2010年12月31日

ろりえ「女優(おんなやさしい)」

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 ろりえは初めて。23日の昼に行きました。
 ある家族をめぐる今と10年前が描かれます。今の時点では、兄妹と父親がいる家庭に、兄の友人らがよく訪ねてきてます。母親は出て行って、兄は病んでる雰囲気をまとっていて、父親も仕事をしてないかんじ。兄が友人らに苛立っている原因が、10年前からの出来事に関わってきます。友人らは綱引き部のメンバーたちですが、友人らが妹に代わる代わる手を出していることが発覚してしまいます。そんな友人らがその後も家に訪ねてきているわけです。10年後の現在、妹は妊娠をし、誰が父親かも特定できません。

 舞台装置が左右に移動することで、家の中の移動にして見せるというやり方を貫いています。はっきり言って、スマートに見せるまでの技術が伴っていないようで、後ろのスタッフが見切れたり、音がうるさかったり、タイミングがうまくなかったりもするので、あまり効果的でない気もしましたが、最後に意外なことにもなっちゃったりして、作品全体でも、メチャクチャなことをサラッとやってる感がありました。


 脚本・演出 奥山雄太
 出演 梅舟惟永 斎藤加奈子 志水衿子 徳橋みのり 安藤理樹 尾倉ケント 並木大輔 堀越涼 松下伸二 高木健 松原一郎 横山翔一
 シアターグリーンBOX in BOX THEATERにて
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「15Minutes Made Volume10」

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 いろんな小劇場の劇団を呼んで約15分の短篇を上演するという企画。今回が第10弾だということですが、私ははじめてです。19日夜の最終公演に足を運びました。

 演目は、少年社中「『僕ら』と『ノストラダムス』の1999年の大晦日」、ぬいぐるみハンター「血がみどり」、トリコ劇場「君とは無理」、世田谷シルク「[mode:unkei]」、田上パル「ミートくん」、Mrs.fictions「東京へつれてって」の5作品でした。

 結局、主催しているMrs.fictionsが一番でした。本公演も観たくなったし、次回も観たいとか、あるいは第10弾ということなら、短篇傑作選くらいの再演をやってたらぜひ観たいなとか思います。3年で10回ということの精力的なところもたいへんなことなんでしょうし、意義深いと思います。
 

 シアターグリーン BOX in BOX THEATERにて
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はえぎわ「ガラパコスパコス」

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 はえぎわは、今回がはじめて。今まで何度もスルーしてきたのがもったいないくらいに、面白かったです。19日の昼、アフタートークのゲストが吉田恵介監督の回を観ました。

 ピエロをハケンでやってる青年が、特養から徘徊した老婆を自分の家に連れて行き、同居生活をはじめます。青年は周りとのコミュニケーションがうまくいかずに、あまり社会性がありません。発達障害か何かかなという印象を受けます。そんな彼が老婆と不思議な同居をしていくのですが、老婆は認知症が少しずつ進行していきます。

 ほかの主な登場人物として、青年の兄と嫁となぜか彼らについてくる男、青年の上司と新入社員の後輩、老婆の特養の介護士、老婆の家族、などが現れます。この人たちは、老婆との共同生活そのものが社会的には許されないことだという現実に対して違った角度から関わっていると言えるかと思います。

 テーマとして重いものや深いものがある手応えはありますが、言葉として抽出するのが難しいです。ただ、表現のスタンスが、絵本を見せるような浮遊感なのがよく、そこには静かに寄り添うような共感が感じられました。

 何より、一番特徴的と言えるのは、黒板に囲まれた舞台装置で、説明的な部分をチョークで書き記していくというものです。冒頭なんかもしばらくセリフなしのサイレントで、オルゴールのBGMで黒板に絵とか字を書きながら、状況を描いていくというのも面白かったです。


 作・演出 ノゾエ征爾
 出演 坂口辰平 井内ミワク 鳥島明 滝寛式 川上友里 踊り子あり 笠木泉 町田水城 ノゾエ征爾 星野美穂 富川一人 鈴真紀史 山口航太 竹口龍茶 金珠代
 こまばアゴラ劇場にて
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猫のホテル「イメチェン 服従するは我にあり」

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 18日の昼公演を観ました。
 再演だということですが、たぶんそれは観てません。今回は、脚色・演出として福原充則が起用されていますが、初演ともどう違うのかも当然わからないところです。チラシによると、その分、千葉雅子が出演のほうに力を入れているということのようです。

 “土建屋”あがりの代議士がやがて転落していく物語。周りにいる愛人、娘、秘書、など彼に対して抱く、ドロドロの愛憎も見所です。それから、笑えるところは随所にあって、菅原永二、池田鉄洋、市川しんぺーがとくにツボでした。

 脚本 千葉雅子
 脚色・演出 福原充則
 出演 中村まこと 森田ガンツ 市川しんぺー 佐藤真弓 池田鉄洋 村上航 いけだしん 岩本靖輝 菅原永二
 ザ・スズナリにて
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「ロビン・フッド」

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 ほかの人のセレクションに任せて、予備知識なしで(あるいは忘れて)観たら、タイトルの印象とずいぶん違い、思いのほか面白くてびっくりでした。エンドロールで監督がリドリー・スコットだと知り、ラッセル・クロウが主演なら「グラディエーター」コンビじゃんとそこで気づいたほど。

 12世紀末のイギリスの歴史にロビン・フッドの伝説を落とし込むというねらいです。といっても、世界史で少しは覚えたなぁくらいの記憶ですから、時代背景とか史実との関係について、わかってません。でも、歴史劇として納得させる説得力があります。何といっても、あとから、リドリー・スコットと知って納得したのは、ムダがなく、簡潔にエピソードがつながって、自然とストーリーや登場人物の境遇を知ることができるところです。素晴らしいです。この後どうなっていくか、続きを観たくなりました。
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DART'S「THE LIFEMAKER」

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 観たのは17日の昼でした。平日だったんですが、休暇をとれたので急遽当日券で。

 未開の地で街を新たに造るという社内の実験的な新規プロジェクトに参加する8人のメンバーが、模型を前にして、試行錯誤しながら街を造っていきます。

 演劇として表現されているところがポイントで、これがどういう位相の話かが、すぐにわからないのです。はじめのうち、いろんな可能性を想定して話を追っていくと、意外な事実が現れてくるという構造になっています。ゲーム的な展開としての面白さは映像の方が活かされると思いますが、この作品は演劇なればこそ、というアイディアで成り立っています。

 ただ、話の構造上、俳優の熱演のオンオフぶりが必然だとしても、観てる途中には入り込めない違和感がつきまといました。


 脚本・演出 広瀬格
 出演 板倉チヒロ 川田希 山本佳希 國重直也 長谷川太郎 菊地明香 片桐はづき 島田雅之 辻修
 Gallery LE DECO 5にて
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2010年12月30日

「精神」

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 「選挙」に続いて、精神科を素材に選んだ観察映画第2弾となっています。関連本の「精神病とモザイク」を先に読んだものの、劇場には行けませんでした。

 私には「正気と狂気の境界線を問い直す」といった作品には見えませんで、基本的には、見えない世界を覗き見るというふうに捉えています。

 たとえば、外科や内科の病気なら闘病生活に密着したりすることもよくあるでしょうが、やはり精神疾患では偏見があるため、タブーとなっているという状況です。社会の中にふつうに存在しているのに見えないことになっている、それが偏見を助長しているのだとすれば、声高でない視点で迫っているのも、ただタブーに挑戦しているのに留まらない意義があると思います。そこは、やはりモザイクなしということの意味が大きいのですが、患者からの話には、突如、そんな話が…と驚かされる吐露などもあって、そこまで話しちゃって大丈夫かと心配させます。

 正直なところ、精神疾患自体については、私にとってはそれほど非日常的なものではなかったので、驚きのようなものはあまりなかったのですが、個性ある一人ひとりの存在と主治医の話や接し方などが印象深いです。

 監督 想田和弘
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「黴菌」

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 「東京月光魔曲」に続いて、「(昭和初期三部作改め)昭和三部作」なんだそうですが、どちらかというと3人の兄弟が中心となるということで、「わが闇」を連想させます。
 12日の昼公演を観ました。

 昭和20年3月という戦況がかなり悪くなっているという設定なのに、妙にのんびりとしている裕福な洋館が舞台です。この家の人は、戦争に対しても相対的な見方をもっていて、とても外ではしゃべれないような発言も多く出ます。そのほか、戦争忌避者、オーソン・ウェルズの「火星襲来」放送、脳病院、影武者といった、真実とか正しさへの懐疑といった要素がそこかしこに登場します。

 終戦へと向かい、社会的にある種の解放に向かう一方で、逆にこの家は崩壊へと向かっていくような展開です。ただ、最終的には思いの外、前向きな着地に感じられました。

 それから、言うまでもなく、各所にケラ作品らしい笑いがあって、物語とキャラクターが活かされるようにハマっています。とても面白かったです。


 作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
 出演 北村一輝 仲村トオル ともさかりえ 岡田義徳 犬山イヌコ みのすけ 小松和重 池谷のぶえ 長谷川博己 緒川たまき 山崎 一 高橋惠子 生瀬勝久
 シアターコクーンにて
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国道五十八号戦線「国道五十八号戦線異状アリ」

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 国道五十八号戦線は今回がはじめて。というか、劇団の解散公演でして、本作と「国道五十八号戦線異状ナシ」の2本立てでした。観るかも含め、正直迷ったところですが、短篇集のこちらを選んでみました。11日の夜公演を観ました。

 4本の短篇からなっていて、「さっき終わったはずの世界」「テンパってる奴」「三鷹の女」「三鷹の男」のうち、後ろの2本はひとり芝居でした。

 一番好きだったのは「テンパッてる奴」で、宅配ピザを配達にきたら、そこの住人はすぐに金を払わず、おかしなテンション。先に来てた人らとともに巻き込まれるようにして、まともじゃない空間となっていきますが、いったい誰がまともじゃないのかが刻々と入れ替わっていく展開です。はじめのうちは悪ふざけなノリだなと入り込めなかったのに、だんだんとハマっていきました。


 脚本 友寄総市浪
 演出 谷賢一
「さっき終わったはずの世界」
出演 浅倉洋介 田中美希恵 中村梨那
「テンパってる奴」
出演 東谷英人 さいとう篤史 佐野功 西尾友樹 野田裕貴
「三鷹の女」
出演 伊神忠聡
「三鷹の男」
出演 ハマカワフミエ
 サンモールスタジオにて
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「春琴」

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 昨年の再演のときに観た感動が忘れられず、11日の千秋楽に当日券を購入するべく並びました。

 再演との違いについては、私はよくわかってないのですが、今回観てもその素晴らしさに感嘆です。演劇的な豊かさ、芸術性、多声的な表現といったところが思い当たります。これからも続けてほしいと思います。


 演出 サイモン・マクバーニー
 出演 深津絵里 チョウソンハ 笈田ヨシ 立石凉子 内田淳子 麻生花帆 望月康代 瑞木健太郎 高田恵篤 本條秀太郎(三味線)
 世田谷パブリックシアターにて
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谷崎潤一郎『春琴抄』

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 舞台「春琴」を観る前にと慌てて読みました。句点がないのに、複数の文が連なってて、それでいて読みにくいわけでもなく、独特のリズムに引かれて読み進めました。内容もさることながら、この文体の力はかなり大きいんでしょうね。

 ふたりの関係は異様とさえ言えますが、外側から語るということと、盲目の人物を描くということから、そこに密室的で隔絶した他からは窺い知れない関係性が浮かび上がっているという印象を得ました。ラストに至って「前記の外に二男一女があり」だなんてサラッと説明されるのもなかなか。
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2010年12月27日

子母沢寛『勝海舟 2』

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 全6巻の2巻目。私は第1巻よりも面白く読みました。副題が「咸臨丸渡米」とありますが、麟太郎らが渡米するのは前半部分で、残り半分は帰国後のことです。帰ってくると、渡米中に桜田門外の変があったことを知ったりします。後半では坂本龍馬の登場がありますが、出会いの場面が描かれないのはちょっと拍子抜けでした。

 一番グッと来たのは、咸臨丸でのエピソードでした。アメリカ人の乗組員が日本人を侮って規律違反をしても言うことを聞かないことに対して、向こうの大尉が同じアメリカ人だからといって庇わなかった、というところ。わかりやすいですけども。
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2010年12月25日

Habaneraプロデュース「ロゼット」

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 5日の昼に観に行きました。

 サスペンデッズの早船聡の作・演出で、キャストを新たにしての再演だとのことした。

 「ロゼット商会」の小さな事務所を舞台にして、そこでの仕事や生き方、職場内の人間関係などが描かれます。仕事内容は園芸関係といったところですが、規模の小さい会社ですし、いろいろとアイディアを出して、新しい企画を立ち上げて、営業をかけてたりします。

 中心となるのは、独身女性である社長とその友人の主婦で、仕事に対する考え方などでぶつかり合っています。というか、はじめのうちは、社長の不満に分があるように見える状況です。ほかに従業員の男がいて、社長のことを秘かに恋しているらしい様子が窺われます。その男の妹をアルバイトに雇うことになるのですが、やる気がまるで感じられません。それから、社長らの同級生の男が街で再会してからは、ときどき事務所にやって来るようになります。

 30代の女性の人生観とか生き方の選択だとかってことで、角田光代を連想したりもしましたが、リアルで楽しい話になっていて、たいへん面白かったです。
 途中、従業員の男が事務所にひとりになったときの、社長を想って致してしまう行動がインパクトありました。引いちゃう人もいるくらいのギリギリなところが意外でよかったです。
 妹のキャラクターについては、登場シーンと後半の落差が大きく、そこへと至る流れがちょっと説得力が足りなく感じられました。
 
 
 出演 中村千春 田口朋子 高畑こと美 土屋良太 京極圭
 東京芸術劇場小ホール1にて
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2010年12月21日

大人計画「母を逃がす」

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 観たのは4日の夜なので、2週間以上経っちゃいました。前売が買えなかったので、当日券で観ることになりました。

 東北のどっかでコミューンを立ち上げてて、その中で自給自足の共同生活をしています。しかも、周りから攻撃を受けてたり。そういう設定を成り立たせている世界観が面白かったです。当然、笑いも入れ込まれてますから飽きませんでした。

 1999年に上演して以来の再演だということです。私は、初演のほうはたぶん観てなくて、これが上演されてたときの感触がわかりませんが、ふつうに面白いと感じました。そこが、逆に、若干の物足りなさを覚える点でもありましたが。



 作・演出 松尾スズキ
 出演 阿部サダヲ 宮藤官九郎 池津祥子 顔田顔彦 宍戸美和公 宮崎吐夢 猫背椿 皆川猿時 村杉蝉之介 田村たがめ 荒川良々 近藤公園 平岩紙 少路勇介 松尾スズキ
 本多劇場にて
posted by 行き先不詳 at 22:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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