2008年02月19日

佐藤正午『アンダーリポート』

underreport.jpg

 昨年久しぶりに出た佐藤正午の新作『』もすごかったですけど、こちらも相当です。

 あらすじの抜き出し方によっては、ミステリーのようにもなりますが、そういう小説ではありません。検察事務官の古堀が、15年前の隣人の殺人事件について、行ったり来たり蛇行するようにして記憶を巡らしながら、少しずつ全体像が明らかになるんですが、その文章の巧みさ、組み立ての妙に浸りました。

 ある人物の考え方として、重大なあやまちがあれば、それを戒める力が働くのだから、注意すればわかる。逆に、それがなければ、正しい行いなんだというのが出てきます。語り手の古堀は、否定的に捉えてるのですが、人物造形上の設定という以上に小説世界を形作る大きな要素になってると思います。たいへん魅力的な小説でした。

 
posted by 行き先不詳 at 22:26| Comment(0) | TrackBack(1) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/84844795
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

15年前の記憶から
Excerpt: 小説「アンダーリポート」を読みました。 著者は 佐藤 正午 15年前の未解決事件 古い記憶から見えてくる真相とは・・・ 非常に淡々と語られていく 無駄のないといえばよいのか ミステリーなのだが..
Weblog: 笑う学生の生活
Tracked: 2012-03-11 18:19