2014年08月31日

ままごと「わたしの星」

 出演者は全員オーディションで選んだ現役高校生。また、スタッフの一部にも高校生が入っているということで、私の観た回では、柴幸男と高校生スタッフを交えてのアフタートークがありました。

 部活を舞台にした青春ドラマな話になっていて、設定としては、ほとんどの人類が火星に移住していて、今は個別の理由なり事情があって地球に残っている少数の高校生というもので、「わが星」っぽい「わたしの星」という芝居を上演するべく稽古をしようとしています。

 高校生たちが、わいわい賑やかで、高校生らがはしゃいだ感じがそのまま出てるのが楽しくて、それでいて、そのうちみんなそれぞれの生き方をして別れていくことの予感を見せて、寂しさや切なさを喚起します。

 どうしても、こういう企画の意義を重視したくなるところもあって、本当に素晴らしいと思うのですが、教育的なところとは別に演劇としての可能性を探っているところでの活動という点でも、意義深いと感じるところでした。

作・演出 柴幸男
出演 坂本彩音 札内茜梨 吉田圭織 山田奈々緒 吉田恵 佐藤まい 西片愛夏 西田心 吉永夏帆 生駒元輝
8月24日昼 三鷹市芸術文化センター 星のホール
posted by 行き先不詳 at 17:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

KOKAMI@network.vol.13「朝日のような夕日をつれて2014」

 1997年以来の上演ということです。私はそこで辛うじて観ることができたのですが、その時は、いろいろと分からないところもありながら、カッコよくて笑えて面白くてってというような輝きをもったイメージが残っているところです。

 今回の公演は、2014年版としてアップデートされていて、時代批評としての語り口とか今を移した笑いが入っています。ところが、批評のストレートさなのか、入り込めないところがありまして、鴻上尚史作品に対して個人的にそういう距離感を覚えることが多くなってしまったというのが、本作にも生じたようです。それに、笑いについては、テンションになじめず一歩引いてしまってからは、劇場内の受け方に反比例するくらいの勢いで醒めてしまいました。

 ということで、特に前半で乗り切れずに置いてかれた観客としての観劇となりました。残念です。

作・演出 鴻上尚史
出演 大高洋夫 小須田康人 藤井隆 伊礼彼方 玉置玲央
8月23日夜 紀伊國屋ホール
posted by 行き先不詳 at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「ヴァロットン展 冷たい炎の画家」三菱一号館美術館

 日本初の回顧展だそうですが、もっと人気が出てもおかしくないという感想をもちました。油彩では、全体に謎めいた印象を与えるところとか、背景の物語なんかを想像させるところ、また、ちょっとベール越しに見ているような距離感を覚えるところがあります。それから、木版画も多く展示されていますが、浮世絵にも影響を受けているそうで、デザインが洗練されていて油彩とはまた違った世界観でもあり、こちらも魅力的でした。
posted by 行き先不詳 at 16:51| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより」東京国立近代美術館

 ヤゲオ財団コレクションってはじめて知りましたが、台湾のヤゲオ・コーポレーションのCEOであるピーター・チェンによるコレクションといっていいようで、彼の自宅や別荘、オフィスに作品を展示してアートに囲まれながら生活する環境を作っているということです。

 そんなコレクションを紹介する展覧会ですが、ウォーホルやフランシス・ベーコン、アンドレアス・グルスキーなどの欧米の現代アートだけでなく、中国の現代アートも多くあるところが一味違うところです。それと、今回の展覧会のコンセプトとして作品の経済的な価値を意識するというアプローチも取り入れた企画となっていました。

 その経済的アプローチは、もっと迫ってもよかったように思ったくらい、あんまり印象に残っていないのですが、洋の東西を問わない現代アートで、知らない作家も多かったということで行っておいてよかったです。
posted by 行き先不詳 at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月30日

原田マハ『楽園のカンヴァス』

 山本周五郎賞受賞作とありますが、直木賞候補になったことの記憶が強くて、受賞してないんだっけ?って一瞬思ったくらいです(辻村深月『鍵のない夢を見る』が受賞した回)。それと本屋大賞は百田尚樹『海賊とよばれた男』、横山秀夫『64』に次いで第3位になってて、こちらも何となく本屋大賞向きなのかなとか勝手に思ってたところがありました。とにかく、よく話題になってたよなってイメージをもってましたが、期待に違わぬ面白さでした。

 アンリ・ルソーをめぐる美術ミステリです。東京の美術館で監視員をしている女性が、MoMAからアンリ・ルソーの名作を貸出する際の交渉相手として指名されたことを聞かされるところから物語ははじまります。その指名していたティム・ブラウンというキュレーターとは、以前、アンリ・ルソーの名作に似た作品の真贋鑑定を競わせる申し出を受けていて、その様子がティム・ブラウンの視点から語られていきます。いろいろと謎めいた状況の中、ティムは美術館のチーフ・キュレーターのトム・ブラウンに来たはずの招待状かもしれないにも関わらず、そのことを隠して参加していますし、この真贋鑑定の勝者には作品をどう取り扱うか決める権利が与えられるという約束となっている中、そのことをなぜか知って接触してくる者がいたりとかして、状況に動きが出てきます。

 真贋を見極めるために、手掛かりとして与えられたアンリ・ルソーについて書かれた物語が、作中作としても面白くて、美術を題材にしているといっても、敷居も高くなく、予備知識がほぼなくても楽しめる作品になっています。
posted by 行き先不詳 at 13:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月24日

「ロミオとジュリエット」

 Ninagawa×Shakespeare Legendという企画の第1弾らしくて、いつものシェイクスピアシリーズの番外編という扱いになってるようです。

 小ホールでの上演で、舞台の三方を取り囲むようにすり鉢状になっている客席の通路なども頻繁に俳優が移動したりするのと、高低差がある構造を活かした演出などが印象的でした。たとえば、ジュリエットの「あなたはなぜロミオなの」といったあたりの場面では、ロミオとの位置関係が美しい構図に見えたりもしました。

 オールメールということで全員男優が演じていますが、ジュリエット役は月川悠貴。私は、蜷川シェイクスピで女性役を演じているところくらいしか観たことがないのですが、相手役とのバランスもあるかもしれませんが、年上女性な雰囲気になっているというふうに見えました。乳母役の岡田正の女性役は前にも観たことがありますが、取り立てて女性に見えるわけではないのに対して、月川悠貴は女性っぽく映るのは相変わらずです。主演のロミオ役は菅田将暉。少年っぽさを前面に出したようなロミオで、ジュリエットとの対比が鮮明になっていたようにも感じました。

 ラストを少し追加というか一演出入れてますが、悲恋のカタルシスであったり、両家の半生と和解という落着感に冷や水を浴びせるような終わり方にしたかったのかなという気がしましたが、効果のほどはよく分かりません。

作 シェイクスピア
演出 蜷川幸雄
出演 菅田将暉 月川悠貴 矢野聖人 若葉竜也 平埜生成 菊田大輔 原康義 青山達三 塾一久 廣田高志 間宮啓行 大鶴佐助 岡田正 清家栄一 山下禎啓 谷中栄介 鈴木彰紀 下原健嗣 ハイクラソーナ 後田真欧 小松準弥 佐藤匠 原零史 福山翔大 
8月21日 昼 彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
posted by 行き先不詳 at 18:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

KAKUTA「痕跡(あとあと)」

 KAKUTAは、ここのところ観たり観なかったりになってましたが、評判がかなりよかったので、千秋楽に駆け付けたかんじになりました。

 嵐の中、子どもがひき逃げに遭いそのまま川に流され、行方不明になった事件が過去にあり、そこで人生に大きな影響を受けた人たちのそれから10年後の物語。

 ひとりは、この事件を目撃していたバーのマスター。割れた窓ガラスが目に刺さり片目が失明しています。二人目は、ひき逃げ犯でそのことはバレずに済み、今は結婚して妻が妊娠中。三人目は、事件当時、自殺を図るところ、マスターに声を掛けられた男。今は、妻の兄が社長をしているクリーニング店で息子といっしょに働いています。

 そして、ひき逃げされた子どもの母親が、自分がガンに冒され余命を意識することで、改めて調べ直そうとするのです。ただ、生きているかも分からないという中で、手掛かりを当たっていき、上記の関係者に接触したりもします。

 中盤で、ほぼ全貌が見えてくるのですが、それで簡単に収まるような生易しい問題ではありませんし、いろんな劇的な展開を想像して観ているだけで、鳥肌が立ったり、泣けそうになってきました。とはいえ、どちらかというとそういうカタルシスに向かう展開にはなっていません。

 実の親子か育ての親子かという普遍的な問題は、取り違えで話題になった事件を想起させるところですが、ほかにも無戸籍とか偽装結婚とか、重い素材を扱っています。そして、なにより、過去に犯したものの償わずにきた罪が今にどう刻印されているかといったこと、これからどのようにして生きていくかということが問い掛けられています。強烈な余韻を残しますが、それでいて不快な後味でもありませんでした。

作・演出 桑原裕子
出演 成清正紀 若狭勝也 高山奈央子 佐賀野雅和 異議田夏葉 小田直輝 桑原裕子 松村武 辰巳智秋 多田香織 大神拓哉 斉藤とも子
8月17日昼 青山円形劇場
posted by 行き先不詳 at 18:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月23日

大人の新感線「ラストフラワーズ」

 大人計画と劇団☆新感線のコラボ企画。作/松尾スズキ、演出/いのうえひでのり。作風の違いはあれど、出演とかではお互い共通しているところもあるわけで、そんなに違和感があるわけではないところです。

 人類の次の進化というSF的モチーフにスパイアクション的な設定、北朝鮮をモデルにした独裁国家が暴走しそうになる展開、障害やエロ要素、時事ネタやパロディを入れ込んで、ブラックでダークなテイストもありながら、エンタメな演出で音楽がスカパラ。もうごった煮なくらいに盛り込んでいて、それでいて場面転換の手際のよさ。また観たいと思わせるくらいに密度が濃いです。素晴らしかったです。

作 松尾スズキ
演出 いのうえひでのり
出演 古田新太 阿部サダヲ 小池栄子 橋本じゅん 宮藤官九郎 高田聖子 皆川猿時 粟根まこと 村杉蝉之介 河野まさと 荒川良々 山本カナコ 平岩紙 保坂エマ 星野源 村木仁 松尾スズキ
8月16日夜 赤坂ACTシアター 
posted by 行き先不詳 at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今野敏『転迷 隠蔽捜査4』

 このシリーズは3.5からは文庫落ちしてから読むパターンになってしまってますが、好きなことに変わってないです。また、ドラマ化されたほうも観ていたのですが、その後にはじめて読んだことになります。ということで、今回読んでみて、あぁ、あの事件かってかんじの印象で読み進めたところです。

 署長の竜崎は、いくつもの事件が発生する中、他の機関や部署、立場との軋轢や衝突、駆け引きなどの矢面に立つ形になってしまって、それでも役割や目的に照らして原理原則に従って交通整理しながら、捌いていくという展開。事件そのものを除くと、エリートに限らず管理職の振る舞い方みたいな視点もあるかもしれません。自分ができるのはここまでで、あとは誰々が判断すればいいとかっていう割り切り方なんか、参考になりそうな気がするくらいです。ただ、しがらみとの関わり方として、こういう対処の仕方はできっこないけど、っていう前提だからこそスカッとできるところもありますが。

 キャラクター小説的な面白さがある反面、シリーズ化されてることもあって、主人公にこれだけ負荷がかかっても緊張感はそれほど強くないということはあるかと思います。安心して読めちゃう、みたいな。ないものねだりかもしれませんが。
posted by 行き先不詳 at 10:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「るろうに剣心 京都大火編」

 「るろうに剣心」の前作もアクション映画として楽しみましたが、本作はそれ以上でした。今回もノリとしては、時代劇というより格闘アクション大作を観るような気分です。アクションで一番惹き込まれたのは、前半の小田原の宿場での殺陣で、アツくなるものがありました。

 それと、すぐには誰だか気付かなかったのですが、土屋太鳳がイメージを覆すキャラとアクションでよかったです。まぁ、イメージといっても、「鈴木先生」のスペシャルファクターと朝ドラ「花子とアン」の妹役といったところですけども。

 原作マンガは読んでませんので、それとの比較でいいとも悪いともないのですが、キャラクターのありようとかが当然というべきか、マンガ的だなと思うところはありました。それがマイナスとばかりは言えないにしても。
posted by 行き先不詳 at 10:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月21日

ジョンソン&ジャクソン「窓に映るエレジー」

 大倉孝二とブルー&スカイによる新ユニット。ナイロン100℃の番外公演でこのふたりの企画がありましたが、そちらは観ておりません。
 ナンセンスコメディを期待してましたし、実際そうでしたが、コントではなく一本の演劇作品として作られていて、意外なところでした。
 随所にシュールな笑いもありますが、下らないなぁというところもあって、ほんとにバカです。つまりは面白かったのですが、ちょいちょい置いてかれた箇所もありました。

作・演出 ジョンソン&ジャクソン(大倉孝二 ブルー&スカイ)
出演 大倉孝二 ブルー&スカイ 村岡希美 池谷のぶえ 菊池明明 川原一馬 池田成志
8月2日昼 シブゲキCBGK
posted by 行き先不詳 at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

志の輔らくごin下北沢「牡丹灯籠」

 この企画は毎年のようにやってきて今年が6回目のようですが、私は今回がはじめて。というより、立川志の輔の高座を観るのがお初です。
 三遊亭円朝の速記本を底本に、それをそのまんま高座に掛けたら30時間くらいになるので、前半は人物相関図をもとに解説しながら、後半は落語で、という構成。

 前半の解説をしながらも、ふっと落語に入ったりする自在な語りのリズムが素晴らしく、また、牡丹灯籠そのものの設定、展開に惹き付けられます。演劇の公演で孝助を中心にしたストーリーは観たことがありましたが、細かいところは覚えてないのが当然の入り組みぶりでした。

8月1日夜 本多劇場
posted by 行き先不詳 at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「江戸妖怪大図鑑」太田記念美術館

 3ヶ月近い期間のうち、「化け物」「幽霊」「妖術使い」の3部に分かれていて、その第1部「化け物」の最終日に行ってきました。夏休みということもあって、子どももたくさんいて、活気のある館内でした。この美術館にしては混雑していて、自分のペースでは観られないほどでした。

 菱川師宣から月岡芳年までの妖怪画という括りでしたが、歌川国芳と月岡芳年が多めな印象。改めて感じたところとして、好みとしては国芳なのですが、月岡芳年の切れ味には目を引くものがありました。

 それから、どうでもいいことですが、桃太郎が豆をまく絵があって面白かったです。鬼ヶ島ではないにしても、これで退治できるんだったら楽なもんだよなとかって話です。
posted by 行き先不詳 at 00:21| Comment(0) | TrackBack(0) | アート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

村上春樹『女のいない男たち』

 発売当日に購入したものの小説自体を読めてなくて、3ヶ月以上してからようやく手に取った次第です。
 個人的な印象では、売れてはいるものの話題性という点ではあまり大きくなっていないように感じられたことと、その分ということなのか、賛否両論で騒がしいというよりは、総じて評価は悪くないのかなといったところです。そういう期待値に違わず、すごく好きということもなければ、気に入らなかったということもないというのが正直な感想です。

 本作はタイトルの通り、女性に去られてしまった男たち、あるいは去られようとしている男たちを描いた短篇集ということですが、かといって、失恋に焦点を当てたといったものとも違っていますので、果たしてそこに注目するべきかという気もするところでした。

 6篇のうちでは「シェエラザード」がちょっとヘンで一番面白かったです。主人公の置かれた状況がよく分からないのですが、そこで語られる、好きな男子生徒の家に空き巣に入ることが止められなくなってしまって、という体験談がスリルがあって、もっと読みたかったくらいでした。
posted by 行き先不詳 at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする