2009年11月27日

吉田修一『横道世之介』

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 大学進学のため上京した横道世之介の1年間が描かれる青春小説です。時代設定は80年代後半ですが、その20年後の今、登場人物たちがどんな人生を歩んでいるかが、ところどころ顔を出すという構成です。

 決して劇的でもなく、大きな事件も、衝撃的な秘密や葛藤を抱えてるわけでもありません。ですが、全く飽きることなく読み進め、文章の繊細な構築ぶりを楽しみました。一番好きなのは、祖母が亡くなった「十月 十九歳」あたり。

 世之介は、それほど個性的なキャラクターでもないですし、特筆するほど愛すべき魅力をもっているとまでは私は感じないのですが、「いろんなことに、『YES』って言ってるような人」で、いい奴ですし、肯定的であっけらかんとしたところがあって、ただフツーなだけでもなく、絶妙な人物造形なのでしょう。
posted by 行き先不詳 at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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