2012年02月13日

「十一ぴきのネコ」

 「井上ひさし生誕77 フェスティバル2012」という企画の第1弾となる公演で、長塚圭史の演出です。

 ほとんど予備知識のない私からすると、意外な組み合わせの作品で、どんなものになるのか想像がつきませんでした。

 馬場のぼるの絵本「11ぴきのねこ」が原作で、井上ひさしが戯曲化したということが、まずどういうものなのか想像がつかず。それから、ここんところの長塚圭史となると、いったいどういう演出になるのかと思ったり。さらに、キャストが小劇場などではおなじみの顔も多かったりで、この作品にマッチするんだろうかという意外性です。

 で、これが全くの杞憂というか、とにかく楽しくて楽しくて素晴らしかったです。歌もどれも強く記憶に残りましたし、出演者らの汗びっしょりになっての躍動感ある演技が幸せな時間でした。


 出演 北村有起哉 中村まこと 市川しんぺー 粟根まこと 蟹江一平 福田転球 大堀こういち 木村靖司 辰巳智秋 田鍋謙一郎 山内圭哉 勝部演之
 1月26日夜
 紀伊國屋サザンシアター
posted by 行き先不詳 at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

テアトル・ド・アナール「ヌード・マウス」

 脳科学ネタをもちこんだ家族劇。刺激的で緊張感があり、面白かったです。未来の設定ですが、構成においても時間を行ったり来たりしながら進行していくことで、謎めいた物語への没入を促します。また、感情の起伏に違和感をもたらすところも、謎として機能しているように感じました。

 俳優の演技とその振れ幅が見所かなと思いましたし、途中のエロティシズムは予想外でした。


 作・演出 谷賢一 
 出演 増田俊樹 佐藤みゆき 大原研二 山本亨
 1月25日夜
 赤坂RED/THEATER
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2012年02月06日

ハイバイ「ある女」

 不倫から売春へと転落する女性の話と言えますが、そこまで悲惨なふうには見えませんでした。主人公の女性を男性が女装しているというハイバイらしい演出ですが、そこにはどうしてもおかしみが生じます。定食屋の親子が終盤になって、そう来たかとハッとしたら、そこも外されました。

 劇団員によるアフタートークがありましたが、ふだんの人柄とか関係性とかも見えてくるようで、面白かったです。

 作・演出 岩井秀人
 出演 菅原永二 上田遥 坂口辰平 永井若葉 平原テツ 吉田亮 小河原康二 猪股俊明
 1月25日昼
 こまばアゴラ劇場
posted by 行き先不詳 at 20:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

バジリコFバジオ「愛と平和。」

 バジリコFバジオは今回がはじめて。
 人形による前説がずいぶん面白くて、期待値の上昇が過ぎたようです。途中、もっとシンプルにすればいいのにとか思ってましたが、着地点としては、なるほどと納得するところではありました。
 「キック・アス」とか「スーパー!」に触発された、という言葉が妙な先入観をもってしまったかなとも思います。

 作・演出 佐々木充郭
 1月22日夜
 駅前劇場
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五反田団「びんぼう君」

 初期の作品の再演だとのことですが、かなり笑いました。しーんと張り詰めたといって差し支えないような間があって、そのあとに来るズレてたり間の抜けたセリフがおかしいです。貧しい生活ぶりの父子家庭ですが、父親の突っ走りぶりが子どもと同程度で、何かの書き仕事をしてるのみ。あの父親じゃあ養育能力ないだろって普通に思うところです。おそらく、母親のほうに引き取られるけれど、息子としては父親も好きなんだろうなあとは、直接的な表現はないですが感じます。

 作・演出 前田司郎
 出演 大山雄史 黒田大輔 端田新菜
 1月22日昼
 アトリエヘリコプター
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「マンマ・ミーア!」

 ABBAの楽曲で構成しているミュージカルの映画化作品で、2009年に日本公開でした。人に薦められたのを機に観ました。

 結婚を控えたソフィ(アマンダ・セイフライド)は、母親(メリル・ストリープ)が書いていた日記から、父親の可能性が窺える候補である男3人を秘かに式に招待して会おうとするが…、というストーリー。

 このそもそもの設定で、母親が自分を妊娠した当時の日記で3人の男と関係をもっていたことを知ったわりに屈託がないところに驚きを感じます。国民性の違いなんでしょうか。教会での気まずくなりそうなところの切り抜け方が意外な着地でした。

 出演者らが楽しんでる雰囲気に見えるのがよかったです。舞台で観ても楽しいだろうなあと想像しましたが、歌ってるシーンで、よりフィクションらしさを発揮するところこそ、映像の魅力かなと思いました。歌詞については、多少はいじっているのかも知らないで見てましたが、曲の当てはめ方は見所ですね。

 監督 フィリダ・ロイド
posted by 行き先不詳 at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブラジル「イエスタデイ」

 “苦笑系ホームコメディ”というよりは、もっとふつうに笑えました。
 ある日、偶然にも同じ日に実家に戻ってきた三姉妹。仕事がうまくいかなかった長女、離婚した次女、ワケありな三女。母親は亡くなっていて、父親が一人暮らしをしているはずでしたが、そこには家政婦とその兄が住み込みで共同生活をしていました。さらに、この家に関わるいろんな、いろんな人たち。後半、ドタバタな大立ち回りが繰り広げられる意外な展開も待っています。

 とくに冒頭なんかは、奇妙な行動や設定が出てくるのですが、それらがうまく収まったり、伏線となっていたりすることに感心してしまいます。とくに自転車の件とか。これだけの出演者を登場させて、基本的にはホームコメディとして成立させているのもスゴいです。カーテンコールでこんなにいたんだよなぁと改めて思ったところです。

 それから、やはり舞台装置は印象に残るところで、岡田家の居間の手前に町の道路と見立てた通路をかなり低い段差をつけて配置していて、この2ヶ所を交互に使いながら進行するのですが…、といったところでした。


 脚本・演出 ブラジリィー・アン・山田
 出演 桑原裕子 柿丸美智恵 肘井美佳 原金太郎 近藤美月 櫻井智也 西山聡 三科喜代 中澤功 中川智明 橋本三雪 諫山幸治 宮島朋宏 友松栄
 1月18日夜
 座・高円寺1 
posted by 行き先不詳 at 20:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ぬいぐるみハンター「軽快にポンポコと君は」

 ぬいぐるみハンターは今回がほぼはじめて。「15Minutes Made」で短篇を観たのですが、そちらはもうあんまり印象すら覚えてないです。

 ポンポコという狸とも人ともつかない生き物の一家の話です。なんか入り込めないかという不安もありましたが、全然楽しかったです。

 大枠としては、他者との共生を人間社会の外側から見てて、そのダメさを直接描かずに戯画化している、といった内容でしょうか。しかも、ポンポコ内でも、やっぱり仲間割れという宿命です。また、身分違いの恋や一族の秘密などもあったりで。

 作・演出 池亀三太
 出演 神戸アキコ 浅利ねこ 石黒淳士 浅見臣樹 本山歩 森崎健吾 山口航太 本井博之 なすび
 1月15日昼
 OFF OFFシアター
posted by 行き先不詳 at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ロボジー」

 矢口史靖監督の最新作。かなりバカバカしくて笑いました。客席の雰囲気も結構ウケてたような気がします。

 家電メーカーでロボットが専門じゃないのに、社長からのトップダウンで参加することになったロボット博。ところが制作中のロボットが壊れて、中に人を入れて出品したら、大評判になってしまって…、という騒動を描いたコメディです。

 基本的には、メーカーの担当者3人組の意に反して事が大きくなってしまって、困ったり、調子に乗ったり、というおかしさです。ウソを見破ろうという立場の人もなかなか登場しなくて、ハラハラするという展開はほとんどないです。元々脆弱な計画ですから、あくまでユルさも含めて楽しむ作品かなと。ストーリーの起伏という点では、後半は物足りなく思う部分もありますが、後味は悪くなかったです。

 ロボットの中に入るのが、五十嵐信次郎=ミッキー・カーチスで、老人ネタが満載。哀愁まではいかないまでも、高齢者の生きがいみたいなところはかなり中心にはある感じです。

 それから吉高由里子が、ロボットオタクの女子大生で、エキセントリックでテンション高めで、かといってイヤな感じがしなくて、こういう役はハマります。
posted by 行き先不詳 at 19:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「マイウェイ 12,000キロの真実」

 オダギリジョーとチャン・ドンゴンが主演の戦争映画。監督が「ブラザーフッド」などのカン・ジェギュということからも期待されるように、戦闘中の映像の迫力と臨場感はスゴいです。しかも、「ブラザーフッド」の時には、「プライベート・ライアン」の最初の30分を全篇にしたみたい、とか思ったりもしましたが、本作ではノルマディー上陸をドイツ側から描くことになってます。

 ただ、実話を元にしているということらしいんですけど、ちょっと信じられないくらいのストーリー展開です。主演のふたりはマラソンのライバル関係でしたが、後に日本軍の上官と兵士という関係になり、捕虜としてソ連に収容され、その後、ドイツへ。オダギリジョー演じる長谷川辰雄は、皇軍としての誇りをもつと同時に戦争の狂気も体現する男でしたが、変転を繰り返す中で、戦争や国の違いを超越する視点を得ることで、その呪縛から解かれていきます。そして、一時は決定的に対立関係にあったふたりに深い友情が築かれる、ということになるのです。

 主演ふたり以外では、日本人側では山本太郎、朝鮮人側では、チョンデを演じてたキム・イングォンが、印象的でした。
posted by 行き先不詳 at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ヒミズ」

 打ちのめされた、って言葉で片付けようかと思うくらい圧倒的です。鑑賞中、映画を観てることの幸福感に満たされてました。とりわけ、二階堂ふみの茶沢さんの溌剌とした生命力が、原作以上に共感できて、魅力的でした。主演ふたりの輝きが素晴らしいです。

 監督 園子温
posted by 行き先不詳 at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ニューイヤーズ・イブ」

 ニューヨークの大晦日、8組のカップルの物語。俳優の顔ぶれは豪華です。ゲイリー・マーシャル監督の前作「バレンタインデー」が同じような路線のようですが、そちらは観てません。

 心残りの清算、新たな出会い、心機一転の第一歩など、登場人物たちのそれぞれの年越しに当たるエピソードが描かれます。8組あるため、深く突っ込んだ物語とはなっていませんし、予想外の展開が待っているわけではないですが、楽しく浸ることのできる作品となっているのではないかと思います。

 ただ、私にとっては、全体に覆う幸福な気分に、それほど乗れないかなというが正直なところでした。ボール・ドロップについては、あんなに苦労しているわりに、どうしてニューヨーク市民があんなに熱狂しているのか理解できなかったです。それほどのモノとも見えなくて。

 それから、日米の文化の違いを踏まえて観られたほうが楽しめるのかなと思います。
posted by 行き先不詳 at 18:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「哀しき獣」

 またしても、更新が遅れましたが、「チェイサー」のナ・ホンジン監督の長篇第2作ということで、シネマート新宿でメンズデーの月曜に2週連続(1/9と1/16)で観に行きました。

 中国の北朝鮮国境付近の朝鮮自治州に住む朝鮮族のタクシー運転手が主人公で、韓国に出稼ぎに出ている妻からの連絡が途絶えたことと、借金の清算のため、韓国へ密入国して請け負い殺人を行う仕事を与えられます。実際に渡航して、殺害計画を練りながら、妻の居所を探すのですが、そのどちらもうまい具合に行かず、追われる身となってしまうのです。

 まず、主人公が窮地に陥った瞬間の逃亡シーンのアドレナリンの放出ぶりが半端ないです。最初に観たときのアガりっぷりは、昨今なかった興奮でした。

 それから、主人公にこの仕事を紹介した朝鮮族のミョン社長という人物が顔役的な男なのですが、若干愛嬌があるくらいのキャラクターに反して、躊躇のない殺人マシンに変貌します。それも、鋭利な刃物ではなくて、鈍器で暴れまくるタイプといったらいいか。この豪傑ぶりはスピンオフが観たいくらいに魅力的なキャラクターでありました。
posted by 行き先不詳 at 18:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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