2011年12月31日

映画・DVD 10月26日〜12月29日

 ということで、更新の停滞をリセットするために、一言程度を書いてお茶を濁すことにしました。

 「アンダーグラウンド」
 デジタルリマスター版をシアターN渋谷で上映中。そう、延長につぐ延長で、現時点でまだ上映中です。スゴい人気ですね。


 「スマグラー おまえの未来を運べ」
 真鍋昌平のマンガを映画化した石井克人監督作。“おまえの未来を運べ”って、拷問シーンを観てる途中、「なんで、この副題?」ってツッコミ入れたくなるエグさでした。ただ、残虐描写はスーパースローとか間接的に見せる手法が多く、そこまで見てられない感はなかったです。もっとスピーディなアクションも観たかった。高嶋政宏や安藤政信のキャラが濃く、深夜ドラマで観たいくらいに思いました。それから、妻夫木聡は本当にダメ〜な若者になっててよかった。


 「ステキな金縛り」
 三谷幸喜監督作。劇場内は笑いがよく起こってて雰囲気がよかったです。本筋じゃないんですけど、あれって本当に有罪になりそうだったのかが、根本的な疑問でした。中井貴一の犬との戯れが一番笑ったところ。


 「切腹」
 小林正樹監督の名作で、リメイクの「一命」の公開を機にチェックしたら、あまりにスゴかったという一作。これは本当に衝撃的に面白かったです。


 「ミッション:8ミニッツ」
 ダンカン・ジョーンズ監督作。死者の神経細胞に残る最後の8分間の記憶に潜り込むという作戦が列車爆破事件の捜査に利用される話です。設定が納得できてないのですが、面白いアイディアだとは思います。ラストがよかった。


 「恋の罪」
 園子温の最新作。エログロという言葉を使うと、安っぽくなってしまうので、違うかなと思うくらいに、濃厚です。なんていう世界を作ってしまうんだという驚異とともにインパクトにやられて前半は惹き込まれます。グロテスクな殺人現場と遺体の描写、肉体としての圧倒的な存在感たる裸、ふつうじゃないキャラクターを登場させながら、人妻が堕落と裏腹に解放されていく姿をねじ伏せるような説得力で描いています。出てくる描写がスゴいからか、後半は観てるのも疲れます。上映終了後、日曜昼のシネコンのホールに出たときに、間違った場所に紛れ込んだ気分になりました。


 「コンテイジョン」
  スティーヴン・ソダーバーグ監督作で、豪華キャストによるリアルな感染症パニック映画。ドラマティックな盛り上がりとか、そこで活躍するヒーロー的存在とかはありませんが、そここそが美点です。

 感染力が強く、発症すると短期間で死に至るのですが、潜伏期間が短いため、発見が早かったとも言えるでしょう。本作では、“2日目”からスタートし、最初に発症した女性が海外から帰国し、数日中に死亡してしまいます。彼女を起点として接触感染していって、世界中に増殖していくのです。そして、社会不安が広がり、暴動や強盗などが起こっていく状況がリアルに描かれます。

 ただ、爆発的な感染が頂点に達するあたりから、数字でどれだけの人が死亡したかというふうにしか語られないのが、もう一工夫ないものかなと思ったところです。後半になって、ある重要人物の死があるのもその一つでしょうけど、何にしても現実社会でも同じ傾向があるなぁとは思いました。

 この起伏の少なさを物足りなく感じる人も少なくないでしょうが、私はもっと地味でドライでリアルに徹してもいいのでは、というくらいに思ってます。ありがちなパニック映画だったら、絵空事としてしか、楽しめなかったでしょう。


 「THE LAST MESSAGE 海猿」
 シリーズをずっと追ってるわりに、本作はしばらく距離を置いていたんですが、登場人物にそれなりに思い入れがあるわけで、やはりかなりのアドバンテージがある状態です。

 巨大石油プラントの事故に台風直撃という中、プラントに置き去り同然となった3人の一般人(うちひとりがプラントの設計者)と仙崎(伊藤英之)のほか、三浦翔平演じるまだ2年目の隊員。この人が、熱意があって海保になったわけではないと吐露するように、とても弱気。あんまり説得力がないキャラなので、成長されてもグッと来なかったです。そのほかも類型的に過ぎる嫌いがあるかなと。ただ、パターンに入るとエモーショナルに訴える力が強く、シリーズの強みもあるでしょうけど、涙腺が刺激されます。


 「フェア・ゲーム」
 イラク戦争へと向かうアメリカを舞台にしていて、実話を元にしているようです。

 CIAのエージェントである妻と元大使の夫が物語の中心で、ナオミ・ワッツとショーン・ペンが演じています。夫のジョーはCIAからの依頼による派遣でアフリカのニジェールを調査し、妻のヴァレリーは工作員として諜報活動をしていました。ふたりに限らず、情報収集をする中で、イラクが核兵器の開発をしているといった事実は認められないにも関わらず、政府は事実をねじ曲げて発表して戦争へと傾斜していく様子が描かれますが、そこで夫のジョーがそこに水を差すように事実をもって反論するメッセージを新聞に発表したことで、思わぬ政府からの卑劣な逆襲を食らうという展開です。

 物語の見せ方が、もたつかず、かつ、抑制が効いてて、無理に盛り上げるところがないため、もっとカタルシスをもたらすような展開やラストにもできそうなのにという気もしましたが、たいへん感情を揺り動かされるのも確かです。憤りのようなものではあるのですが、それよりも、ここに身を置いていれば、当然のように彼らを疑いの目でみるだろうし、後から、自分たちは間違っていたと認めたところで、取り返しのつかないことはたくさんあるんだよなとは振り返ってみて思うところです。

 ここに教訓を得るべきだということで結論にしたくもないのですが、そこに意識が向かいます。でも、映画では夫婦のすれ違いや衝突、尊敬、信頼、絆が描かれてるとも言えそうです。


 「くもりときどきミートボール」
 劇場公開時は3Dアニメとして上映されてたようですが、自宅の小さなテレビでの視聴で、もちろん2Dです。発明品が町を盛り上げ、その後、とんでもない騒動に巻き込む話ですが、その発明が水を食べ物に変換するという装置で、空から食べ物が降ってくるという絵柄が楽しい。


 「カンフー・パンダ」
 今年、続編が公開されましたが、そっちは行かずに終わり、前作だけでもとDVDを観ました。面白かったですが、せっかくパンダを選んだわりに、あんまり可愛くないという印象を得てます。


 「ラビット・ホール」
 ジョン・キャメロン・ミッチェル監督作。ニコール・キッドマンとアーロン・エッカートが事故で子どもを亡くした夫婦を演じてます。深刻な状況があるのですが、シリアス一辺倒でもないし、衝突するばかりでもないところがいいです。ただ、加害者青年との交流の部分があって、独特な作品にしてます。ここが正直、分かってません。


 「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」
 1と2は観てるんですが、3はたしか観てなくて、ただ、それでも予告だけでも面白そうだったので。観るんならスクリーンでこそ。


 「永遠の僕たち」
 ガス・ヴァン・サント監督作。ガンで余命短い少女と少年とのラブストーリー。少年は臨死体験後、神風特攻隊の幽霊が見えるようになっていて、これを加瀬亮が演じています。ほかの人には見えないというだけで、ごくふつうに横にいたりします。そこがちょっと変わってますが、瑞々しい青春映画といったところで、難病ものにありそうな悲壮感もあまりないです。


 「リアル・スティール」
 これは面白いです。息子を一時的に引き取ることになった、ガサツでダメな父親の再生と親子の絆が築かれていく過程が描かれますが、そこに無理がない形でロボット・ボクシングという近未来で普及している設定の競技が出てきます。とてもアガります。
posted by 行き先不詳 at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブログ更新の停滞

 ブログの更新が全然できず、追いつくのはもう諦めてまして、年が改まるのをきっかけにしてごまかしたいと思ってる次第です。

 停滞については、主な理由はふたつありまして、観劇が多くなったことと、Twitterを試しに始めたことです。

 舞台については、当ブログを始めたころはそれほどの頻度でもなかったのに、だんだんと増えていって、今年の後半なんかは、かなり足を運んできている状況でして、全部を書いていくのは、軽く済ませるにしても結構負担になってしまってます。

 それと、Twitterについては夏頃からお試し程度でちょこちょこやってたら、まだ続いてる状況です。ブログとネタがかぶる部分があるのですが(スタンスがちょっと違うんですけど)、即時性が強いTwitterを優先しがちで、ブログに向かうモチベーションが落ちたような気がします。今もって、使い分けとかに迷ってるところです。
posted by 行き先不詳 at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 埋め草 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月04日

FUKAIPRODUCE羽衣「甘え子ちゃん太郎」

 FUKAIPRODUCE羽衣は昨年の「愛死に」以来2回目ですが、前回も戸惑いながらの観劇だったと記憶しています。

 どうも波長が合わないということか、今回も入り込めずに引いて観てたまま終了してしまった感じです。舞台装置が2階建てになっていて、1階部分では、カエル然とした人間たちの歌なんかがあって、2階部分ではラブホテルに入った男女の風景が出てきます。妙ジカル(?)とか言うくらいで、歌の内容も歌い方も本式のミュージカルとはまるで違っているのですが、それで笑えるということもないので、どういうスタンスで聞けばいいのかなぁと思いました。

 作・演出 糸井幸之介
 出演 深井順子 鯉和鮎美 高橋義和 寺門敦子 澤田慎司 伊藤昌子 キムユス 加藤律 岡本陽介 岩田浩 宮川和巳 高野ゆらこ 夏目慎也
 10月25日夜
 アトリエフォンテーヌ
posted by 行き先不詳 at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「イロアセル」

 10月23日の昼に観ましたが、このときは痛恨のミスをしてて、開演時間ギリギリに劇場に到着したら、時間ちょうどにちゃんと開演して、数分の間、入場制限に掛かっちゃったという失態がありました。これは本当に失敗でした。

 本作は新国立劇場の「【美×劇】滅びゆくものに託した美意識」というシリーズのひとつで、唯一の現代作家による新作ということでした。結果的にこれしか観てないんですが、本作だけは観たのも倉持裕だからというのが決め手でした。


 考えてることが色でバレちゃう島の人々という設定で、外部から送られてきた囚人によってその島が揺さぶられていく過程を描く寓話的な物語でした。

 冒頭をちゃんと観られなかったことがどの程度影響したか不明ですが、物語の問題なのか演出の問題なのか、あんまり面白味を感じなかったのが正直なところです。


 作 倉持裕
 演出 鵜山仁
 出演 藤井隆 木下浩之 小嶋尚樹 松角洋平 花王おさむ ベンガル 島田歌穂 加藤貴子 高尾祥子 剣幸 
 新国立劇場 小劇場
posted by 行き先不詳 at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月03日

ナカゴー「ダッチプロセス」

 10月22日の昼に観ました。
 ナカゴーはこれがはじめてでしたので、これがいつものテイストなのかは分かりませんが、ちょっとリスキーな内容だなと思いました。

 舞台上にある巨大ハンバーガーのぬいぐるみが店長の変身したものだという出オチ的な勘違い場面でスタートし、異次元から悪いハンバーガーが襲撃してくるというバカな展開。テンションが高くて、バカバカしさが笑える箇所が随所にありますが、本物のハンバーガーをぐちゃぐちゃにするのはさすがに嫌悪感が出てきました。舞台上に散乱するハンバーガーの残骸が踏まれるのもノイズになりましたし。それから、後半の展開がくどく感じたかなと。

 作・演出 鎌田順也
 出演 日野早希子 高畑遊 鈴木潤子 篠原正明 加瀬澤拓未 中澤功 今村圭佑 林生弥 川上友里 墨井鯨子 飯田こうこ
 王子小劇場
posted by 行き先不詳 at 12:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

風琴工房「Archives of Leviathan」

 10月20日の夜に観ました。
 これはかなり面白くて、公演期間がもっと長かったら、もう1回観に行ってたと思います。

 明示はされなくても、はじまってすぐに青色発光ダイオードの研究開発について語られていることがわかる作りです。これを開発する男が天才型の才能と振る舞いをするので、会社では扱いきれないところがあり、会社内の衝突や軋轢、同僚との不和などが引き起こされます。

 圧倒的な存在としての訴求力があるのと、社内の人物のキャラクターがよく、なおかつ俳優陣の好演もあって、とても惹き付けられました。ただ、訴訟に至る経緯が見えないので、多少の煮え切らなさのような引っかかりを残しました。それから、演出と美術が思い切っていて、ちょっとやり過ぎに思う部分がなくもなかったのですが、素晴らしかったです。


 作・演出 詩森ろば
 出演 東谷英人 岡本篤 金成均 酒巻誉洋 佐野功 園田裕樹 多根周作 寺井義貴 根津茂尚
 ザ・スズナリ
posted by 行き先不詳 at 12:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

津村記久子『まともな家の子供はいない』

 中学3年生の思春期の女の子の、日々の苛立たしさが描かれてる印象です。2篇収録されていて、ふたつ目の「サバイブ」は、表題作の脇役からの視点に切り替わり、個人的にはこっちのほうが面白かったし、「まともな家の子供はいない」というタイトルもこっちのほうがふさわしくも感じました。
posted by 行き先不詳 at 12:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

遊園地再生事業団「トータルリビング1986ー2011」

 2回観に行きました(10月16日昼と22日夜)。抽象的に感じる部分もあって小難しく感じたところもあったので。でも、全く退屈させないということもあって。

 1986年を空疎で幸福な時代として選び、岡田有希子の自殺とチェルノブイリの原発事故が起こったことが並行して語られ、2011年に起きていることの意識を促しています。震災を受けて、いかに語るか、いかに対象と向き合うかということを考えた結実としての作品だという印象でした。あと、ビンゴの場面は面白くて好みです。


 作・演出 宮沢章夫
 出演 上村聡 牛尾千聖 大場みなみ 上村梓 今野裕一郎 時田光洋 野々山貴之 橋本和加子 矢沢誠 永井秀樹
 にしすがも創造舎
posted by 行き先不詳 at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マームとジプシー「Kと真夜中のほとりで」

 更新の遅れが甚だしいのですが、観に行ったのは10月15日夜の公演でした。

 「28年安泰。」がお初で、前回の公演はチケットが購入できずに終わり、今回は早めに入手しておきました。

 ちゃんと分かってないという部分も多少はあるんですけど、とにかく面白かったですし、気持ちよくなって観てました。とくに前半は、右脳を使って楽しんだかんじ。だんだんと背景が徐々に小出しに明らかにされていきますが、後半になって見えてくるもののサイズからするともう少し上演時間が短いほうがよりふさわしく思えました。

 それから、音楽でセリフが聞き取りにくいところがありましたが、リフレインが多いので、多少聞き逃しても大丈夫だったりもした反面、集中が途切れそうになることでもあったかなと。

 作・演出 藤田貴大
 出演 伊野香織 大石将弘 大島怜也 荻原綾 尾野島慎太朗 川崎ゆり子 斎藤章子 坂口真由美 高橋ゆうこ 高山玲子 成田亜佑美 波佐谷聡 萬洲通擴 召田実子 吉田聡子
 こまばアゴラ劇場
posted by 行き先不詳 at 11:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする