2011年02月28日

「英国王のスピーチ」

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 今日のアカデミー賞で作品賞ほか受賞していましたが、やはり期待感も強かったようで、公開初日の2月26日(土)に観ましたが、かなり座席が埋まっていました。

 どうでもいいですが、その夜の「SmaSTATION!!」の月イチゴローには口あんぐり。稲垣吾郎は、へぇ〜そうだったんだとは思ったけど感動がないとかって感想のようで、それってちゃんと観てたのかと疑うくらい。歴史ドラマとして観たということなのかと想像しましたが、だとしたら期待の方向が間違ってただけではないですか。と思わず腹が立ったくらいに私は感動しました。

 主人公はイギリス国王となるジョージ6世で、現在のエリザベス女王の父親である人物。吃音のため人前で話すことをたいへん苦手にしているのですが、ラジオの普及など、時代の要請から国民に語りかける役割が増してきていたこともあって、そうもいってられません。いろんな治療を試しますが効果はなく、諦めかけていました。最後の最後に出会うのが、ジェフリー・ラッシュ演じるライオネルという言語聴覚士。彼の方法は正当派ではなかったのと、対等な人間関係を求めるものだったため、何度も決裂しそうになります。そんな危機を経ながらも、信頼関係が築かれていき、少しずつ吃音を克服していくことにもなるのです。そして、クライマックスには、ヒトラーの率いるドイツとの戦争状態に突入したことで、国民へラジオで語りかけるスピーチが待っています。


 何より、コリン・ファース演じる吃音に悩む男の演技は完璧と言ってみたくなるほど。とにかくスゴ過ぎます。冒頭のヨーク公時代のスピーチの気まずいシーンからして、惹き付けられました。

 それから、このジョージ6世は国王になる予定ではなくて、兄が次期国王になるはずだったのに、離婚経験者との結婚を選んで王位を退いたため、順番が回ってきたという経緯です。父親が偉大であり、兄も王にふさわしいと思っているのに、自分は不適格だと思っている苦悩の深さはツラいところです。

 吃音については、安易な治療法ではなく、根本にある原因を見つめようとしていて、人を根元的な部分で肯定する姿勢が感動につながります。そして、この治療を通しても直線的な効果ではなくて、一進一退を繰り返しながら少しずつ克服しているところも嘘くさくないです。

 全体にとても上品ながらユーモアもあって、いい映画だなぁと感じ入ります。


 監督 トム・フーパー
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「ろくでなし啄木」2回目

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 東京芸術劇場での公演を先に観たときには、こちらのチケットも買ってありました。ということで、今回が2回目の観劇。24日の夜公演を観ました。

 内容は覚えているものの、それなりに時間が経ったせいで、細かい仕掛けが全部頭に入っているわけではない状態でした。「本当はこの裏ではこうだったんだよな」的見方があんまりできずにいましたが、やはり今回も面白かったです。

 私の印象では、前回よりも笑えた気がします。2幕目は再現するという性格上、多少のもっさりしたところが出がちだと思いますが、より軽快に進んでいたと見えました。

 それでいて、啄木の自己愛に対して、最低ですらなくて甘えであると批判する場面は一層響きました。


 天王洲 銀河劇場にて
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2011年02月27日

「ソウル・キッチン」

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 「ザ・シェイプ・オブ・シングス」の当日券が外れたら、これを観ようと思っていたのですが、滑り止め的な意味ではあるとはいえ、もちろんかなり観たかったからです。

 ハンブルクにある大衆食堂といった感のレストラン“ソウル・キッチン”のオーナー・シェフが主人公。大ざっぱで男の料理的な手際ですが、ニーズには合ってるようで常連客がちゃんといます。ところが、恋人が上海に渡って遠距離恋愛となるわ、ヘルニアになって仕事がままならなくなるわで、どうせなら店を人に任せて恋人を追いかけようとするのです。

 そこで、腕がいいけど気難しいシェフを雇ったところ、逆に常連客が来なくなっちゃったのですが、休業状態の店で練習していたバンドの演奏目当てに集まった人たちに、新しいシェフの料理がハマって大繁盛。それでも、再会した旧友が不動産目当てに裏であくどい画策をしたり、仮出所した主人公の兄がやらかしてくれたり、順風満帆とはいかないのです。果たして、“ソウル・キッチン”は守れるのか、主人公の遠距離恋愛の行方は…といった流れです。

 突出してすごいということはないですし、腕利きのシェフについてはもう少し描いてもらってもよかったと思いますが、音楽の魅力と、ユーモアのある作風で、「ご機嫌な映画」という言葉がぴったりです。


 監督 ファティ・アキン
posted by 行き先不詳 at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ザ・シェイプ・オブ・シングス」は観られずに終わったということで

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 翻訳ものとはいえポツドールの三浦大輔が演出するということで観たいと思っていましたが、前売券を本気出して買わなかったのは油断してました。まさか、こんなに向井理の人気がスゴいとは。

 東京公演の最終日となる2月24日(木)の昼に、2度目の挑戦が失敗し、観ることがかなわずに終了しました。

 当日券が抽選になるのは、必ずしも珍しくないですが、おそらく1割弱の確率でしょうか。なんだか逆ギレ的に腹が立ちました。いや、そんなに怒ってるわけでもないんですけど、青山円形劇場でこんな企画を演るのは反則じゃないかという不満と、自分がここまで入手困難だと気づかなかった不明に対しての腹立ちということで。
posted by 行き先不詳 at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

NODA・MAP「南へ」

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 途中までは、今回はわかりやすいかもと思っていましたが、やっぱり終盤に近づくにつれて、いろんな要素が混じり込んで、置いてかれそうになりました。といっても、困惑というのではなくて、混乱しながら考えを促される方向で。

 火山の観測所を舞台にして、そこに赴任した男と火口に飛び込もうとしていたところを保護された虚言癖の女を中心に物語は進みます。男は観測データから噴火の予兆を読み取りますが、この地に天皇行幸が計画されている話がもちあがっていて、所長は発表を保留します。現代の話をベースにしながらも、その火山が前回噴火した宝永年間の話をオーバーラップさせ、いろんな意味での不確かさについて描き出していきます。


 箇条書き的に記すと、語り直され続けることでの神話の形成過程とか、ウソで飾られた根っこにある空虚さとか、そのあたりは“天皇詐欺”がキーワードのひとつだなとか、欲望の代弁者としてのマスメディアについてとか、そもそも火山という危機が何のメタファーとして機能しているかとか、思いながら観てました。また、北朝鮮については見失ってしまったかなとか。

 何より、アンサンブルの振付の力強さと、内容との有機的なつながりに感心したのと、主演ふたりが自身のセリフがないときでも目が離せない演技を見せていて魅力的でした。妻夫木聡は、「キル」のときより好演してたと感じました。

 約1ヶ月後にもう1回観る予定となっており、戯曲を読んで次回は臨むつもりです。


 作・演出 野田秀樹
 主なキャスト 妻夫木聡 蒼井優 渡辺いっけい 高田聖子 チョウソンハ 黒木華 太田緑ロランス 銀粉蝶 山崎清介 藤木孝 野田秀樹
 2月22日夜
 東京芸術劇場 中ホールにて
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西村賢太『苦役列車』

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 非常にセコい話から入ると、『きことわ』は単行本を買ったのに、なぜか「苦役列車」は「文藝春秋」で済ませようと思ってたら、当然「きことわ」も掲載されてるわけですし、その上、『苦役列車』には受賞作以外に1篇収録されてるのを「文藝春秋」を読んでから知って、結局購入することになったのは、ちょっと損した気分になったりもして…。


 クセになって単行本のほうは読んできたのですが(過去作123456)、まさか芥川賞を受賞するなんて、という思いがありました。今後の作品がどう変化するのか、藤澤清造全集は刊行なるのか、というのが興味深いところです。

 それから、「WEB本の雑誌」の「帰ってきた営業日誌」に芥川賞受賞記念とかで、年代ごとのリストが載ってて大変参考になります。

 それで、受賞作「苦役列車」のほうは19歳の日払いの仕事をしてた頃の話となっていて、怠惰な日々に現れた友人となりうる男が登場して、少し前向きに変わるきっかけを得ますが、やはりそこはうまくいくわけもなく…といったところ。随所に、読者としてツッコミを入れたり、突如ツボに入って電車の中で笑いをこらえたりするところもあり、やっぱり面白い。

 現在に至るいきさつが語られているので、はじめて著者の本を読む人にも入り口としてはいいかもしれません。それから、藤澤清造が今回は出てこないと思ったら、最後に触れられてるのが律儀にさえ感じました。


 もうひとつの短篇「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」は、川端康成賞の2度目の候補になったときの賞をめぐる葛藤を、ぎっくり腰に苦しむみじめさと二重移しにして自虐的に描くもので、前回の芥川賞候補になったことにも触れられていて、受賞後に読んでこその一作です。

 川端康成賞って一般の読者にはそれほど注目する向きはないと思いますが、川端賞の株がちょっと上がるんじゃないかと思えるほどの渇望ぶりです。

 作中で貫多は、野間文芸新人賞を受賞したときのジンクスで、賞を冠した人の著作を決まった古本屋で買うために、今回は川端康成の本を探します。ところが、買った直後に、そんな自分への疑いも出てきます。
 考えてみれば文学賞を欲しがる心根なぞ、サラリーマンの出世願望のそれと概ね同質のものであろう。そして川端賞を欲してやまぬ自分もまた、名声慾にかつえた乞食根性丸出しの下賤の者には違いない。こんなのを否定し、心底白眼視するのが本来の"藤澤清造流"のはずである。

 この後、

 川端康成の本は、居室に戻ったらすぐに書棚の最上段に表紙をこちら側に向けてディスプレイし、銓衡会の日まで朝な夕なに拝むつもりである。

 とあって、あれッてずっこける感じになるのですが、ともあれ、このときは受賞に至らずに終わっています。
posted by 行き先不詳 at 01:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月24日

ドラマスペシャル「迷子」

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 2月19日(土)の夜にNHKで放送したドラマです。脚本が前田司郎で、ほぼ2年前の「お買い物」がなかなかよかったので、今回も期待しました。

 雑踏の中に座り込んでいるおばあさん。通りかかった男子高校生3人が声を掛けてみると、外国人(中国人?)らしく言葉が通じません。警察に連れて行こうとする途中、見つけた警官らに引き渡そうとしましたが、警官の姿におばあさんが逃げ出してしまいます。それで、その高校生らのほか、同じく通りがかりの就職のため上京したばかりの女性、そこにいた警官らに職務質問を受けていた男らが、街を捜しはじめます。

 これとは別に、母子家庭で生活が苦しい女子高生と弟、その家の大家の息子である大学生らが、顔見知りのホームレスの男性といっしょにいるおばあさんと会って、どうやって助ければ良いかを考えあぐねます。
 

 映画の「誰も知らない」を連想したんですが、こちらは全く逆に、周りの見知らぬ人たちが、必ずしも責任があるというわけでもないのに、何とかしようと奔走します。この手の話って、都会の人間関係の希薄さか、そんな中でも心温まる感動的な話か、どちらかが前面に出がちなところですが、このドラマではそのどちらでもなく、自然な感情の延長線上にある放っとけなさが描かれていると見えました。それも、言葉の通じない他者的存在で、実際見つけた後にどう対応するかの答えもないままで、しかも、登場人物らがバラバラなまま別個に勝手に捜しているところが珍しいかなと思いました。

 後半におばあさんの背景がある程度明らかになりますが、物語としての起伏自体はあまりなく、これといった騒動も起こらず、さすがにもう少しキャラクターのドラマが観たくもありましたが、それぞれの登場人物の背景がちょっとした会話のやり取りなどでほの見える程度なのも面白いといえば面白いのかもしれません。

 一番魅力的だったのは、南沢奈央演じる女子高生で、ちょっと乱暴なくらいの言動があって、貧しい身の上が窺われるものの、非常に自分があって、前向きなキャラクターです。


 脚本 前田司郎
 主なキャスト ツ玉純 南沢奈央 金井勇太 忍成修吾 中村映里子 太賀 永嶋柊吾 山田健太 岡田廉 逢坂じゅん 
posted by 行き先不詳 at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月21日

岡崎藝術座「街などない」

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 岡崎藝術座は「古いクーラー」に続いて今回が2回目。

 4人の女優が、横子・浜子・川子・崎子を演じて、「リア王」などの引用もありながら、また、ちょっと奇妙な動きをしながら、エグい下ネタ満載のガールズトークを繰り広げてます。そのへんのやり取りが面白かったのですが、なぜか途中で睡魔が襲い、何とか耐えてはいたはずなんですが、あっと思ったら終演でした…。やっちゃいました。

 作・演出 神里雄大
 出演 宇田川千珠子 上田遥 武井翔子 橋本和加子

 2月19日夜
 のげシャーレ(横浜にぎわい座B2)にて
posted by 行き先不詳 at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

西村賢太『人もいない春』

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 著者の本はずっと読んでいたのですが、前作の本書に手が出てなくて、先頃の芥川賞の受賞を機に、改めて読むことにした次第です。

 連作短篇集といっていいのか、貫多と秋恵との同棲生活と、その前史とも言えるような失恋の話などが収録されています。相変わらずの部分が楽しめるのですが、ただ、カタストロフは訪れず、あっさりとした幕切れもあったりして、若干の物足りなさもなくもないといったところ。

 やはり距離感は絶妙で、非常に主人公に対して客観的なところが自虐的とはまた違った感覚があります。やはり笑えちゃって、どこかを抜き出して引用しようと思ったんですが、部分だけを取り出してもこの魅力は伝わらないんだよなぁといったかんじです。
posted by 行き先不詳 at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ミシマダブル/サド侯爵夫人」

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 三島由紀夫の戯曲を蜷川幸雄演出、東山紀之と生田斗真が主演で同時上演されている「ミシマダブル」という企画で、「わが友ヒットラー」のほうは先日観ました。

 6人の出演者全員が女装した男優で、サド侯爵夫人であるルネを東山紀之が演じています。その妹が生田斗真、母親が平幹二朗。サド侯爵のほうは逮捕・投獄により常に不在で、彼をめぐって彼女たちが会話することによって、愛情や背徳などの実相が、角度を変えて見えてきます。

 「わが友ヒットラー」を観たときと違って二日酔いでもなかったのに、今回もあんまりセリフが入ってこなくて、集中力が続かなかったところがありました。あんまり相性がよくないのかとか思いましたが、私はこの作品をそんなに面白く感じなかったです。


 出演 東山紀之 生田斗真 木場勝己 大石継太 岡田正 平幹二朗
 2月19日昼 
 シアターコクーンにて続きを読む
posted by 行き先不詳 at 22:13| Comment(0) | TrackBack(1) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブラジル「怪物」

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 これは全くすごかったです。今年1年が終わって振り返ったとき、強烈に残っている1本になるのではというくらい。というか、私の中では歴史に残りますね。

 何より、雷鳴と明滅する照明の中でのあのシーンの衝撃かつ笑撃。全然違いますが、映画の「クローバーフィールド」の予告を思い出しました。本当に全然違いますけど。それと、翌朝の場面あたりなんかまでは、笑い過ぎて目の周りが涙でビチョビチョでした。幸運にも最前列で観たこともよかったのですが、とにかく舞台でこんなに大笑いしたのも久しぶりのことでした。今日も思い出し笑いをしましたし。素晴らしいアイディアとそれを活かす俳優、演出が一体となってこその効果を生み出していました。

 全体を通して、子どもを含めての他人という存在の怪物ぶりとか、そのことで揺らぐ母性のあり方とかが描かれているのかなとは思います。ただ、やはりあのシーンのインパクトがあり過ぎて、その後の展開がかすみがちなところが弱点と言えるかもしれません。

 冒頭のシリアスめな雰囲気から、主人公の妹の彼氏が登場してガラッと空気が変わって、すっかり面白くなっていきますが、ほかの作り込まれた個性的キャラクターも楽しく、面白さの大きな要素にもなっていました。その中では、元同僚で主人公に手伝いにくる女性の退場前の振る舞いはちょっと余計に見えました。
 

 作・演出 ブラジリー・アン・山田
 出演 桑原裕子 辰巳智秋 櫻井智也 中川智明 西山聡 羽鳥名美子 本井博之 堀川炎 諫山幸治
 2月18日夜
 駅前劇場にて
posted by 行き先不詳 at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月20日

「ザ・タウン」

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 ベン・アフレックの監督2作目となる作品だとのことです。ベン・アフレックって名前を久しぶりに聞いたような気がしたくらいですが、知らないうちにこんな映画を作っているとは、と驚きです。

 治安のよくない地区で、強盗の温床となっているようなチャールズタウンのことをタウンと呼んでいて、そんな地域を舞台にしたクライム・サスペンスです。

 ベン・アフレック演じる主人公を含む4人がチームを組んで銀行や現金輸送車を襲撃しています。冒頭に襲撃する銀行の支店長が女性でしたが、彼女を一旦人質にしてしまったことから、解放後に、捜査への協力状況を知るため、主人公が近づくことになるのです。そしたら、犯人と被害者という関係にもかかわらず、恋愛関係へと移行していくことに。いや、もちろん、被害者女性は知らずに出会うわけで、犯人ということが、バレそうになったり、いつかわかってしまうのかといったことがポイントにもなってきます。その間にも、新たな犯行をこなしていくのですが、主人公は、この街を出て、彼女とやり直すことを考えるようになるのです。

 まず、銀行強盗の場面が、洗練されてるのに反して荒っぽいというか、とても緊迫感があって、惹き込まれます。主人公は手荒なことをするのは意に添わないのですが、チームのひとりは短気で暴力に訴える性格で、危なっかしい面も見せていくのです。その後も、犯行シーンや捜査陣からの逃亡シーンとか、支店長との3者の出会いのシーンとか、たまらなく面白かったです。

 加害者と被害者の接触という状況と、主人公が足を洗いたいと考えたときにそれを許さない状況から、これはハッピーエンドはないなと予想させます。それでも、どう転ぶのかがわからず、ハラハラとさせる展開でした。

 主人公の元カノが、いかにも利用されるキャラとして登場しますが、それだけに終わらない魅力がありました。
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五反田団「俺のお尻から優しい音楽」

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 千秋楽の2月13日昼公演を観ました。

 はじめから本当に下らなくて、かなり笑えました。当日のチラシに
本公演が始まって10分か15分くらいすると、「まさかこの調子でつづくんじゃあるまいな?」という疑問が皆さんの中に生まれると思います。終始この調子で進みます。申し訳ありませんが、どこかで腹を決めていただいて、「こういうものだ」と諦めて御覧ください。

 しかも、役名に「フランソワ」とか「マキャベル」とかあって、そんな中に「ムッシュ・メタボリック」だの「シラク大統領」、前田司郎の役が「カジヒデキ」だったりする時点でニヤニヤして開演を待ってました。

 ということで、心の準備はできた上で観てましたが、脱力的でふざけてて、相当面白かったです。観てる間に思い出し笑いをしたりとか。ただ、おそらく全員が爆笑みたいな部分はそんなになくて、両隣の席の人とも笑うポイントが違ってたりして、時間差多発的な笑いが起こっていました。

 フランス人をデフォルメしたコント口調で、バカな設定や展開があるわりに、ちゃんとした物語があって、フランス音楽学院にフィアンセの薦めで留学することになる天才バイオリニストの音楽への情熱や心境の変化などが描かれていました。とはいえ、最後の最後まで笑わせてもらいました。


 作・演出 前田司郎
 出演 大山雄史 布川雄治 吉田亮 前田司郎 用松亮 西田麻耶 望月志津子 石澤彩美 木引優子 墨井鯨子 後藤飛鳥 宮部純子

 三鷹市芸術文化センター 星のホールにて
posted by 行き先不詳 at 11:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ひょっとこ乱舞「ロクな死にかた」

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 上司から小劇場の芝居を誘って、ということで、いろいろと考えた末に、本作を選定してみました。面白くて、かっこよくて、そこそこ難しかったりもするところがいいかなと。そしたら、今回は結構わかりやすく面白く、結果的にはさらによかったようでした。


 元カレが死んだのに、なぜか彼のブログが更新されているという発端です。本人しか知らない出来事が書かれたりもしていて、そんなところから、彼が生きていると発言している妹を放置できない姉とその友人。

 この元カレの死への捉え方とか、友人らの思いなどが、時間軸を行ったり来たりしながら、謎を解き明かすようにして描かれていきます。

 正直、死生観自体に目新しいことが言われているわけではないのですが、現代の情報社会の中での死の意味みたいなことに言及されていて、記憶に残っている限りはその人の中で生きているという考え方を持ち込むと、半永久的に残っているその人の情報って何を意味するの?みたいなことを想起させました。

 姉妹の母親役として男優が登場したときの空気をぶちこわすくらいの苦笑的な破壊力が、最初は過剰に思えましたが、後になれば、シリアスに流れすぎずによかったように感じました。

 それから、やはり振付なりダンスのセンスが好みで、そこだけでももっと観ていたくなります。


 作・演出 広田淳一
 出演 中村早香 笠井里美 根岸絵美 松下仁 糸山和則 田中美甫 渡邉圭介 西川康太郎 伊藤今人 小角まや 寺田ゆい 澤田慎司 大竹冴絵子 高倉大輔 海田眞佑 伊比井香織 片山敦郎 倉田大輔

 2月12日昼の部
 東京芸術劇場小ホール2にて
posted by 行き先不詳 at 10:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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