2011年07月18日

6月〜7月半ばに観た舞台より

 ここんところの更新頻度はかなりひどいことになってまして、舞台については1ヶ月半分溜まってしまってるありさまです。

 TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER TWENTIES」
 劇団競泳水着の上野友之の立ち上げたユニットの新作でした。これは企画の力が素晴らしく、気軽に観られるなら、繰り返し観たくなるような楽しさです。アイディアの勝利という気がしました。一人の女性の20代の10年間を10人の小劇場周りの女優たちがそれぞれ1歳分ずつの人格として演じています。一人語りの部分も多いですが、ガールズトークっぽいシーンがとりわけ好きです。
 脚本・構成・演出 上野友之
 王子小劇場



 ナイロン100℃「黒い十人の女」
 たまたま、TOKYO PLAYERS COLLECTIONと同じ日に観たのですが、まさか10人の女つながりになるとは、と開演前になって気づきました。こちらは、市川崑監督の同名映画を舞台化したもの。最前列の超至近距離で観てましたが、全くの私だけの感想になりますが、隣りの席の女性がすごく反応よく嫌みでない笑い声をあげていて、横にいて幸福な気持ちになってしまいました。ただ、それでも後半の展開はやはり不条理に過ぎるようにも思えたところです。
 オリジナル脚本 和田夏十
 上演台本・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
 青山円形劇場



 劇団チョコレートケーキ「裁きの日」
 「十二人の怒れる男」と2本立てで上演されていましたが、オリジナルの本作のみ観ました。死刑判決を扱う裁判員裁判を題材にしていますが、小手先でなく、真摯な姿勢を感じました。はじめのうちは、これが、ある意見を表明するようなものだったら、やだなぁとか思ったんですけど、杞憂でした。ただ、客席からは顔が全然見えない人がいるので、多少のフラストレーションがあったかなと。
 作 古川健
 演出 日澤雄介
 Gallery LE DECO 5F



 国分寺大人倶楽部「リミックス2」
 国分寺大人倶楽部は今回がはじめて。過去作を短篇に仕上げたリミックス作品で、初心者にはよかったです。
 脚本・演出 河西裕介
 王子小劇場



 渡辺源四郎商店工藤支店「桃色淑女」
 虚構の劇団の三上陽永が客演でした。タイトルがピンクレディから来ているように、アイドルを素材にしています。引退した元アイドル・グループとアイドルを目指す高校生の話が主要な軸になっていて、女性と男性の役ですが、同じ出演者が演じていて、それぞれに共通したエピソードが提示されます。
 作・演出 工藤千夏 
 アトリエ春風舎



 「モリー・スウィーニー」
 アイルランドの劇作家であるブライアン・フリールの戯曲を谷賢一が演出。南果歩がモリー役の女性で、盲目の女性。その夫役が小林顕作、医師役に相島一之。
 モリーは全盲ではなく光を感じることができるので、手術をすれば視力が回復する可能性もあるのですが、実のところ視力がないとはいえ彼女はすでに充たされていました。視力を回復することで得るものと失うものがあるのです。
 それぞれが独白調に進行するのが特徴です。ただ、最も印象に残るのは、これはどのくらい演出によるものかと思うほどに、小林顕作のはっちゃけぶりで、バランスを乱しているようでいて、一番面白いところだったので、私としてはこれがなかったら全く違った作品として受け取っていただろうくらいのインパクトでした。面白かったです。
 シアタートラム



 「確率論」
 岡田あがさと須貝英の二人芝居。数学を題材にしていて、小説家と数学者が登場人物です。数学ネタが散りばめられているのですが、知ってるものだと、あぁコレかとか思ってしまって、個人的にはそれほど刺激的に感じない面はありました。
 脚本 三宅伸行
 演出 倉本朋幸
 SPACE雑遊



 「雨」
 井上ひさしの戯曲で、初演は1976年だということです。演出は栗山民也、主演は市川亀治郎と永作博美。前半は、なりすましコメディのような設定で、行方知れずになっている問屋の当主と間違われたことをきっかけに、山形まで出向いていくことになります。ただ、本人ははじめのうちは、自重していて乗り気ではなかったという点は重要かなと。間違われ続けている中で、言葉も商売もわからないところから努力を重ねて、すっかり当主としての地位を自分のものとし、自らの出自の証を消していくのですが、そこには落とし穴が…。ミステリ的には、若干アンフェアな気もしましたが、終盤の展開は凄みがありました。とりわけ、市川亀治郎が素晴らしかったです。
 新国立劇場 中劇場



 芸劇eyes番外編「20年安泰。」
 小劇場で活躍している5組の劇団の競演という企画。ロロ、範宙遊泳、ジエン社、バナナ学園純情乙女組、マームとジプシーの5組でした。このうち、私はロロと範宙遊泳以外は初見でしたが、とにかくやっぱり何といっても、バナナ学園純情乙女組のインパクトに持ってかれてしまいました。本当に本当なら、服が濡れるとか汚れるとか気にせずに、もっと一体感をもって体験したいという気もしました。次回の公演も観てみたくなりました。
 水天宮ピット 大スタジオ



 ハイバイ特殊公演「七つのおいのり」
 劇団員がひとりずつ短篇を作・演出したという7作品です。それでも、どれも面白かったですし、テイストも全体的に統一感があったように思います。相当笑いました。
 アトリエヘリコプター


 コロブチカ「2」
 「確率論」に続いて、2週連続の二人芝居だということでしたが、こちらは3作品の短篇でした。
 「来週は桶狭間の合戦」作・演出 中屋敷法仁 出演 コロ 堀越涼
 「グッドフェローズ」作 竹内佑 演出・出演 浅見紘至 伊与勢我無
 「sweet motion」作・演出 コロ 出演 右手愛美 大杉亜依里
 SPACE雑遊



 ウーマンリブ「SAD SONG FOR UGLY DAUGHTER」
 今回は老舗の和菓子屋が舞台のホームドラマでした。5年ぶりに出て行った娘(宮崎あおい)が、親子ほど歳の離れた恋人(岩松了)を連れて帰ってきます。この恋人にはマネージャー(少路勇介)がついてきていますが、何が本職かはよくわからないところのある人。職人である父親は松尾スズキが演じていて、全く対照的な人物像として登場しますが、それもしだいに変わっていきます。母親は死別していて、後妻(宍戸美和公)とその連れ子(矢本悠馬)がいます。ほかに、職人の弟子(田辺誠一)。それからそれから、連れ子である弟は引きこもりで、その部屋に荒川良々演じる近未来人がタイムトラベルしてやってきているというのもあったりで、全体としては、どういう話かをまとめにくいのですが、かなり面白かったです。
 途中で歌われる「正当防衛」が最高でした。
 作・演出 宮藤官九郎



 サンプル「ゲヘナにて」
 岸田戯曲賞受賞後はじめての作品に、こういう作品をもってくるんだということに潔さを感じました。個々のシーンは不可解とかつまらないということではないのに、全体としてこれは何なのか、ということがやっぱりわかりません。かといって、私にかぎっては、そもそもわかりそうもないので、謎を解こうとかいうふうに思考が向かわず、これ以上理解が深まることはなさそうです。地獄ということがモチーフのひとつとしてあるようですが、ヒエロニムス・ボスの絵画を連想しました。
 作・演出 松井周
 三鷹市芸術文化センター 星のホール

 

 はえぎわ「○○トアル風景」
 はえぎわは今回が2回目ですが、前回公演のアプローチの延長線上にある作品のようで、観といてよかったとか思いました。前回より、感動しちゃいましたし。壁面と床が黒板になっていて、チョークで絵を書いて、見立てを連続して展開させていくプロローグから惹き込まれました。随所に演劇ならではの表現があって、そこそこのシュール感も含めて面白かったです。
 作・演出 ノゾエ征爾
 ザ・スズナリ



 「血の婚礼」
 シアターコクーンが改修中のため、にしすがも創造舎で「Bunkamura大規模修繕劇団」旗揚げ公演としての本作です。主演は窪塚洋介。舞台上にほとんどずっと強い雨を降らせて、その下で激しい演技のぶつかり合いがあるようなアングラ感のある作品でした。ガルシア・ロルカ「血の婚礼」を日本に引き写したものだということです。
 作 清水邦夫
 演出 蜷川幸雄



 ハイリンド「牡丹燈籠」
 すっかり演劇にするのではなく、落語だという成り立ちも残した上で演劇として創り上げていて、メリハリが効いていて、かなり素晴らしかったです。とくに孝助を中心にした因縁の物語として整理されていて、本作の見通しがよくなった気がしました。
 作 三遊亭円朝
 構成・演出 西沢栄治
 日暮里d−倉庫
posted by 行き先不詳 at 20:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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