2010年02月28日

司馬遼太郎『竜馬がゆく 1』

ryohma1.jpg




 8冊読むというのが私にはかなり気合いのいることだったので読むきっかけがなかったのですが、今年の大河ドラマはずっと観続けそうだったので、これを機にということで。一気に読むのではなく、間にほかの本をはさみながらのんびりと読んでいく予定です。

 黒船との出会いのシーンなどでは、大河ドラマ「龍馬伝」だとすぐに異国の強大さを思い知り刀の無力を感じてショックを受けましたが、こちらでは竜馬は、(あの船、一隻でもよい。おれのものにならぬものか)と茶目っ気を見せるほか、「この当時、武士にして攘夷論をもたない者があるとすれば、それは、男ではない、とさえいえる」とあって、ここは対照的でした。

 『天皇の世紀 1』を読んだ直後だったせいもあって、読みやすさがハンパないとか思いましたが、逆に断定される文章に出くわすとどうしてもツッコミが入っちゃうところがあります。
posted by 行き先不詳 at 11:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「3時10分、決断のとき」

3-10toyuma.jpg


 エルモア・レナード原作の西部劇のリメイク作ということですが、元の作品は存在すら知りませんでした。ギャングのボス(ラッセル・クロウ)を護送する貧しい牧場主(クリスチャン・ベイル)との間に起こる魂の触れ合いが描かれます。牧場主が父親として夫として男としての矜持を見せようとする悲壮な姿がたまりませんが、ギャングのボスの行動に腑に落ちないところもあって、釈然としないモヤモヤが残ってしまいました。

 監督 ジェームズ・マンゴールド 
posted by 行き先不詳 at 10:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月27日

イキウメふたり会「二人の高利貸しの21世紀」

ikiumekohrigashi.jpg


 イキウメの本公演と違って、俳優部の自主企画の第3弾だそうで、おそらく前回は「イキウメ試演会2」なんだと思います。それは面白かったので、また行ってみようということだったんですが、4チームに別れてて、私は[Aプロ](浜田信也 盛隆二)にしました。先週の日曜昼公演です。

 本作は岡田利規の戯曲を前川知大が脚色したもので、演出家を立てずにある程度まで創り上げていったようでした。物語としてはどうこうということはなく、ふたりの高利貸しが21世紀がはじまろうとしている時に語り合っている話で、いろいろとメタファーが散りばめられているのかなと思います。なんとなく「ゴドーを待ちながら」を連想しました。時間に余裕があれば、ほかのチームも観たかったところです。

 キッドアイラック・アートホールにて
posted by 行き先不詳 at 10:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「THE 39 STEPS」

39steps.jpg



 ヒッチコックの「三十九夜」という映画を元にしてコメディに生まれ変わらせた作品です。2007年ローレンス・オリヴィエ賞ベスト・ニュー・コメディを受賞した作品の日本版ということになります。先週土曜の昼公演を観ました。

 原型となる映画のほうを知らないので、どこまで残っているのかわかりませんが、私は本筋のスパイものにはあまり目をくれずコメディ部分しか頭に残っていません。早変わりや舞台ならではの見立てが4人のキャストで目まぐるしく(4人で139役だそうですが、石丸幹二は主役一本でして、とりわけ浅野和之と今村ねずみが担っています)、舞台ならではの制約を逆用したコミカルさを前面に出して、その泥臭さのない洗練された笑いが楽しかったです。


 脚色 パトリック・バーロウ
 演出 マライア・エイトキン
 出演 石丸幹二 高岡早紀 浅野和之 今村ねずみ
 シアタークリエにて
posted by 行き先不詳 at 09:49| Comment(0) | TrackBack(1) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「インビクタス/負けざる者たち」

invictus.jpg



 南アフリカのアパルトヘイト撤廃後のラグビーワールドカップで起ったドラマを描いたノンフィクションをクリント・イーストウッド監督が映画化。マンデラ大統領をモーガン・フリーマン、ラグビー南ア代表チームのキャプテンをマット・デイモンが演じています。

 この映画をどういう視点で観るかによって印象は違ったものになりそうです。私は、報復を乗り越えるための宥和や寛容という線と、立場を越えた人間同士の交流といった線で観てました。大統領がキャプテンを呼び出して直接語りかけるシーンとか、大統領が戦略的な観点をもってメッセージやパフォーマンスをしていくところなんかが好きです。モーガン・フリーマンの演じるマンデラが静かで落ち着いた中にカリスマ性を見せて素晴らしく、エンドロールで本物が映ったときに、モーガン・フリーマンのほうが大統領っぽく感じられちゃったくらいです。また、終盤のラグビーシーンでも高揚しました。

 いくつか首を傾げるところでは、前半の暗殺者なのかと思わせぶりな車の接近がしつこいと感じるとか、マンデラと家族との関係が中途半端にしか描かれていないように思えたとか、ピナール(マット・デイモン)のキャプテンシーをあまり実感させられなかったとか、なんだかいつの間にかチームがまとまっているように見えるところ、などがありました。
posted by 行き先不詳 at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月25日

AGAPE store「残念なお知らせ」

zannennaoshirase.jpg




 AGAPE storeの最終公演となるそうで、12年続いた活動に終止符を打つということです。先週の水曜の夜公演を観ました。

 パンフレットを観てたら、AGAPE storeの過去の公演でも行ったり行かなかったりしていて、私の中ではあまりこだわりをもたずに、その時の作家やキャストで選んだっぽいです。


 子ども番組のショーで地方に回る一行のショー前夜に起きたトラブルや騒動をシニカルかつドタバタなコメディに仕立てています。ホテルの一室を舞台にして、歌のお兄さんや体操のお兄さん、キャラクターの人形使いの人などが、テレビで見せる顔とは違った裏の顔として、こんなにドロドロしてたら面白いだろうなぁといった視点で描かれます。ここに、部外者の登場やら、番組から下ろされることになった人とかがあって、さらに人気キャラクターの着ぐるみの中に入る人が刺されたという情報がもたらされ、明日のショーはどうなるのか、といった線で展開します。


 中盤は若干盛り下がった印象をもちましたが、全体に、キャストの個性が活かされ全体的に楽しく、笑いも多かったです。また、結末に解決される謎があったりもして。


 作 桝野幸宏
 演出 G2
 出演 松尾貴史 片桐仁 新谷真弓 岩井秀人 吉本菜穂子 久ヶ沢徹
 全労済ホール スペース・ゼロにて
posted by 行き先不詳 at 01:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月24日

大佛次郎『天皇の世紀 1』

tennohnoseiki1.jpg



 外出中に本を読み終わって、急遽何か買おうとした時、目に留まった1冊でした。いつかは読みたいと思ってたものの、こんな早くに手に取ることになろうとは。大河ドラマ「龍馬伝」の影響は少なからずあって、幕末ものは今年ちょいちょい読むことになりそうです。


 文庫の解説によると、昭和42年は明治維新から100年目だったので、大型企画がいろいろあって、産経新聞では司馬遼太郎が「坂の上の雲」、朝日新聞ではコレ。「維新と明治天皇をテーマとして、期限なしという破格の連載を立案」したんだとか。

 昭和48年まで連載が続いて、著者の死により未完で終わっているようです。朝日文庫版が全17巻だったのを12分冊にして、毎月順次刊行予定だとのことで、もうすでに2が出ています。1では、明治天皇の誕生からはじまり、黒船前後のあたり。


 一番印象にのこったのは、農民一揆のところ。
 ペリー提督の黒船に人の注意が奪われている時期に、東北の一隅で、もしかすると黒船以上に大きな事件が起っていた。かなり長期間にわたって、外部に対して事実を伏せていたので、地方的の事件でもあり、一般には知られずにいた。これは南部領の農民が三万人に近い大人数で、田畑を捨て集団となって雪崩のように領内を横断し、隣国の仙台領に入って保護を求めた事件であった。
 この顛末を語って、著者は、愁訴や嘆願ではなく藩の政府を否定する革命的性格のもの、としています。非常にダイナミックな歴史の動きの一コマとして感じ取れる出来事でした。

 今回読んでみて、これを入り口に読み出すのはもったいない気がして、露払い的にほかの歴史小説などを読むことにしようと思います。

 ただし、全体を通して、候文の引用が多く読みにくい箇所が多数で難渋しました。読み通すのに、かなり骨が折れ、読むのに時間がかかりました。意味が分からないので、読み飛ばしたところも。
posted by 行き先不詳 at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月21日

劇団競泳水着「そして彼女はいなくなった」

soshitekanojo.jpg




 劇団競泳水着を観るのは、前回の公演に引き続き2回目。先週月曜の夜公演を観てきました。この回のアフタートークは喜安浩平がゲストでした。

 今回は、前回とガラッと変わってミステリー。ということで、ちょっとした何かでネタバレ必至となるような内容でした。
 売れない女優がある日突然失踪してしまった謎をめぐる話です。所属する事務所を取材するライターや浮気相手として調査していた興信所の探偵などが調べていくことで周辺の状況が見えてきたり、女優の身近にいる人物たちの言動によって、徐々に明らかになっていきます。時間が行ったり来たりしますが、その構成によって説明的でなく謎の真相が理解されるようになっています。

 映像作品で言えば短いショットを素早く切り替えるようなところもあったりして、そんなショットやシーンの積み重なりによって、人物相関図が更新されていくような感想をもちました。映像的な見せ方というところもあれば、瞬時に会話の主体が切り替わるところは演劇的なのかなという気もしたり。

 ミステリーとしても、ただの犯人当てにとどまらず、それまでの世界が瓦解するような快感はあったような気がします。私は、中盤にさしかかるところで、この人とこの人がつながるんだという瞬間があり、なんだか虚を衝かれた感じで印象的でした。そして、何よりも、終盤に向けてのサスペンスのテンションの高まりに強く惹き込まれました。

 
 
 脚本・演出 上野友之
 出演 川村紗也 細野今日子
    岡田あがさ 永山智啓 松崎みゆき 東谷英人 荒井志郎 堀川炎 高見靖二 村上誠基 辻沢綾香 伊坂沢 
 サンモールスタジオにて
posted by 行き先不詳 at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月20日

「スラムドッグ$ミリオネア」

slumdog.jpg



 昨年のアカデミー作品賞でした。ダニー・ボイル監督作。

 インドのスラム街で育ち、教育を満足に受けていない青年がインド版のクイズ・ミリオネアで次々に問題を正解していきましたが、いくらなんでもインチキをしてるんじゃないかと警察の取り調べを受ける中で、その青年の半生が振り返られ、なぜ青年が問題を正解したのか、また、ミリオネアに出場しようと思ったのかということが明らかになっていきます。


 前半のうちは、言わばネタが割れてる物語を見せられてるようで面白みを感じませんでした。どうせ、問題に即したエピソードが語られるんだろうとわかってますから、そこでのドラマが重みを失ってしまうと思います。たとえば、青年の母親にまつわる出来事などは、もっと強烈な印象を残すべき重大なところで、それなりに心に響くものがありましたが、それでも問題の答えということが先に立つので、感情への訴えかけに対してマイナスに働いています。

 ただ、それが作品内の時間が現在に戻って来たとき、ミリオネアはあと1問が残されて中断しているのですが、そこからはかなり気分的にアガります。そこからは、前半のもどかしさが帳消しになったかんじです。とはいえ、ラストの問題では、観てるこっちにも、わかるような展開かと思ったらそうではなくて、果たしてそれでいいのか、という疑問は残りました。

 そのほか、問題のレベルがどの程度かがよくわからなかったり、問題の内容が頭に入ってこなかったりするのは、文化の違いによるもので仕方のないことでしょうが、作品を楽しむ上で不利なところです。
posted by 行き先不詳 at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ダウト」

doubt.jpg



 舞台作品を映画化したものだとのことです。元の戯曲の作者であるジョン・パトリック・シャンリィの監督・脚本となってます。

 1964年のニューヨークにある厳格なカトリックの学校を舞台にして、専制君主的校長である修道女をメリル・ストリープ、教会をより開かれたものにしようとする優しい神父をフィリップ・シーモア・ホフマンが演じていて、この両巨頭のがっぷり四つぶりに圧倒されます。

 校長と神父は、信仰の態度や指導方針などにおいて、旧来の厳格さと新しい時代が要請する価値観の変化という対立を背負った存在です。そして、神父がある男子生徒への不適切な関係をもったのではという疑惑が浮上したとき、そのことで校長は神父へ問いただし、しかも根拠も薄弱ながら確信を強め、徹底的に追いつめようとしていきます。その過程で、生徒の母親との対話や神父との直接対決を通して、高いテンションが持続します。

 私は、疑惑が出てもデリケートな問題なだけに、どうやって迫っていくんだろうとか思ってたんですけど、予想外に直球勝負な率直さで追求しちゃいます。しかもその緊張感は後半になってさらにエスカレートしていき、たいへん惹き込まれます。

 神父の説教はどれも素晴らしく、とりわけ冒頭の説教が、確信がもてないときにどうするか、という映画全体を通して重要なテーマの提示にもなっていました。ほかにも、生徒の母親の熱演にハッとさせられるとか、ふたりの直接対決で罪を告白した過去を認める校長のためらいとか、罪とその許しを受けることの意味などを考えさせることなんかが印象的です。
posted by 行き先不詳 at 20:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月16日

虚構の劇団「監視カメラが忘れたアリア」

kanshicamera.jpg



 旗揚げ準備公演で上演された作品の再演となります。主演俳優(山崎雄介)が大河ドラマ「龍馬伝」に出演中で(武市半平太のいる道場に出てます)、こちらは客演として古河耕史が主演という恰好になってます。
 土曜の昼公演を観てきました。

 初演時の感想と共通するのは、監視カメラでも防犯カメラでもいいんですが、それを不快に感じなくなっているということに対して、鈍感になり過ぎではないかという苛立ちを感じ取れます。それでも、同時に防犯上の利点に理解を示す自分もいるのですが、少なくとも、監視カメラの向こう側には、見てる誰かがいるという想像を促す働きかけとしての側面はあるように思います。

 その上で、事実の一部分だけを見ることで、真実から遠ざかってしまったり、幸せになれなかったりする姿が見えてきて、いろんなことを考えながら観てました。前回公演より、面白かったです。
 それから、ツッコミや間の取り方など、その一押しで笑いになる箇所が結構あったと思いましたが、意図的なのかもしれませんが、もったいないような気がします。


 作・演出 鴻上尚史
 キャスト 古河耕史 渡辺芳博 小野川晶 三上陽永 大久保綾乃 高橋奈津季 小沢道成 大杉さほり 神田敦士 杉浦一輝
 座・高円寺1にて
posted by 行き先不詳 at 20:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「フロスト×ニクソン」

frostnixon.jpg



 残念なところでもあるのですが、先日観た日本版の舞台「フロスト/ニクソン」に比べて断然面白かったです。元々が舞台だった作品の映画化ですが、資料映像の使い方や、当時を振り返る関係者へのインタビューに答えるカット、それに映像の世界の話でもあるわけで、映画のほうが向いてるのではとさえ思ってしまったほどでした。

 まず何より、ニクソン役のフランク・ランジェラが素晴らしく、憎らしいくらいに自信にあふれた男で、その説得力が圧倒的です。最初のインタビューシーンの横綱相撲ぶりに、これはもしかしたらまずいことになるぞという、周りの焦りや不安が観る側にも共有させるような迫真性でした。また、最後のインタビューの前夜に電話をかけるというエピソードや、後半は一転して憐れみを誘うほどの変貌ぶりなども、舞台版と共通しているのに、こちらのほうがとても効果的に映りました。


 監督 ロン・ハワード
posted by 行き先不詳 at 19:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月07日

シス・カンパニー公演「えれがんす」

elegance.jpg


 千葉雅子とマギーが作、千葉雅子が演出で、渡辺えり、木野花、梅沢昌代、八嶋智人、中村倫也、コ・スヒというキャストがどうにも魅力的にも見えました。土曜の昼公演を観てきました。

 渡辺えりと木野花の役がそれぞれ昔はフィギュア・スケートとシンクロで名を馳せ、その後タレント活動などもして人気もあったというふたり。冒頭には、漫才もしてたということで、その再現からはじまるという滑り出しが楽しいです。

 それでいて、今では木野花のほうは、タレント活動の後にはじめた事業も失敗してしまったところですし、妹とはわだかまりを抱えています。ここに、亡くなった弟の瓜二つの男(中村倫也)が、八嶋智人演じるライターに伴われて登場するところから、物語は動き出します。


 中心となるのは、亡くなった弟の姉ふたりと付き合っていた女の3人。それが木野花と梅沢昌代、渡辺えりです。キャラクターの配置がうまくいっているし、弟の息子のユニークな立ち位置が笑いを誘うところでもあるのですが、肝心の3人の物語は盛り上がりに欠ける嫌いがあるような気がします。この顔ぶれですからアンサンブルの妙が見所かと思いましたが、期待ほどではなかったというのが正直なところです。


 紀伊國屋ホールにて
posted by 行き先不詳 at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

monophonic orchestra 1st session「センチメンタリ」

monopho1st.jpg



 monophonic orchestraの第一回公演を初日の金曜夜公演を観てきました。

 monophonic orchestraは、箱庭円舞曲所属の俳優、須貝英が、自身の脚本を上演し出演するために立ち上げた企画、だということです。


 飛行機墜落事故現場周辺の深い森が舞台。その事故で亡くなったユキの遺体は不明のままで、森に残されているのではないかという状況があり、その事故から10年が経っています。この事故現場をめざすうちに遭難同然にさまよっている何組かの男女が行き当たります。

 ユキの夫でその事故からの生き残りである戸田とユキの弟・高坂、ユキの親友・並部と小説家志望の女性、映画を撮ろうとしている男と霊能者の男、犬を捜す女優、刑事。

 物語の中心となるのは、ユキの夫と弟、親友の3人となります。3人とも、この事故現場にはこの10年足を踏み入れることができずにいましたが、それぞれの思いがあって、やってきています。

 実は夫の戸田がその場でユキを埋めたのだということが告げられますが、掘り起こすことを激しく拒絶します。戸田とユキの弟、親友の並部が抱えてきたそれぞれの思いや揺さぶられる感情、封じられてきた真実。果たしてそこには何があるのか。


 中心となる3人のパワーと複雑な感情の発露の表現に見応えがありました。霊能者のキャラクターはアクセントになって面白かったのですが、それ以外の登場人物には今ひとつ魅力を感じなかったです。


 脚本・演出 須貝英
 キャスト 西川康太郎(ゲキバカ) 玉置玲央(柿喰う客) 村上直子(ホチキス) 清水穂奈美 大石憲 伊藤一将 浅野千鶴 須貝英
 STスポットにて
posted by 行き先不詳 at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする