばにいてほしい妻と言い争いになったりしながら絆を確かめる展開で、妻の命が長くなさそうなことで、失われそうな予兆を感じさせます。

 「四十回のまばたき」は、重松清の小説を前川知大が脚本化。翻訳家(近藤芳正)のケイジは妻が亡くなったばかりで、その妻の妹・ヨウコ(辺見えみり)が一冬を泊めてもらうために家にやって来るのですが、SADという病気で、冬になると冬眠状態になってしまうため、世話をする人が必要だからというわけですが、今年は姉がいないわけで…。と思ったら、さらに妊娠をしていて冬眠中に子どもを産みたいと考えている。その父親候補が6人ほどいて、そのうちのひとりが、ケイジだったりするのです。
 ケイジが翻訳をしてヒットした原作者がらみの人を榎木孝明が演じていて、この家に押しかけて来るんですが、異質な人物でかなり個性的で、強く記憶に残りますが、榎木孝明はそれとは全然違う雰囲気で「春は馬車に乗って」で坂井真紀の兄役として登場します。


 この2作品を交互に2回ずつに分けたような構成となってますが、この構成が活かされるのがラストで、両作品のテーマが融合して新しい生活への希望を感じさせます。


 構成・演出 近藤芳正 桑原裕子
 紀伊國屋ホールにて
posted by 行き先不詳 at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『芳年 「風俗三十二相」と「月百姿」』太田記念美術館

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 “最後の浮世絵師”月岡芳年の展覧会。個人的には先日専修大学で「月岡芳年展」を観たばかりで記憶に新しいところです。
 こちらは、「風俗三十二相」と「月百姿」(つきひゃくし、と読むようです)という明治20年頃のシリーズを前期後期に分けて全点紹介するという企画です。5月26日までが前期で、その後展示替えがあるとのことです。
 
 「風俗三十二相」は美人画で、いろんな身分のいろんな状況にある女性の感情を描いたシリーズです。遊女が刺青を入れてて、身をよじるようにして手ぬぐいを食いしばって痛みをこらえてる「いたさう」とかが好きでした。

 「月百姿」のほうはバックに月があるんですけど、物語や説話を題材にした歴史画で、今回は50作品の展示となるわけですが、モチーフの多彩さが目を引きます。教養のあり方が違うことが実感されました。私は、ダイナミックで大胆な構図のものなんかが好みです。

 なるべく後期にも足を運びたいと思います。
posted by 行き先不詳 at 13:46| Comment(1) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする