2015年02月01日

モダンスイマーズ「悲しみよ、消えないでくれ」

 モダンスイマーズを観るのはかなり久しぶりで、2010年7月の「真夏の迷光とサイコ」以来です。これといった理由はないんですけど、なんだか遠ざかってしまって。
 で、今回は公演がはじまってからの評判のよさに惹かれて足を運んだ恰好です。通路に座布団席を設けるという盛況ぶりでクチコミの効果も窺えました。

 物語の舞台は山荘で、妻を亡くした男が義父と暮らしています。立ち直れずにいて、世捨て人のようでもあり、ただ妻を亡くしたことに罪悪感をもっているようにも見え、生きる活力を失っています。

 そこに学生時代からの登山サークルの先輩たちが訪ねてくるのですが、はじめは彼のことを心配しているものの、次第にいろんな隠されたことが暴露され、修羅場と化していきます。

 新たな暴露ごとに修羅場が何度も繰り返されますが、それでいて、シリアス一辺倒ではなく、脱力させるところが随所にあって、笑いが起こります。狭い人間関係の中での修羅場のスリリングさと、人間関係の交錯ぶりが面白かったです。

 しかし、言い争いがただ起こるというよりは、彼の人間性に問題があろうとも、妻が亡くなった理由をどこまで彼に引き受けさせることが適当か、という問いがそこにはあるように思えました。また、そういう俗世間から離れた山荘での生活や生き方に対する倫理的な視点からの検討もありました。

 それでも、でんでん演じる義父のやり切れなさ、無念さには胸を打たれるものがあります。


 作・演出 蓬莱竜太
 出演 古山憲太郎 津村知与支 小椋毅 西條義将 生越千晴 今藤洋子 伊東沙保 でんでん
 1月31日昼 東京芸術劇場 シアターイースト
posted by 行き先不詳 at 19:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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