小泉八雲の「怪談」から、五つの話を取り上げて、前川知大が舞台作品として創ってます。三軒茶屋のシアタートラムで、水曜の夜公演を観ました。
主演が仲村トオルだったので、個人的には前川知大を知るきっかけだった「抜け穴の会議室」を思い出します。今回は、ほかに池田成志、小松和重、歌川椎子とイキウメから伊勢佳世、浜田信也、盛隆二、岩本幸子というキャストです。
昔は寺だったという旅館にやってくるふたりの男(池田成志と小松和重)。そこには、作家(仲村トオル)が滞在しています。話をしているうちに、地元の言い伝えを、順番に語っていくというスタイルで、小泉八雲の「怪談」から「常識」「破られた約束」「茶碗の中」「お貞の話」「宿世の恋」が再現されるようにして演じられます。そして、個々の奇怪な物語を再話するだけでなく、ふたりの男と作家の出会いが偶然ではないということがわかってくる、という構成です。
それぞれの話によって、テイストが違っていて、背筋がゾッとするような怖さのものもあれば幻想的なものや、おかしみが感じられるものもあって、個別の作品のセレクションとレイアウトが素晴らしいです。
見所としては「破られた約束」の亡くなった妻の亡霊登場シーンとか「宿世の恋」の浪人が引き裂かれる思いに揺れるところなんかが、盛り上がりますし、怖かったりもするのですが、全体的に、池田成志が過剰なくらいに、面白さが突っ走ってるもんですから、そこが強烈なアクセントになってます。そんな私は「茶碗の中」のような軽さが好きです。
私は、原作のほうの小泉八雲『怪談』にほとんど興味をもったことがなかったのですが、今回、読んでみたくなりました。


