2009年06月28日

2009年春ドラマもほぼ終わったところで

 今のところ終わった連ドラを一言ずつ。最後まで観てたのは「名探偵の掟」「白い春」「スマイル」「BOSS」「ぼくの妹」でした。あと、「魔女裁判」と「Mr.Brain」はまだ続いてるということで。


 「名探偵の掟」は、原作をかなり以前に読んだので、違いがわかってませんが、おそらく映像化したことによって、ヘンなことになっちゃってるんじゃないかと想像してます。

 メタ構造を取ってますが、どういうレイヤーで登場人物たちが動いているのか、一貫性の見えない世界観です。あの小部屋に行くシーン以外では、ちゃんとミステリーの掟に乗っ取った言動が展開されるとか、ある視点からはちゃんとしたミステリーになってないとおかしいです。

 私の想像では、そもそも「本格ミステリー」という言葉じたいがそれほど一般的に共有されてないんじゃないかという気がしてます。

 とはいいつつも、「時効警察」や「33分探偵」と同じ流れで、ミステリーというフォーマットの中で遊びまくってるユルいコメディとしてかなり楽しみました。松田翔太と香椎由宇ともに、あんまりコメディのイメージがなかったですけどハマってたように感じます。



 「白い春」は、ラストを除けば劇的な展開を排したところが、かえってよかったと感じました。白石美帆の存在がちょっと不思議ですがあんまり説明しないまま進むところや、阿部寛が吉高由里子、遠藤雄弥といっしょに暮らすところなど、その擬似家族的なあり方が興味深いところです。

 ただ、消えた800万円を途中追求しないのは、不自然に過ぎると思えました。最後に取っておきたかったということなんでしょうけど。



 「スマイル」は、個人的には今期の中で一番でした。
 主要な登場人物である、早川ビト(松本潤)、三島花(新垣結衣)、伊東一馬(中井貴一)の3人が、それぞれ偏見にさらされる生い立ちがあって、それぞれの対処の仕方も違ったりもしています。しかし、3人の出会いが、それぞれの生き方を変えていくことにもなっていくのでした。

 なんといっても、中井貴一は全く素晴らしいです。法廷劇としての面白さは、中井貴一によるところが大きかったです。
 ドラマ的には林誠司(小栗旬)と北川検事(甲本雅裕)の人物造形が面白かったです。

 最後の2回の脚本のクレジットが宅間孝行から篠崎絵里子に変更になっていた理由がたいへん気になります。



 「BOSS」は、視聴者をだますところにこだわったドラマのような趣きです。最後にあんなプランをもっていたとは油断していました。はじめのうち、個性的なキャラクターの使い方や、事件の解決方法などにツッコミどころが多いと思って、個人的には低評価でしたが、後半になって評価が改まりました。



 「ぼくの妹」は、私の目には迷走してるように映ってました。1話のラストには驚かされましたが、それはいい驚きだったんですよね。それがだんだんいったいこのドラマはどこへ向かっているんだ感が強くなっていきました。ただ、最後まで見届けたのは、不思議な味わいがあったからです。
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劇団、江本純子「セクシードライバー」

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 今日は何かしら舞台の当日券を買って観ようと思って、シアターコクーンの「桜姫」にしようか、さいたまゴールドシアターの「アンドゥ家の一夜」にしようか、とか考えた末に、これになりました。

 「劇団、江本純子」とは、毛皮族の江本純子が立ち上げたシリーズ企画だそうで、キャスティングも固定されていない、江本純子の作・演出のオリジナル作品を上演するとのこと。

 今回は、第0回公演に続く、第1回公演だということで、出演が前田司郎と安藤玉恵。ちょろっと江本純子も登場します。

 タクシーに携帯電話を忘れた客と、それを届けにきた運転手の饒舌なしゃべくり合いによって構成されてます。客がクレーマー気質な粘着質で執念深い女性、運転手は運転手でダメでヘタレキャラだったりで、両者のやり取りが、おかしくて笑えます。膨大なセリフからにじみ出る人間性と、ふたりの関係性の変化が面白いです。

 来月の第2回公演も観たくなりました。


 ギャラリー LE DECOにて
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2009年06月27日

「neoteny japan 高橋コレクション」上野の森美術館

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 「日本の美術館名品展」を観て、美術館を後にしたときに結構お疲れ気味だったので、帰ろうかなと迷いましたが、来れないままに終わっちゃうことも予想されたので入ってみたら、疲れが吹き飛んでリフレッシュしました。

 精神科医の高橋龍太郎という人のコレクションからの展覧会ですが、そのことが驚かされるような作品が並んでいて素晴らしいです。あの作品、ここにあるんだ的なものもあったくらいでした。企画意図は日本の現代アートをネオテニーというキーワードで切り取るということのようですが、著名な若手アーティストのカタログを観るような展覧会でした。

 個人的には、池田学「興亡史」の実物を観られたのが楽しかったです。
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「日本の美術館名品展」東京都美術館

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 全国の公立美術館から、これぞという作品を集結させるという企画です。1階に西洋美術、2階と3階に日本美術という配置でした。

 展示されてる作品に、所蔵館のメッセージがついてて、貸出依頼の多い人気者だとか、購入した当初は不評だったとか、100万ドルで買っただとか、所蔵館ならではの一言が面白かったりしました。ここに個性を感じますし、公立美術館の役割を考えさせそうなところがありますね。

 気に入った作品はもちろんいろいろありましたが、とりわけ印象に残ったのは、デイヴィッド・ホックニー「スプリンクラー」、黒田清輝「ポプラの黄葉」、牛島憲之「邨」なんかです。



 
posted by 行き先不詳 at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月24日

「桜姫」は体調不良により…。

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 チケットを買っといて、行けなかったりとか、うっかり忘れちゃったというパターンはありましたが、体調がすぐれずスルーしたのは、おそらく今回がはじめて。非常にもったいないことをしました。日曜のことでした。

 私は歌舞伎にはまだ手を出したことがなく、コクーン歌舞伎にも行ったことはないのですが、今回長塚圭史が現代劇にアレンジしたということでしたから、まずはそっちを観て、その上で続けて上演されるコクーン歌舞伎のほうもセットで観ちゃうこともあるかなと思っておりました。

 果たして、改めて当日券を買う気力がわくかどうか。ちなみに、コクーン歌舞伎のほうは前売が買えてません。どっちにしても、現代劇版を後にしてもらったほうが、私のような予備知識のない者にはよかったんですけどね…。
posted by 行き先不詳 at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

村上春樹『1Q84』

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 予約することまでは考えてなくて、発売されたら買おうと思ってたら書店には並んでおらず、というか、発売を知ったときには捌けてしまってたということで、とにかくすぐにネットで購入しました。

 3週間ほど、かかりっきりになってしまって、思いのほか時間をかけてしまったんですけど、せっかく本の内容を知らずに読み始めるという意外と珍しい機会を得ているので、情報をシャットアウトして読み進めていたものの、3週間も経つとだんだんそうもいかなくなってきてました。

 それから、時間がかかったのは面白くなかったからではなく、文章の魅力が強力で、先を知りたいと気になりつつ、ゆっくり読んでその愉しさを味わうのでした。

 小説の中身は、これまでのキャリアの延長線上にあるなとうなずけるもので、それがこのような作品に結実していることが素晴らしいです。
posted by 行き先不詳 at 00:10| Comment(0) | TrackBack(1) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月23日

「ゼブラ」

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 土曜の昼公演を観ました。

 向田邦子の「阿修羅のごとく」へのオマージュだとのこと。四姉妹が家で顔を揃えますが、母親が危篤状態らしく、父親は妻子を捨てて家を出ていったようで、父親に連絡をすることなどを巡って意見が衝突したり、動揺する様子があります。

 また、四姉妹のそれぞれのドラマがあって、長女(斉藤由貴)は結婚しているものの夫が不倫をしていて不倫相手との対面が起こりそうな気配。未婚の次女(星野真里)は、潔癖なところがあって、父親のことを最も許せずにいる。三女(山崎静代)は婚約中ながら、マリッジブルー。妊娠中の四女(大沢あかね)は、夫に秘密を抱えていることがわかります。

 ドロドロな濃さがありますが、それでいて、戯画化されたキャラクターもいたりして、重苦しさ一辺倒でもなく、非常にうまくできてるなあと思います。とても面白かったです。

 ゼブラっていうタイトルの意味は終盤になって判明しますが、あまりこの作品にはそぐわないような気がしました。


 作・演出 田村孝裕
 出演 斉藤由貴 星野真里 山崎静代(南海キャンディーズ) 大沢あかね 入江雅人 今井ゆうぞう 是近敦之 矢部太郎 村杉蝉之介 野本光一郎 和田ひろこ 江口のりこ
 シアタークリエにて
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2009年06月22日

ヨーロッパ企画「ボス・イン・ザ・スカイ」

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 金曜の夜公演を観てきました。
 青山円形劇場の客席に囲まれた中央の舞台上にやぐらのようなものが組んであります。そこにドラゴンがいて、それを退治するドラゴン戦士という人たちがいるという設定です。その戦士たちの仕事ぶりを、ヨーロッパ企画ならではのゆるゆるな空気感全開で描いてます。

 序盤のうちに、これでどんなふうに話を展開させていくんだろうと心配になりましたが、これが予想以上にほとんどストーリーらしいストーリーがないところがすごいです。それで、ここまで保たせるんですから。私はいつもほどには、アンサンブルが決まってないような印象を覚えましたが、思わずにやけるようなおかしみに満ちておりました。


 作・演出 
 出演 石田剛太 酒井善史 諏訪雅 角田貴志 土佐和成 中川晴樹 永野宗典 西村直子 本多力 山脇唯
 
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乞局「シャックリ」

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 先週水曜の夜公演でした。
 乞局は今回がはじめてで、何回か前の公演から気になっていたので足を運びましたが、よさがわからず…。終盤で、多少納得するものはありましたが、俳優の演技などに戸惑いを感じるところが多くて。最後に拍手はしたものの、するかどうかちょっと迷ったくらいでした。

 チラシには、“二度とないテイスト”とあるので、果たして今回の公演をはじめて観たのがよくなかったのかどうか。


 脚本・演出 下西啓正
 出演 岩本えり 下西啓正 墨井鯨子 西尾佳織 三橋良平 池田ヒロユキ 石田潤一郎 伊藤俊輔 佐野陽一 笹野鈴々音 佐藤みゆき 島田桃依 立蔵葉子 中島佳子 
 駅前劇場にて
posted by 行き先不詳 at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月14日

拙者ムニエル「リッチマン」

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 拙者ムニエル15周年記念公演ということです。私は2年前にはじめて観た口で、そのときの「ヤバ口さんちのツトム君!」や昨年の「悪い冗談のよし子」は面白いながらもハマったわけでもなかったのですが、今回観て完全に好きになりました。バカバカしくて下らない笑いのセンスと、ストーリーの頃合いが心地いいです。

 3話の連作といった形で進みます。絶望的にダメなかんじの劇団のメンバーを中心にドラマが描かれ、いちおう大金をめぐる話ではあったりします。最初の「リッチマン」で、神社で登場する札束の山がツカミとしてたまらなかったですが、そういうバカなシチュエーションがいろいろと出てきて面白かったです。

 割引価格で販売されてた昔のパンフレットをいただいて帰りました。


 作・演出 村上大樹
 出演 加藤啓 千代田信一 伊藤修子 成田さほ子 山岸拓生 寺部智英 石川ユリコ 林屋聖子 溜口佑太朗 村上大樹 町田カナ 建みさと
 吉祥寺シアターにて
posted by 行き先不詳 at 21:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月07日

「国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア」Bunkamuraザ・ミュージアム

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 終了間近の昨日行きました。19世紀後半のロシア美術で、風景画や風俗画を中心に展示されてましたが、私には見知った名がなく、途中で名前を覚えるのは諦めました。

 そんななかでは、シーシキンという人が一番好みでした。いやいや、ほかにも印象的な絵がたくさんあって、ほとんど知らずにいたことがもったいなく思えるのでした。
posted by 行き先不詳 at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ハイバイ「リサイクルショップ『KOBITO』」

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 ハイバイは今回がはじめて。果たしてこれが最初でよかったのかどうか。
 昨日の昼公演を観てきました。

 なぜかごつさが際立つおっさん然とした女装の男優たちがぞろぞろと舞台に登場する異様さも目を引きましたが、片隅に積み上げられた古着の山に陣取る奇妙な立ち位置が不思議でした。そんなおばさんらが仕事をするリサイクルショップで、手塚治虫「火の鳥」だったりそれぞれの来し方を再現したりするのです。

 終演後に前日のアフタートークで前田司郎が前半か後半どっちかを切った方がいい的なコメントを残したとの話が出てましたが、それを聞いて笑えたというか、ちょっと安心しました。私は、前半が完全に好みでしたので。

 終演後の「アフターなんとか」がアフターアクトで、「火の鳥」完全版(?)だったのですが、横で演出っぽい指示が出たりするのを観られたのが新鮮でした。


 作・演出 岩井秀人
 キャスト 金子岳憲 永井若菜 坂口辰平 岩井秀人 有川マコト 岩瀬亮 斉藤じゅん子 小熊ヒデジ
 こまばアゴラ劇場にて
posted by 行き先不詳 at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月04日

「江戸の青空 Keep on Shacin'」

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 落語シリーズの第3弾だとのことで、過去2作となる「地獄八景亡者戯」と「地獄八景・・浮世百景」は上方落語を元にして創り上げた舞台で、今回は江戸落語の世界です。月曜の夜公演を観てきました。

 「芝浜」や「文七元結」を中心に、いろんな落語を取り入れたりしてますが、知らない噺もあれば、知ってるのに気づかなかったのもあったりしました。

 「芝浜」のダメ亭主が50両という大金を拾いますがそれは「文七元結」の文七が落としたお金なわけでして、その50両の行き先が転々として、いろんなところでつながっていくというのが物語の軸にあります。そのいろんなところでもドラマがあって、それらがうまく構築され、落語的世界の軽さをもって演じられてます。アドリブが多そうでした。吉田鋼太郎のはじけたオチャメぶりがハマってます。


 脚本 千葉雅子
 演出 G2
 キャスト 西岡徳馬 須藤理彩 中村まこと 松永玲子 戸次重幸 有門正太郎 中井出健 蘭香レア 小西遼生 いとうあいこ 松尾貴史 柳家花緑 植本潤 吉田鋼太郎
 世田谷パブリックシアターにて
posted by 行き先不詳 at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

吉田修一『元職員』

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 短めの作品ですが、密度は濃いかなと。バンコクへ一人で旅行しにきた男が、当地の日本人の手引きで夜の街を楽しみ、ミントという娼婦と出会います。その異国でのじっとりとした雰囲気と、主人公にどんな背景が隠されてるかが明らかになってくるところが素晴らしいです。冒頭の一文から印象的ですが、この主人公の秘密と心情についての伏線となってるんだなと気づきます。
posted by 行き先不詳 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする