2013年03月03日

朝井リョウ『何者』

 素晴らしいです。直木賞を獲っても獲らなくてもオススメです。まあ、獲ったわけですけども。

 就職活動が題材になってはいますが、それ以上にその渦中にいる主人公らの自意識に焦点が当てられていて、生き方や他人との関わり方の問題にあがく姿を生々しく描いています。そこに就活だったりTwitterだったりが使われているのかなと思います。とても面白いですが、シビアで楽しい読み心地ではないです。
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2013年03月02日

東京デスロック「東京ノート」

 前売が売り切れたので、迷いながら機会を窺っていたところでの、千秋楽に当日券での観劇でした。体験できてまずはよかったです。ほかの回と違うかもしれませんが、かなりぎっしりと観客が入ってました。

 青年団の「東京ノート」は昨年、ようやくはじめて観たのですが、それはそれで東京都美術館の講堂前のロビーという、観劇体験としては印象深いところでした。

 劇場に上がる前に靴を脱いで入り、舞台と客席に別れておらず、好きなところにめいめい座って観るというスタイル。そこに、俳優が観客の横を触れ合う距離を歩きながら芝居をしていきます。その間、観客は自由に移動していいということで、好きなように好きなところを観ているということになっていました。

 本当の意味で、観客も作品の一部になっていて、観客が上演中に移動することで、その場にいる客のひとりに一瞬、なってしまう面がありました。この効果は、東京ノートだからこそ活かされるのかなと思ったところです。昨年の美術館前でも、開演直前に来た客と、俳優との区別のつきにくさが、ちょっと珍しい効果を生むなとは思ったので、それを上演中ずっと起こりうる状態にしたように感じたのです。

 といっても、その効果はわたしが勝手に感じたことで、意図的ではないかもしれません。それから、この効果は現代口語演劇的なリアルさを指向しているわけでもないでしょうし。

 ただ、なんにしても、観客の密度や個々の動きが、芝居そのものと相互作用し、演劇がそこで立ち上がるような場になっていると思いました。

 作/平田オリザ
 演出/多田淳之介
 出演 秋山建一 坂本絢 松田弘子 夏目慎也 大川潤子 石橋亜希子 宇井晴雄 長野海 間野律子 永栄正顕 波佐谷聡 内田淳子 大庭裕介 佐山和泉 佐藤誠 高橋智子 山本雅幸 李そじん 田中美希恵 成田亜佑美
 1月20日昼 
 こまばアゴラ劇場
posted by 行き先不詳 at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする