著者の作品では『婚礼、葬礼、その他』以降のものを読んでるので、こういうタイプの小説を書いてたんだとちょっと意外でした。
青春小説というくくりになるでしょうが、いかにもな青春を描いてるわけでもないんですよねぇ。主人公のアザミの人物造形によるところが大きいのですが、それが小説全体の構想や文体と密接にかかわってきて、創り上げられています。その人物造形については、必ずしもネタバレだとまでは思わないまでも、予備知識なしに読みはじめたいところです。
冒頭のバンド解散危機、っていうか解散しちゃいますが、それと受付の男子高校生との接近というすべり出しから、ありがちな筋書きを全く進みません。細かい日常の描写が積み重ねられますが、これが読んでて飽きさせないです。
私には、アザミというキャラクターが愛しくて、かつ、切なく感じます。
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