2015年02月14日

「ハムレット」

 蜷川幸雄の演出で藤原竜也のハムレットは2003年以来だとのことですが、この12年前の公演は私も強烈な印象を残していまして、演劇体験としてかなり上位にあるくらいです。ということで、今回の期待値は高かったです。

 和テイストが入ってたり、コミカルなところが時々出てきたりするのが特徴的なのかなと感じましたが、全体的には、理解しやすくてすんなりと頭に入ってくる印象をもちました。正直なところ、圧倒されるスゴさまでではないとか思ってしまうのですが、それは期待値が高過ぎたというところでしょう。

 オフィーリア役の満島ひかりは、第一幕では、ちょっと強いのか硬いのか、合ってないんじゃないかと感じたのですが、第二幕の狂気を見せるところは、見応えのあるところでした。

 フォーティンブラス役が、さいたまネクスト・シアターの内田健司で、大きな役を得ているので、期待されているのでしょうが、今回の演出では、ほかの俳優と違って音声をマイクで拾っていないくらいに小さくて、風貌や態度にも英雄的な要素を見せないため、どうしてこういう演出になっているのか違和感を覚えるところでした。演出意図がもっと分かりやすく打ち出されていないと、内田健司がミスキャストに思われてしまうのではないかと思ったところです。

作 ウィリアム・シェイクスピア
演出 蜷川幸雄
出演 藤原竜也 満島ひかり 満島真之介 横田栄司 内田健司 たかお鷹 鳳蘭 平幹二朗 ほか
2月11日昼 彩の国さいたま芸術劇場
posted by 行き先不詳 at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

六本木歌舞伎「地球投五郎宇宙荒事」

 クドカン脚本の新作歌舞伎。元禄の江戸にエイリアンが飛来する設定ですが、未知との遭遇やスターウォーズのパロディ要素があるのと、一幕と二幕それぞれの冒頭は楽屋風景から入るとかメタ的な面もあったりして、コントの落とし方とか、アクションとか、いろんなエンタメ要素をごった煮的に入れ込んでます。

 荒唐無稽さと歌舞伎の相性は悪くないのかなとか思わせるバカバカしさとそれを荒っぽくも豪快にやってのけている力業が印象付けられました。ある種、未完成なところを残しているとも言えるくらいに、固まっていないし、もっと練り上げられそうかなと思いましたので、すでにして、再演があればさらに面白くなるのだろうなと思ってしまいます。

脚本 宮藤官九郎
演出 三池崇史
出演 市川海老蔵 中村獅童 加藤清史郎 ほか
2月8日夕 EXシアター六本木
posted by 行き先不詳 at 22:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「エクソダス:神と王」

 2D字幕を観ました。出エジプト記のモーゼのエピソードをリドリー・スコットが映画化。モーゼをクリスチャン・ベイルが演じています。

 古代エジプトを描くスケールの大きさが見所ですが、それでいて良くも悪くも現代的な感覚があって、入り込みやすくもありました。2時間半の上映時間ですが、退屈せず楽しめました。報復することであったり、奴隷にしている異民族との関わり方が、テーマとして今と地続きだと感じさせるものがありました。
posted by 行き先不詳 at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月08日

「ビッグ・アイズ」

 私は今回はじめて知りましたが、実在の画家の実際にあった事件をティム・バートンが映画化。

 ウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)は、妻のマーガレット(エイミー・アダムス)の絵を自作と偽って売り、それがたいへんな売れ行きとなっていきます。妻には隠れて制作させる一方で、自分だけ名声を得ていくことになるのです。

 ゴーストライターの事件を想起させますが、夫のウォルターは、口がうまくて宣伝や商才はあるようで、彼がいたからこそ売れた面はあるのですが、アイディアを提供するとかはないので、彼との共作的なところは全くありません。ただ、妻の作品の作者を偽っているだけです。

 マーガレットにとっては、知らないうちに既成事実になっていて、売れているという事実と、共犯関係にあると脅されて言い出せなくなってしまったということで黙認してしまうのですが、それだけでなく、ウォルターに対して反抗できなくなってしまっています。映画の冒頭、元夫から逃げたところからはじまりますが、強く出る男に支配されやすい面があるのかもしれません。

 そういう意味では、創作にとっての本当の意味での作者とは、といったことではなく、ふたりの夫婦関係のあり方や生き方がテーマの中心になっているんだと思います。後半は、自分の作品として発表することの自由や生き甲斐を回復しようとする展開となっていきますし。

 作品自体について、ウォーホルには認められたらしき言葉が紹介されてましたが、マーガレットの作品の芸術的な評価がどの程度なのかが映画を観てても分からなくて、やっぱり、スキャンダル的なところが前面に出てしまうのかなと思いました。絵によって、これはいいなと思うものもありましたけど。

 クリストフ・ヴァルツが演じる口八丁のウォルターは、特に終盤の裁判シーンが茶番過ぎるくらいに軽薄さが強調されてます。二面性のある性格で、饒舌な陽気さと強圧的に責め立てるところに狂気を感じさせます。自分の作品でもないのに、名声を欲して嘘をつき続けるところにも、得体の知れなさを感じさせます。
 
 それから、男尊女卑の表れなのかもしれませんが、教会での悩みを打ち明けたときに受けたアドバイスのメチャクチャさが一番不快でした。
posted by 行き先不詳 at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月07日

「ドラフト・デイ」

 NFLのドラフトをめぐる駆け引きを中心にしたドラマ。

 ケヴィン・コスナーがGM役で、ドラフトが開催される1日を描いています。ドラフトに向けた他のチームとの交渉や自分のチームのオーナーや監督との衝突、また、プライベートでの問題もあって、いろんな負荷が主人公を追い込んでいます。そんな状況下での駆け引きがスリリングです。

 日本の観客用にドラフトのポイント解説が上映直前に流れるくらいに、指名順位のトレードがあるなどドラフトの仕組みが特徴的です。結局のところ、ドラフトのルールにはよく分からないところはあって、だいたいこういうことだろうなぁ程度の理解で観てました。それから、ドラフトにかかる選手名などは、駆け引きの中心になるわけですから、ちゃんと覚えながら観てかないと多少混乱するかもしれません。アメフトとかNFL自体については、詳しい必要はないかと思います。

 最終的に、ドラフトの答え合わせとして、本当にその選手が活躍できたのかを知りたくさせるところがあるかと思います。それに、いろんなことが丸く治まり過ぎだろって気もしないですが、後味のいい着地となってます。
posted by 行き先不詳 at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月05日

「マエストロ」

 さそうあきらの同名マンガの映画化。解散したオーケストラが再結成することになって集まった楽団員たちが、無名の指揮者のもと再起を図る話です。

 有力なメンバーはすでに国内外の楽団に入ってしまっていて、残り物的な空気もあるのと、そこに現れた指揮者・天道徹三郎(西田敏行)は誰も知らない人で、態度は大きく、胡散臭く、でも、ただ者じゃないことが窺われる人物。

 主人公といえるのは、コンサートマスターの香坂(松坂桃李)で、オーケストラメンバーのお互いのエゴがぶつかったりして、まとまりを欠いたところもあるし、個人的な問題を抱えてたりもして、人間臭ささが出ているのですが、指揮者の天道が裏で動いたりして、問題を解消していくところもあり、次第に求心力をもったオーケストラの音楽が完成されていくのです。

 終盤の演奏会でのベートーベンの運命にはグッと来るものがあって、よかったです。それから、miwaが思いの外、魅力的な存在感を放ってて印象的です。

 監督 小林聖太郎
posted by 行き先不詳 at 19:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月01日

モダンスイマーズ「悲しみよ、消えないでくれ」

 モダンスイマーズを観るのはかなり久しぶりで、2010年7月の「真夏の迷光とサイコ」以来です。これといった理由はないんですけど、なんだか遠ざかってしまって。
 で、今回は公演がはじまってからの評判のよさに惹かれて足を運んだ恰好です。通路に座布団席を設けるという盛況ぶりでクチコミの効果も窺えました。

 物語の舞台は山荘で、妻を亡くした男が義父と暮らしています。立ち直れずにいて、世捨て人のようでもあり、ただ妻を亡くしたことに罪悪感をもっているようにも見え、生きる活力を失っています。

 そこに学生時代からの登山サークルの先輩たちが訪ねてくるのですが、はじめは彼のことを心配しているものの、次第にいろんな隠されたことが暴露され、修羅場と化していきます。

 新たな暴露ごとに修羅場が何度も繰り返されますが、それでいて、シリアス一辺倒ではなく、脱力させるところが随所にあって、笑いが起こります。狭い人間関係の中での修羅場のスリリングさと、人間関係の交錯ぶりが面白かったです。

 しかし、言い争いがただ起こるというよりは、彼の人間性に問題があろうとも、妻が亡くなった理由をどこまで彼に引き受けさせることが適当か、という問いがそこにはあるように思えました。また、そういう俗世間から離れた山荘での生活や生き方に対する倫理的な視点からの検討もありました。

 それでも、でんでん演じる義父のやり切れなさ、無念さには胸を打たれるものがあります。


 作・演出 蓬莱竜太
 出演 古山憲太郎 津村知与支 小椋毅 西條義将 生越千晴 今藤洋子 伊東沙保 でんでん
 1月31日昼 東京芸術劇場 シアターイースト
posted by 行き先不詳 at 19:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。