2011年09月25日

テノヒラサイズ「テノヒラサイズの人生大車輪」

 テノヒラサイズは今回がはじめて。関西を拠点に、2008年に結成された劇団だとのことです。本作は再々演となる人気作のようです。

 お互いのことを知らない監禁された人たちが、それぞれの思い当たる事情を語りだすと、それが劇中劇として再現され、ここにいる理由につながっていくというものです。個々の話が、別れさせ屋といい、ハマチといい、そして何よりUFOといい、それぞれに面白く、かつ、伏線になっていて、終盤に一気にバカバカしくもある気持ちのいい展開にもっていきます。

 正直、最後の伏線回収にしても、監禁の動機そのものにしても、強引かなと思いますが、アイディアは面白かったです。ただ、何となく既視感のある設定のようにも思えて、頭の中を検索しましたが、思い出せませんでした。

 パイプ椅子の使い方は、この劇団の特徴みたいですが、とても巧みでした。


 構成・脚本・演出 オカモト國ヒコ
 出演 川添公二 木内義一 田所草子 湯浅崇 郷本直也 稲野杏那 物延結
 9月19日昼
 南大塚ホール
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シティボーイズミックスPRESENTS「動かない蟻」

 シティボーイズのライヴを生で観たのははじめて。毎回迷いながらもスルーしていましたが、柿喰う客を観た後にすんなりと行けることに気付いて、足を運ぶことに。そしたら、観ておいてよかったというか、過去のも行っときゃよかったパターンとなりました。

 ただ、どうやら今回の公演はこれまでと違う作家がついて、作品の傾向が違っているような話みたいでしたが、私にはそういう“いつもとは違う”感覚もなく、素直に楽しめたのでした。

 細部がシュールなところもありつつ、全体を通してストーリーがある程度あって、ひとつひとつのコントが面白いという構成です。完成度に余力がある、というとヘンな表現ですが、その隙間にあるユルさが作風にマッチしてさらにおかしさが増してました。

 一番好きなのは、物覚えのいい村人の話、そのあとふたりのたかし君の話かなと。

 カーテンコールで、いつまで続けるのかみたいなことを言ってましたが、来年もやるなら、観に行きます、きっと。


 作・演出 天久聖一
 出演 大竹まこと きたろう 斉木しげる 中村有志 荒川良々 辺見えみり
 9月18日夜
 世田谷パブリックシアター
posted by 行き先不詳 at 20:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

柿喰う客「悩殺ハムレット」

 はっきり言って、素晴らし過ぎます。もうベタ褒めする勢いですよ、コレは。演劇をライヴで観ることの快感がここにはあります。

 まず、女体シェイクスピアというシリーズを立ち上げたということになるんでしょうか、女優だけの出演でシェイクスピア作品を作り上げ、柿喰う客流に大胆に脚色・演出、その第1弾としてハムレットが選ばれたということなのでしょう。というのも、第2弾は「絶頂マクベス」と決まっていて、もうすでにシリーズとして続行予定です。

 個々の女優陣の魅力、桃尻語訳かというくらいの今どきのチャラいセリフ、全編を通してのリズム感、スピーディな展開、笑いも結構あって、これはかなり最強の部類です。やっぱりコレだとチェーホフよりかは断然シェイクスピアでしょうね。
 乱痴気公演は台風で断念し、もう一回観に行きたかったのですが、東京公演は本日が最終日で実現しませんでした。


 脚色・演出 中屋敷法仁
 出演 深谷由梨香 コロ 七味まゆ味 右手愛美 葉丸あすか 大杉亜依里 岡田あがさ 荻野友里 葛西幸菜 葛木英 熊川ふみ 高島玲 新良エツ子 兵頭祐香 渡邊安理
 9月18日昼
 シアタートラム
posted by 行き先不詳 at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

男子はだまってなさいよ!G「アダルト」

 チラシで気になってましたが、実際に観たのははじめて。

 冒頭の舞台上にスケベ椅子が並んでて、そこからしてバカな感じがよかったのですが、前半のうちは正直ついていけないところはありながら、ちょいちょい苦笑してたところ、最後の東京ラブストーリーを原発で働く人に置き換えたトレンディドラマパロディみたいなコントが面白くて、おかしくて、最高でした。

 出演者は毎回違ってるんでしょうけど、あまり観ないタイプの取り合わせのキャスティングのような気がしました。お笑い芸人ひとりにほかが俳優だったりすると違和感が生まれたりもするのですが、そういうのがなかったです。


 作・演出 細川徹
 皆川猿時 少路勇介 内田滋 今野浩喜 夙川アトム 大堀こういち
 9月18日夜
 赤坂RED/THEATER 
posted by 行き先不詳 at 19:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ヨーロッパ企画「ロベルトの操縦」

 舞台上に異様な存在感を放つ、乗り物らしきマシンが据え置かれていて、これがロベルト。招集がかかるのを待機している兵士たちがいて、それが軍事用らしいことがわかります。ただ、砂漠の駐屯地で、放ったらかしにされてる兵士たちは、キャッチボールとかしてて緊張感なく、招集なんて今日もないだろうと高を括っています。

 そんな彼らのユルいやり取りがヨーロッパ企画ならではで早速頬をゆるませてくれます。その中でも、永野宗典が演じるマジメで気の小さい男が、からかわれたりするのですが、とてもいいキャラではまり役なおかしさです。

 そして、意表を衝かれたのは、「あんなに優しかったゴーレム」みたいに動かすことができそうもない重量感のロベルトを、砂漠の先に自販機があるらしいとコーラを買いに操縦しだしちゃうところです。まさか、これが走るとは、です。結局、どういう使い道なのかがはっきりしない面もあるロベルトでしたが、大活躍です。

 登場人物の出入りの仕方が珍しいかなと思ったのですが展開が難しいのかなと想像します。後半になって、分隊長が同行するあたりから、面白さが多少失速した印象をもちました。


 作・演出 上田誠
 出演 石田剛太 酒井善史 角田貴志 諏訪雅 土佐和成 中川晴樹  永野宗典 西村直子 本多力 山脇唯 山本真由美 中山祐一朗
 9月17日昼
 本多劇場
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アル☆カンパニー「罪」

 先日同じく再演の「ゆすり」を観て、期待どおりに面白かったので、こちらも観たいと思ってました。

 両親と子ども2人の家族4人で温泉旅行に来ている旅館の一室。はじめのうちは、何てことのないリアルなひとときで、こっから何かドラマ生まれるのかなと疑いかねない、ふつうな時間です。それはそれで面白さはあるのですが、もちろんそんなわけもなく、長女が結婚しないと言ったことから引き起こされる家族の中で取り出されることのなかった思い、別々に封印してきて、なんとか乗り越えてきた思いが露になります。長男が知的障害か発達障害かと思われるのですが、彼をめぐる“罪”のありかを、決してふだん確認し合わないような深いところまで探っていくような作業です。

 出演者4人それぞれの真に迫ったところに最大に惹き付けられますが、私には長女役の占部房子がとりわけ生っぽく感じられました。

 アル☆カンパニーの次回の公演は来年、前田司郎の作・演出で予定されていて、ぜひとも行きたいと思ってます。

 作・演出 蓬莱竜太
 出演 平田満 占部房子 黒田大輔 井上加奈子 
 9月14日夜
 SPACE雑遊
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ポツドール「おしまいのとき」

 チラシを改めて眺めると“3年半ぶりの新作公演”とあって、そんなに経つのかと驚きました。「顔よ」が2008年の春のでした。

 今のところ2回観てまして、1回目はベンチシートの2列目、2回目は中央くらいの席から。セミドキュメンタリーというのとは別種の生々しさがあって、リアルさよりは物語として受け止めるような作りになっています。

 主人公はごくふつうの主婦ですが、冒頭に子どもが川で溺れて亡くなる事故が起こります。妻は茫然自失の態ですっかり生きる活力を失い、うつ状態です。そんなときに、クーラーの修理に来た男にレイプされるのですが、実は男のことを求めていたし、粗暴だったとはいえ男はそれに応えたのです。妻はそこに悦びを得て、その後も夫に隠れて家に呼ぶようになり、少しずつ活き活きとしてくるのです。

 ここで、子どもも喜んでくれてるという逆説的なねじ曲がった感覚を明らかにしています。こじつけといえばこじつけですが、立ち直るために不道徳な行為が必要だったとしたら、そこには何かしらの言い訳が成り立つのかなとか思ったりもさせられました。

 不倫相手の修理工には、妊娠中の同棲相手がいて、将来性はないなりに前向きに母親になろうとしています。一方で、男のほうはクスリをやってたり、仕事をサボって主婦との不倫にハマっていたりするわけです。仕事で組んでいる後輩からも、はじめは慕われているようでしたが、だんだんと愛想を尽かされるようにもなっています。


 修理に来た男にレイプなんてポルノにありそうな設定だなとか思いましたが、この作品では主人公のモノローグで心情が語られていて、手記を読んでいるようなスタイルになっているので、事件もの的な色合いを感じるところもありました。

 物語は、妻が男に執着を覚えるようになり、夫はどうやら隠し事をしていたりとかで、終盤にエラく壮絶な展開が用意されています。あぁ、確かにこれは終わった、と腑に落ちるくらいの結末で、しかし、それでいながら、やっぱりここからまだ人生は続いていくんだから、終わっていないんだなとも思わせるラストです。

 それから、隣人夫妻の空虚さが素晴らしく、夫の空々しく押し付けがましい善意が絶妙でした。


 脚本・演出 三浦大輔
 出演 篠原友希子 米村亮太朗 古澤裕介 松浦祐也 高木珠里 松澤匠 新田めぐみ
 ザ・スズナリ
posted by 行き先不詳 at 19:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月19日

青年団リンク 水素74%「謎の球体X」

 水素74%は名前も知らなかったんですが、MITAKA "Next" selectionという企画がもうブランドとなってるところがありますから、とりあえず気になったということと、公演名も含めてのクールなイメージもプラスに働いたといったところです。名前のイメージは、ちょっと誤解でしたが。

 “気違い”とか“白痴”といった単語が出てきますが、田舎町の家に住む夫婦がまともじゃないふたりです。妻のほうが極度のお人好しで、夫がキレやすい粗暴な人物。妻が包帯を頭に巻いていて、これがDV被害なのかが、なかなか見えてこないのがポイントです。この妻に、金を借りるため言いくるめようとしている元同級生も夫については忠告しますし、大家さんが妻のことを心配して世話を焼こうとしますが、妻自身は今の生活に不満がないと言っています。その後、妻の妹が同居するに至るのですが、妹は妹でまともじゃないし、大家の夫なんかは全くまともじゃない。

 ということで、全体的にまともじゃないです。このまともじゃない人たちのやり取りの緊張感や異様さ、そしてブラックボックス化した彼らの背景に惹き付けられます。そんな中でも本当のところはそれで満足に暮らしているかもしれない家庭の閉鎖性が描かれてるとも、周りからは異常に見えてもその実、充足していることの関係の不可解さを感じ取ることもできるのかなと思いました。

 それから、床下から現れる男の位置付けはよくわかりませんでした。逆に、もっと不条理な方向へ振れてもいいのかなという感想でした。


 作・演出 田川啓介
 出演 川隅奈保子 古屋隆太 村井まどか 菅原直樹 玉田真也 富田真喜 森岡望 由かほる
 9月10日昼
 三鷹市芸術文化センター 星のホール
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2011年09月18日

奥泉光『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』

 ユーモア・ミステリですが、そのユーモアを支えるのが文体そのものでして、電車の中で読むのは危険でした。かなりおかしかったです。

 主人公はかなり情けないダメな感じの大学教師で、最下流の大学から奇跡的にお呼びがかかって新しい大学に職を得たというところから物語ははじまります。この新しい大学で起こる謎に直面し、実際に解決へ導くのは、彼が顧問になった文芸部の女子大生たち。彼自身は本当に風采のあがらない人物です。しかし、決してイヤな奴ではない憎めなさです。というか、とても親近感の湧くキャラでして、シリーズの続行が期待されます。
posted by 行き先不詳 at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月11日

ミクニヤナイハラプロジェクト「前向き!タイモン」

 ミクニヤナイハラプロジェクトは今回がはじめて。最終日の夜に追加公演があるということで、足を運びました。

 かなりの猛スピードで駆け抜けるようなセリフ回し。正直、聞き取れない箇所もあるくらいで、それと振付が合わさって、とにかく何だかスゴいことになってました。ついていくのに必死になりながら観てましたが、集中力をかなり必要とするのは間違いないです。もっと振付が前面に出てくるのかとも想像してたんですが、それよりは動きやセリフの熱量がスゴかったです。ほかの作品も観てみたいと思いました。


 作・演出・振付 矢内原美邦
 出演 笠木泉 鈴木将一朗 山本圭祐
 9月4日夜
 こまばアゴラ劇場
posted by 行き先不詳 at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ロロ「夏も」

 ロロは3回目(「20年安泰。」を入れると4回目)ですが、個人的には今回が一番面白かったです。前半がとくに。思春期の男子と女子のとてもバカなところがおかしかったです。後半になって、内面と外見の入れ替わったり、増殖したりする展開は、それはそれで面白いので、もっとシンプルに観たかった気もしました。


 脚本・演出 三浦直之
 出演 亀島一徳 望月綾乃 篠崎大悟 板橋駿谷 島田桃子 呉城久美 小橋れな
 9月4日昼
 SNAC
posted by 行き先不詳 at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

表参道ベースメントシアター「HELLO!」

 表参道ベースメントシアターが何なのかは今もってよくわかっていませんが、少なくとも今回は劇団競泳水着の上野友之を迎えてのコラボ企画なんだなというだけの認識でした。それで、劇団競泳水着とトープレというふうにそれなりに追って観てるので、どんなもんかなと興味をもったわけです。

 それで、私の誤解もあるかもしれませんが、主演のふたりがアイドル性のあるキャストで、周りに小劇場の若手の俳優を揃えたというふうに、劇場に入ってから知って、とても嫌な予感を覚えました。

 それでも、観てみると結構面白かったです。挫折という一語で括っていいのかわかりませんが、そこから再出発をしようという人たちの準備期間を群像劇に仕立てた感じの話でした。出演者の中では、個人的には武子太郎が最大の発見なくらい、いいキャラを演じていました。


 脚本・演出 上野友之
 出演 白又敦 三宅ひとみ 大川翔子 黒木絵美花 ザンヨウコ 武子太郎
 9月3日夜
 表参道GROUND
posted by 行き先不詳 at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「身毒丸」

 身毒丸は、主演が藤原竜也と白石加代子のを1回観ただけですが、あのふたりのイメージはやはり強烈なものがあります。今回はキャストが入れ替わった(矢野聖人と大竹しのぶ)ということと、台本自体もちょっと違うようで、そのあたりが見所かと思います。ただ、私自身は前回観てもよくわからないところがあったということが大きかったです。それでも、大竹しのぶでなければ、やっぱりそれほど惹かれなかったとは思います。

 前回よりも理解した手応えはあるのですが、もしかしたらキャストの違いも含めて世界観が今回のほうが受け入れ易かったのかなという気もしています。藤原竜也と白石加代子によって作り上げられる異様さが作品には合っているのだとも思いつつ。


 作 寺山修司/岸田理生
 演出 蜷川幸雄
 主なキャスト 大竹しのぶ 矢野聖人 六平直政 蘭妖子 石井愃一
 9月3日の昼
 天王洲 銀河劇場
posted by 行き先不詳 at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月04日

「インシディアス」

 監督と脚本が「ソウ」の人で、製作が「パラノーマル・アクティビティ」の人という組み合わせという謳い文句のホラー映画。

 はじめのうちは、パラノーマル・アクティビティのように引っ越した家で異変が起きるというもの。ところが、本作では途中から完全に、その異変の主が姿を見せ始めます。見えそうで見えないとかではなく、はっきりと登場します。そして、全体に仰々しい音やショック演出で、びっくりさせる方向の作品です。私はこれを怖いとは思わないので、好みではないのですが、あまりに終盤が賑やかなのには、笑えるところさえあるのも含めて、よかったです。

 夫(父親)が頼れる男なのかというのは、かなりぐらぐら揺れて、冒頭のいびきのシーンからも、ただの円満夫婦ではないんだろうと思いましたが、一貫性がないくらいに変化があります。最後へ至る流れの一環として捉えるべきなのか、よくわかりませんけど。
posted by 行き先不詳 at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする